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成長と羞恥

 俺は永年『愛用のつけペン』を使って線画を描き続けている。

 皆がデジタルに切り替える中、俺だけはずっとアナログで描き続けている。永年培ってきた感覚がデジタルだと冴えなくなるのだ。

 一度たりともミスは許されない線画作業は常に緊張感との戦いだ。何十年も緊張感と戦い続けると、飛躍的に線画の技術が増していく。

 昔の作品を見比べるとそれは明らかだった。線画の強弱の付け方が上達し、絵の迫力が格段に増している。だからこそ、ふと思い立って今の作品と昔の作品を並べると成長とともに、昔の作品への羞恥を感じてしまう。

「なので、お願いですから絶版にしてくれませんか?」

 俺は担当編集に懇願した。今の作品が大ヒットを果たし、昔の作品までもが急遽増版されることとなった。昔の汚い線画の作品が出回るのはどうしても避けたい。懇願する俺に担当編集は笑みを浮かべながら言う。

「ダメです!」

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