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ランプの魔人
「お前、また勝手に出てきたのか」
家に帰ると、中年の男がリビングでお菓子を食べながらテレビを見て寛いでいた。まるで風呂上がりの母親のように、頭には白い布が巻かれている。これが彼を示す象徴とでも言うべきだろう。
ランプの魔人。物語でよく知る『何でも願いを叶えてくれる魔法の人物』だ。だが、俺の家にいるこいつは一味違う。
まず、出てくる方法が違う。一般的には水差し型のランプを源として出現するだろうが、こいつは蛍光灯を源として出現する。蛍光灯の電源を入れたら、こいつも一緒に現れるのだ。そして、一般的には願いを叶えてくれる存在だが、こいつは部屋にあるものを消費して散らかすだけだ。
「おかえりー」「おかえりじゃねえ。てめえのせいで、今月の電気代がとんでもねえことになっているんだぞ。お前は『魔人』でも悪魔の魔だろ」
誰かこいつを俺の家から出してくれないだろうか。




