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44 最終試練①

 …どうしてこうなった……


『体力と魔力、クールタイムは全快にしておきますから、全力でかかってきてください。』

「そりゃあ良い配慮をだなぁ!」


 それぐらいしねぇと俺に勝ち目一つもないからな!?

 ってか、クールタイム自体前回から回復するようになってたじゃねぇか。


 クソデカい大和&守護者30体 VS ドパガキ&エスリル

 …地獄絵図かよ…


「エスリル、コラルドで頼む」

『ワカッタワ』


 剛弩になったエスリルを横向きに引き絞ると、自動で矢が出現する。

 今回は、最大数の8発だ。

 …魔力を2割持っていかれたが、問題ない。


ギギギ……


 限界まで引き絞り、放つ。


ドォン!!


 横一列に並んだ矢が、扇状に飛んでいく。

 …音速超えてるだろ… 衝撃波来たぞ…


ズドドドドドドドド!


「シャァアアアッ!!」

「チッ…」


 ヨルムンガンドが身を乗り出して防ぎやがった…

 邪魔しやがって…


「…まぁ、魔力が全回復したから良いんだがな…」


 コラルドのスキル【暴食】の効果だ。

 与えたダメージ分の魔力が回復する。…基準がわからん!


「痛々シイワネ。」

「えぐり取ったからなぁ…」


 【暴食】の副次効果で、少しだけ当たり判定がデカくなってる。

 空気抵抗がないくせにデカいってなんだよ。


「もういっちょ。」


ギギギ…

ドォン!!


「キシャァァアア!」


 …タフだな、こいつ。

 自分からタンクを乗り出すってことは、ある程度知性があるってことなんだろう。

 だったら…


「おい! お前らはヨルムンガンドに守られてばっかりじゃ生きてもいられないのか!? 来いよ! まとめて相手してやるから!」

「ギッギャギャッ!」

「ウォオオォォオ!!」

「ギギャァアア!!」

「グルルゥ……!」


 うおっ… 急に殺意が飛んできたな…

 動物園みたいに反応するじゃねぇかこいつら。


 とうか、スキル【挑発】。便利だなこいつ。

 摂津でめちゃくちゃ敵を煽ってたら手に入ったスキルだ。

 …やっとまともなスキルを獲得したぜ…


 ……まともか?


 ……ま、まぁ、ヨルムンガンドは今だいぶ傷ついてるからな。簡単に行動はできないだろう。


「ヨルムンガンドには魔力回復用のタンクとして活躍してもらうか。」

「エゲツナイワネ…」

「そうでもしねぇと勝てねぇよ」


 数少ない回復要員だ。


スッ


「うおっ!? ウェストバージニア!」

「ッ!」


ガキンッ!!


「………」


 緑色の衣を着た妖精が急接近してきた。

 …見たことがあるような…


「シルフヨ!」

「シルフって… 風の妖精か!」


 妖精が敵ってなんだよマジで…!

 速すぎるだ…! 反応が間に合わなきゃ死んでたぞ!


「【解放】!」


ドォンッ!


「………ッ!」

「っと…」


 一旦距離を取る。

 流石に至近距離じゃ準備も何もあったもんじゃない。

 体勢を立て直……


「ギギャァ!」

「上ヨ!」

「んなっ!」


ガァンッ!


 大盾を上に掲げ、巨鳥からの攻撃を受ける。

 …地味に重い!


「【解放】…!」

「ギギャッ!」


 クッソ! 多対一の弱点を突きつけられた感覚だ…!

 …なら…!


「長門だ!」

「ワカッタワ!」


 使い慣れた短刀の形になるエスリル。

 やっぱ手に馴染むぜ! この形は!


「…ッ!」


ガキンッ


 シルフからの攻撃を長門で受ける。


「しつこいっ! なっ! 【41cm砲】…!」


ドォンッ!


 出し惜しみしている暇はない…!


[シルフを討伐しました!]

[最終試練 大和 攻略率1/31]


 1/31ってふざけていやがるだろ…! マジで…!

 …これはなかなかに骨が折れそうだ…!


「ギギャッ!」

「っと!」


 長門の効果がやっぱ優秀だな!

 体がキビキビ動く!


「グルゥッ!」

「っ! 人狼までいるのか!」

「ワーウルフヨ!」


 どっちでもいいがな…!


ヒュンッ シュッ シュッ


「全部空振りじゃねぇか! ご自慢の身体能力を活かしてみなよ!」

「グルァア!!」


 まぁ俺が全部避けてるだけなんだがな!

 【41cm砲】は20秒使えない。…今となっては短いと思っていたものが長く感じるぜ…!

 ヒリヒリしてきたぁ!


ネバァ…


「んなっ!?」


 糸…!?


「グルゥ!!!」

「ッチ! ウェストバージニア!」

「!」


ガキンッ!


「【解放】! 長門形態に戻れ!」

「グルァッ……!」

「ワカッタワ!」


 っぶねぇ! 粘つくな… この糸。


「アラクネノ糸ヨ!」

「ガァアアア…!!」


 竜……ワイバーンッ…!?

 炎のブレスか…!


「可燃性ダカラ逃ゲテ!」

「んなっ!?」


 この糸可燃性なのかよ! クソがっ!


ブチブチッ!


 少し糸が服にくっついているが、問題ない…!

 そもそもこの服自体が可燃性だからだ…! 糸がつこうと問題ない!


 …少し不愉快だが。


「危なすぎるだろ…!」

「31対1ナンテ無茶ヨ…」

「今はもう30対1だろうが! まだ活路はあるだろ!」

「……ソウネ!」


 …範囲殲滅ができたら良いんだが…


「うぁあぁ…」

「ゾンビッ!?」


 アンデッドまで出てくるのかよ!


ズバッ!


 あれ…死んだ…?


「リッチヲ倒サナイト無限ニ出テクルワ!」

「何だそのクソゲー!!」


 あーもう、対処がくっそめんどくせぇ!!


「ギギャァア!」

「ッチ! ロドニーだ!」

「ッ!」


 初めて使う形態のロドニー その武器種は―――


「砕けろ!」


ドガッ!

バキンッ!


「ギッギャァアアア!!」


 ―――大槌だ。


 ハッハァ! ご自慢の爪が砕けちまったなぁ!

 頑張って伸ばして再挑戦してこい! 


 ――――来世でな!


 本気で跳躍し、巨鳥と同じ


「おるぁあ!!」

「ギギャッ……」


バゴォン!!!!


 地面に、打ち下ろす!!


 【憤怒】の能力で、魔力を消費し、武器に火力が上乗せされる。

 そうすると…


[ロック鳥を討伐しました!]

[最終試練 大和 攻略率2/31]


ズシィン!!


「グルァ…」


[ワーウルフを討伐しました!]

[最終試練 大和 攻略率3/31]


「…っしゃオラァ! どうだ! 鳥の下敷きになる気分は!」


 良かったじゃねぇか! 最後の最後で羽毛布団を味わえて!


「次はどいつだ…?」


 どんどんかかってこいよ…!

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