表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
21/122

夢のホールケーキ

 幼い頃、ホールケーキを食べるのが夢だった。

 だが、貧相な家庭だったため誕生日ケーキを食べることすらできなかった。いつかは絶対食べたいとお店に置かれたレプリカをよく眺めていた。

 時が経ち、成人を迎えると幼い頃の夢は薄れていた。稼いだお金でケーキを買うことはあってもホールケーキを買うことはなかった。

 さらに時が経ち、結婚をして、子供を授かった。家計にかかるお金が高く、幼い頃と同じく誕生日ケーキを食べられなくなってしまった。

 慌ただしい毎日を過ごしているうちに還暦を迎えた。

 私の誕生日、夫がケーキ箱を片手に帰ってきた。

「記念すべき六十歳だから派手に祝おう。大きめのケーキを買ってきた」

 夫は恥ずかしそうにしながら箱からケーキを取り出す。中から現れたのは『5号サイズのホールケーキ』だった。私は思わず手で口を覆った。

 幼い頃の夢は数十年越しに叶えられることとなった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ