43/122
宝石の洞窟(4/5)
ようやく辿り着いた『虹の洞窟』。アメジスト、サファイア等々、今まで歩んできた洞窟の宝石たちがキラキラと輝いていた。その中央に佇むのは数多の宝石が埋め込まれた巨大な亀『レインボーアクバーラ』。
足を甲羅にしまって俺たちに目を向けていた。俺たちも亀を見る。
「汝、なぜここへやってきた?」と念力で亀から声をかけられる。
「虹の宝玉を得るため」と俺は念じて亀に答えた。
「何故、虹の宝玉を?」「親友が患った不治の病を治すため」
俺と亀の視線が交わる。おそらく亀は俺のことを見定めているのだろう。俺は真剣な眼差しで亀をずっと見続けた。
「よかろう。お主の願いをしっかりと受け取った」と亀は口を大きく開き、舌を俺の前に出す。隣にいたボルクとアスカは俺たちの会話が聞こえていなかったのか突然の行動に驚き、体を逸らせる。俺はそれを気にすることなく、舌に埋め込まれた虹色に煌く球体『虹の宝玉』を手に取った。




