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蛇に睨まれた蛙

「宏人、あんたお菓子食べたでしょ?」

 テレビを見ながらくつろいでいるとキッチンから母親の怒号が聞こえた。そちらへ顔を向けると弟と母の姿がある。弟は母の問いかけに答えず、じっと母の目を見ている。母もまた弟を睨み付けていた。

 その様子はまるで『蛇に睨まれた蛙』だ。俺はそのことについて昨日見たテレビの内容を思い出す。今までは、蛙は恐怖で体がすくみ身動きできないという説が有力だった。だが、研究チームが新たな説として先手不利というのを発見したらしい。蛙は飛行から着地までの進行方向を変更できないので、軌道を読まれたら捕獲されてしまう。そのため、できる限り引き付けてから飛ぶようにしているのだとか。この説に当てはめれば、もしかすると弟は今、逃げるタイミングを探しているのかもしれない。

「白状しなかったら晩ご飯抜きだからね」「すみません。食べました」

 蛇が強すぎるあまり、蛙が逃げられるような場所はなかったみたいだ。


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