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32 死に挑むラプソディ【呉】⑦

「ってええぇえぇぇえ!?」


 なんだよ不正解は死って!

 マジあっぶねぇな! 俺デッド×3・オア・アライブを視聴者に預けてたってこと!?

 …ふざけんな。


「先に言えやぁ!」

『………』


 なんも言わねぇじゃんこいつ。 

 少しぐらいなんか言えや。


「…はあ、ルールの緩和ってどれぐらいされたんだ?」


 どっから確認できるんだよ。


『どうぞ』


ヴンッ


―ルール―

・レベル50→60

・武器攻撃可能回数10回→12回

・1人だけで受けることが可能→変動なし

・リタイアは不可能→変動なし

・ボーナス→1%で選択肢増加

・10隻の戦艦→変動なし

・最終試練→変動なし



「うはぁ! なにこの神試練!」


 ほぼボーナスじゃねぇか! 俺は視聴者っていう最強なやつがあるんだからなぁ!

 …ってか、あの声だんだんフランクになってきてない?

 もっと重要なときに出すものでしょ…


「まぁこれで、結構楽になったってことか!」


 攻撃回数が2つ増えたのもかなりありがたい。

 レベルが10増えたのも、この試練中レベルが上がらないみたいだから、ありがたい。

 これで、少し無茶が出来る。


「とっとと次の問題来いや!」


 うちには視聴者っていう便利な奴らがいるんだよ!

 不正解=死って知れば、日本人なら普通に正解を応えようとするだろ。

 流石に冗談だと思うやつはいないと思うし。


[問題:第二次世界大戦中にイギリス海軍が計画・起工したものの、戦局の変化や空母優先の方針により、1隻も完成することなく全て建造中止となった「イギリス最後の計画戦艦」のクラス名はどれでしょうか? A.ヴァンガード級 B.ライオン級 C.ネルソン級 D.マレーヤ級]


 マレーヤはクイーン・エリザベス級戦艦で、マレーヤ級なんてない。

 …あとはしらん。


「D以外でコメ欄〜」


『B』

『Dって聞いたこと無いな。あれ? Dじゃなくて?』

『Bのライオン級やで。大戦が起きたせいで中止になった』

『A…じゃないな。ちゃんと建造されてる』

『Cじゃね?』

『Bだな』

『Bだわ。』

3000¥

『B。信じろ。住所公開するぞ』

『Bだな。』


 …Bか。あと、光。お前脅すなや。


「…本当にBだな? 信じるぞ?」


 俺死にたくないからな? ちゃんとBなんだよな?

 信じるからな?


「…心配だしやっとくか。モードチェンジ 処女王(クイーン・エリザベス)」


 …多分、これで死んでも大丈夫。

 語呂が百人乗っても大丈夫に似てるな…


 いやクソどうでもいい!


「いくぞ。」


ポチッ


[正解! ルールが緩和されました!]


ヴンッ



―ルール―

・レベル60→70

・武器攻撃可能回数12回→14回

・ボーナス1%→2%で選択肢増加



「…なんかめっちゃ省略されたな。」


 …若干投げやりじゃね?

 っていうか、もうほぼこれボーナスゲームじゃん。

 だって絶対に失敗すること無いんだし。


「…ってか、俺の素のレベル63なのに70まで引き上げられたんだけど。…縛りが意味無くなってるぞ?」


 …完全に想定外なんだろうな。

 そもそもこの難易度をやらせようとするのがおかしい。

 …まあ、ヒリヒリ感は下げられるが、流石に死にたくはないから、ボーナスはもらえるだけもらっておくとしようか。

 多分、攻撃回数はまだまだ足りないし。


 武器が敵に触れるのが攻撃判定なら、武器で攻撃を受けるのも出来ねぇ。

 そうでもしないと攻勢防御とか言ってなんかあやふやになりそうだしな。


「刺激が足りねぇなぁ…」


ジッジジッ…


 …あれ? もしかしてフラグ立てた?


[試練の1/5を攻略しました。第六階層守護者が出現します。]


ガチャッ


 床が開く。

 …あれ?


「………なんかデジャヴ…アアアァァァ…!!!!」


 ダンジョン初日と同じ事になってんじゃねぇかぁ…!



ドサッ


「ってて…」


 下にクッションぐらい置いておけよ…

 そのせいで尻もち付いたじゃねぇか。ケツがいてぇよ。


ザッ


「…おいおい…」


 なんか相性悪そうな敵が出てきたぞ…


「インファイトは初めてか…」


 カマキリと戦うのも初めてだがな!

 そう、次の敵はカマキリ。


 バッタに並ぶ小学生の大好きな虫の一体だ。

 …俺は嫌いだけど。そもそも虫全般苦手。


 決して小学生と同類や同等にしてもらいたくはないな。

 …ドパ「ガキ」……


「…さ、さぁ! 戦うとするか!」


 相手は狩る側だ。見た目は完全にデカいカマキリだが、どんな事をしてくるかわからん。


「キシシッ!」


スポッ


「…え?」


 鎌が…抜けた?


「…そして浮いた…!?」


 うげぇ… うえぇ…?


「そしてまた生えたぁ!」


 ニョキニョキ成長するじゃん。

 …ん? あれ、これって…


「近距離が得意で中距離が強く、遠距離が出来るっていうチートでは…?」


 …いや、エルメスもだいたいそんな感じだったけど…


ブオンッ!


「やっぱコッチ来るんじゃねぇか鎌ぁ!」


 くっそがぁ! なんで神経もないのに操作ができんだよ!


 …戦いたくねぇなぁ…

 …一回分だけ、攻撃させてもらうとするか…?


 いや、今後44体も控えてるんだ。こんなところで使っていたら…

 …でも、今後ボーナスが来ない可能性はないとは言っていないよな?


 滅約の書だってあるんだぞ? 俺なら…問題ないはず。

 確証はないけどな!


「っと!」


 考え事をしてる暇はないし、とっとと殺すか!

 無駄にカロリー消費しちゃぁもったいないからな!


「っぶね!」


 速すぎるなこいつ…

 目で追うのが… ギリ追えねぇな。


 俺の直感で耐えてるぞ…

 だが、接近しないことには戦えない。


 俺は肉薄して、懐に忍び込もうと――――


「―――っぐ!」


 っち! いてぇ! 速すぎて見えなかった!

 もしかして指切れたかこれ…? 小指のあたりがズキズキする。


バッ!


 すぐさまカマキリから離れ、傷口を見る。


「…は?」


 流血感がないと思ってみてみれば、指はくっついており、そこだけ光って縫い合わされたみたいなようになっている。

 …どういうことだ? 魔力を消費してる感じは…ある。


「っぶね!」


 …空気読めKY鎌。


 完全に小指を切断されたような感覚がある。

 実際に小指から先の感覚がない。…なのに。


「…ハハッ」


 つい、笑い声が漏れてしまう。

 だって、小指がしっかり動くんだから。


「【老婦人(オールド・レディ)】……こりゃちょっと危ないかもな。」

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