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割れた皿の数が愛情の量

 妻がアルツハイマー型認知症であることがわかった。

 ちょうど定年退職した時期だったのが幸いだ。日頃から暇を持て余していたので、妻がやっていた家事は私が引き受けよう。そう思っていたのだが、妻は私が家事をするのを拒んだ。数十年間、自分がやり続けてきた仕事を誰かに取られるのが嫌だったのだろう。懇願する妻に負け、私は家事をお願いすることにした。

 診断を受けてからも妻は引き続き、家事に勤めた。最初のうちはまだまともにできていたが、年月が経つにつれ、徐々に様にならなくなった。手の痺れから皿洗いの時に皿を割ることが多くなった。いい加減代わると言ったが、妻は言うことを聞いてくれなかった。私の仕事は妻が割った皿の片付けだった。やがて、寝たきり状態となり、呼吸感染で亡くなった。

 遺品整理の際、私は妻の割った皿を手に取った。捨てることができなかった。これは妻が私のために自分の役目に勤めた愛情の印だったから。

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