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渇ききった喉

 今朝の自分の行いを後悔した。

 暑さ極まる今日、五百ミリリットルの水一本では全く足りなかった。俺は改札を潜って徒歩二十分かかる自宅へと歩いていった。太陽の光がただでさえ少ない身体中の水分を奪っていく。

 今日はパチンコに負けて金欠状態のため、家に帰ったらあるものにお金を使うのは憚られる。渇ききった喉を自分の唾を飲むことで潤していく。

 砂漠を彷徨い歩く人の気持ちがわかった。今日ほど俺は水という存在を愛しく思ったことがないだろう。世界が歪んでいく中、必死に自宅という名のオアシスへと突き進む。そして、ようやく俺は家に着くことができた。玄関で倒れると留守番していた四歳の息子が俺の元へとやってくる。

「み……水をくれ」

 今にも死にそうな声で問いかける。息子は「わかった」と元気な声で言うとリビングへ向かった。程なくして息子はミミズを持ってやってきた。


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