101/122
組体操『ユニバース』
「ねえねえ、美沙、柚月。私たちで組体操やらない?」
運動会の昼休み。ランチを食べ終え、柚月と話していると遠くの方から友達の香奈と静流がやってきた。おそらく午前の最後に行われた組体操に感化されてやりたくなったのだろう。
「良いよ。何やるの?」「ふっふっふ。組体操『ユニバース』よ」
ユニバース。一人が棒立ちしてその周りを一人が回転しながら回る。さらに回転している人の周りをもう一人が回るというものだった。つまり、三人で太陽、地球、月を表現するということだ。
言い出しっぺの香奈が審査員を務め、静流が太陽、私が地球で、柚月が月を務める。やってる最中、香奈が調子に乗ってたくさん回させたため、終わったときには視界が歪むほど目が回っていた。
休みは終了。香奈と静流が帰る。そこで二人は不適な笑みを浮かべる。
「「これで午後一にやる二人三脚はもらったわ。ふっふっふ」」




