91/122
乱数速度メリーゴーランド
「「「「乱数速度メリーゴーランド?」」」」
私たちは家族、親戚合わせて計十二人で近くの遊園地へとやってきた。開園したばかりの遊園地は知らない乗り物がたくさんあり、魅力溢れるものだった。その中でも、目を引いたのが新種のメリーゴーランドだ。
どうやらこのメリーゴーランドはそれぞれの馬が独立しており、ランダムなスピードで走っていくようだ。面白そうなので、私を含めた子供五人でアトラクションに乗った。速度は最初からランダムなようで後ろにいた弟が物凄い速さで私を抜く。かと思ったら、急激にスピードを落として今度は抜かれていく。馬たちの激しい動きに酔いそうになる。アトラクションが終わるとみんなフラフラな足取りで外へと歩く。一回だけで充分だ。
「優香!!お前、やればできるじゃないか!!流石は俺の娘だ!!」
アトラクションから出るとお父さんが私を褒めてくれた。何事かと思ったが、手に持つお札で察した。馬鹿親は私たちで競馬をしていたらしい。




