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街を彩るアンブレラフラワー
「なあ、今ふと閃いたアイデアがあるんだが、聞いてくれるか?」
「うん、教えて」
「街中をアンブレラフラワーで包み込むというのはどうだろうか?」
僕と彼女は名古屋にあるアンブレラフラワーにいる。ここでは様々な色の傘が規則的に並べられ、空間を彩っていた。僕ら二人は休憩がてらアンブレラフラワーの下にある椅子に腰をかけて眺めていた。
「街中にアンブレラフラワーを飾れば、雨の日に傘を刺さなくても済むだろ。それに晴れの日は紫外線対策にもなる。空を見上げれば虹よりも綺麗でカラフルな景色を堪能でき、飛行機に乗って空を飛ぶ時はカラフルで綺麗なフィルターのかかった街並みを見られる。街の復興にいいアイデアだと思ったのだけどどうだろう?」
僕の提案に彼女はニコッと微笑む。そして、感想を述べた。
「コスパ悪い」




