表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
61/122

殺し屋の金魚掬い

 僕のカノジョは殺し屋だ。血塗られた汚れ仕事。でも、それを感じさせないほど、浴衣姿の彼女はとても綺麗だった。

「ねえ、あれやってみたい」

 綿飴を片手に持ちながらカノジョは空いた手で一つの屋台を指さす。

 金魚掬い。夏祭りの定番の一つだ。カノジョは目を輝かせながら僕を見る。せっかくのデート。楽しまなければ。僕たちは金魚掬いに行った。

「はい、ポイの網がなくなるまでね」

 お金を払い、水の入った器とポイをもらう。カノジョは早速目の前の金魚に視線を注いだ。そして、目にも見えぬ速さで水槽に入った金魚を掬っていく。カノジョの姿にその場にいた全員が釘付けになった。店主は「もうやめてくれ」と言わんばかりに悲しい表情で見ている。

 さすがは殺し屋だ。僕は感銘を受けつつ、カノジョの持った器を見た。

 カノジョの掬った金魚は漏れなく一匹も動いていなかった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ