表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
8/122

不思議な赤い薔薇

 彼との結婚記念に、庭に赤い薔薇の苗を植えた。

 薔薇は健やかに成長し、庭中を赤色に染めていった。

 それから三年が経ち、二人の間には子供が生まれた。何もかもが順風満帆。だが、一輪の薔薇が萎れてから転機が訪れる。その日以降、薔薇たちは少しずつ萎れていき、庭は草木のみの殺風景なものになった。ちょうどその時、彼の浮気が発覚した。浮気相手は彼の会社の後輩。彼は必死に頭を下げて私に謝った。「もうしない」と何度も口にする彼を目の当たりにして、私は彼を許し、もう一度信じてみることにした。

 その日から、再び薔薇は綺麗に咲き誇り、庭は赤色に活気づいた。

 それから十五年が経ち、彼は大きな難病を患った。一年の看病の末、彼は息を引き取った。翌日、私は二人の愛の形である赤い薔薇を一本ずつ丁寧に切った。最終的なその数は何と九九九本。

 何度生まれ変わっても私を愛していてほしい。そんな強い祈りと一緒に、主人の棺桶に赤い薔薇を注いだ。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ