林間学校2日目
4月29日 林間学校2日目
今日の夕方には帰れる。
目を覚ますと周りはまだ寝ており、スマホを見るとルナさんからのLINEが 勝利の女神ってプロポーズですか?プロポーズですよね 夜のことも『未来視』で見ていたようだな 最近、絡み方が面倒くさい
起こさないようにジャージを着て、部屋を出る 周囲に人がいないか確認後、『ハイド&シーク』を使い施設の外へ出る 監視カメラに姿を撮られるが窮屈な部屋にいるよりましだ
ストレッチをし、朝のランニングを始める
今の時間は5時で起床時間は6時半、1時間半は自由にできる 今日行く予定の川の方へ走る 10分ほどで到着した
澄んだ綺麗な川で流れは穏やかだ そのまま上流の方へ向かった。山道の方に行けばハイキング趣味のお年寄りと会うと思うが今は1人の時間で誰にも会いたくなかった。
上流の方へ走って向かうと滝を発見した、『変身』を使った。
変身状態の耐水性の確認とか色々を時間ギリギリまで調べる。
まだ4月の下旬で滝の水は冷たく感じるが内側が濡れているように感じない
Hポイントは200に増えており、Dポイントは300に増えていた。そろそろ交換するかと考えたが土壇場で新しい力に覚醒めて敵を倒すのがヒーローだろ ということで交換は先送りにした。
滝行を止めて、陸地に上がりスマホで時間を確認すると6時10分だったため急いで施設へ戻る
『変身』状態で走ったため、10分足らずで施設に着き、トイレに向かい、『変身』と『ハイド&シーク』を解除、寝ていた部屋へ何くわぬ顔で戻る
部屋へ戻ると過半数はすでに起きており、布団を片付けていた。
「カゲくん、おはよう どこに行っていたんだい」
「ちょっと、ベンジョニー」
朝から花田のイケメンスマイルはむせる
ちなみにこのクラスで俺がまともに話せるのは野田、花田、葉月くらいだ
朝食の時間がきたため食堂へ移動、朝食はビュッフェスタイルじゃなく純和食の定食だった
美味しいけど、味噌汁が濃すぎるな 鮭のハラミとハラスは確か、お腹の部分で脂が多いのがハラスで骨がある部分がハラミだったな
「んいゃ、カンーわ」
「野田、食べてから話せ」
「悪い、カヌーはどうすんだ、4人だろ」
「2人乗り2つじゃないかな」
「誰と誰が組むかだ」
カヌー体験は女子が多いため、野田のことだから花田と組みたいのだろう
スマホを確認すると絵里からのLINEだった 内容は事務所に行ってくるだけだった。
「野田、よく考えろ ほとんどが福田の取巻き連中だぞ」
8組は3班が、カヌー体験をする。残りの2班は福田の取巻き4人のギャル女子がいるため、1番まともな女子は葉月しかいない
馬鹿の野田もさすがに考えるはずだ、取巻き連中からしたら俺が悪だろう、付け爪の件は花田も俺に加勢していたがな
朝食後、各体験事に分かれて移動する。山上高校は定員割れをしている高校でレベルも低い 俺の場合は中学の連中に会いたくないのが理由なのだ、それに私立は高いしおかんに負担を掛けれない
留年生は何故、留年したのか そもそも留年するほど頭が悪いのか?人にもよるが出席日数が足りない、素行が悪いとかもあるな
4組の留年生の女子、俺の勘だが能力だろう 能力者同士は惹かれ合う スタンド使い的な感じだ
カヌー体験の川まで着いた、野田は花田と組み、俺は葉月とだ 野田の野望通りになったな
オールの動かし方、旋回の仕方などの講義後、カヌーに乗り込み、インストラクターを先頭に川を進む
漕いでもあまり進まない
「葉月、お前能力者だろ 能力は水関連か?」
「正解、福山くんが能力を明かしたなら私も教えることにした。『水流操作』よ」
やばい能力だな、ようは水を操る能力だ 人体の血液を操作されると不味い
「人に向けて使うなよ」
「私が触れている物を通して使える能力よ 今はオールを通してカヌー周辺の水流を操作しているけど」
「なら、身体に触れるだけで血液を操作出来るな」
「やったことないけど、そう言われると危ない能力ね」
葉月は能力を使うのを止めるとスムーズにカヌーを漕ぐことができ、遅れた分を取り戻せた
カヌー体験は何も問題なく、終わり 再び施設に戻る
林間学校最後の食事はバーベキューだ と言っても焼肉に近い、網ではなく鉄板で焼いて食べるからだ
「無事に終わったね」
「1日目は散々だったけどな」
「あははは、そうだったね」
「カゲ、サッカー部に入れもしくは助っ人に」
「断る」
「マネージャーの先輩がとても美人なんだぜ、おっぱいも大きいぞ」
「野田、場所をわきまえろ 葉月もいるのにその発言はないぞ」
「男はみんな、おっぱい、おっぱいって」
葉月の胸は平均的な大きさで絵里の方が大きいと思う、それを上回るのがルナさんなのだが
「野田くん、同じ男として恥ずかしく思うよ」
あの花田も野田には呆れていた
スマホを確認すると絵里とルナさんから同時にLINEが
「兄さん、今日から撮影です。20時に終わる予定です。」
「おめでとう、頑張るんだぞ」
絵里には返信しておいた。
「影司くん、絵里ちゃんと姉妹として売り出すことになったよ」
「芸名は福山ルナになったよ、絵里ちゃんの芸名は福山エリで名前はカタカナだよ」
「これは嫁入りだよねだよね」
「ルナさん、結婚は18歳からで あと飛躍しすぎだから 帰る前に連絡をください」
ルナさんの好意はありがたいけど過剰過ぎる気がする 俺は彼女に何か言ったことあるのか? 小学校時代の記憶はあんまりないからな 返信はしておいた
「カゲ、彼女からか?」
「彼女はいねーよ 妹からだ、今日からモデルの撮影らしい」
「はぁ?」
「福山くん、妹がいたんだ」
「この話は終わりだ」
花田は別の班に行っていたため、野田と葉月だけで済んだ なんかルナエリで売れる気がして怖い 焼肉で胃がもたれているのかすでに胃が痛い
昼食後はバスに乗り、高校へ帰るだけだ 帰りも前の席で隣は葉月が座っている
「福山くん、連絡先交換しようか」
「いいけど」
連絡先を交換した、クラスメートで交換したのは葉月が初めてだった
「葵って名前なんだ」
「変な名前でしょう」
「別に変ではないと思うぞ」
葉月との会話はそれっきりでトイレ休憩まで眠った
バスが停まると目を覚ました。トイレ休憩でトイレを済まし スマホを確認するとルナさんからのLINE
とても可愛らしい衣装を着たルナエリの写真が送られてきたのと20時に梅田に来るようにと書かれており、了解と返信した。
バスに乗り込み、帰りのバス内はとても静かだった クラスカースト上位の1角が消えたことが大きかったのだろう 能力者に人を傷つけるための依頼は犯罪になっており、依頼された方も犯罪返り討ちあっても実行した時点で犯罪行為扱いだ 二度と会うことはないだろう
16時頃に高校に到着してから解散になった。話しかけられるのが面倒なので『ハイド&シーク』を使いさっさと自転車に乗って帰宅、帰ると誰もいなかった ジャージと体操服、下着を洗濯機に放り込み、洗濯 私服に着替えて、洗濯が終わるの待ちながらスマホを弄る
ニュースには福田がやらかした事件のことはなかったが何処ぞの馬鹿息子の親の会社が色々とやらかしていたことが公表されて社長が逮捕されたことがニュース記事になっていた。
政界に出る予定だったらしいがだいたい金の力だろうな
洗濯が終わり、干したあと 帰って来てから温めて食べれるように味噌汁と里芋の煮っころがしを作っておいた
時間は19時だったので急いで駅へ向う ルナさんが梅田と言っていたので阪急で梅田へ、大阪だとJRになる
電車に揺られて20時前に到着した。人目が付く場所へ移動してから連絡を待っていると絵里からLINEが
「兄さん、今観覧車がある所にいます」
梅田で観覧車と言えばHEPしかない、あの辺りは待ち合わせ場所に適しておりついでにナンパが多いため、急ぎ足で向かった。
予想通り3人組に絡まれてる2人を見つけた。
「妹たちに何か用ですか」
「おたくは?」
「迎えに来た兄ですが」
3人組は慌てて逃げ出した
「兄さん、助かりました。」
「私も影司くんの妹なの?誕生日的に姉なんですけど」
俺の誕生日が11月でルナさんの誕生日は9月 姉になるけど最近のポンコツ工合がね
「ここは待ち合わせに適しているけどさっきのみたいなのが多いから次からはもっと考えるように」
「兄さん、ルナ姉さんと日曜日に撮影が入りました。」
「時間は?」
「朝からで昼過ぎには終わる予定です。」
「昼過ぎに迎えに行けばいいな」
2人を連れて電車に乗って帰る 呼び出された理由はさっきのナンパへの抑止力だったのだろうか
「影司くん、痴漢から助けてね」
ルナさん、先に言うって欲しかった。空いている席に2人を座らせて2人の正面に立つ、これで痴漢ができるならやってみろ
最寄り駅に着いて下車、けっきょく痴漢には遭わなかった。
「痴漢は嘘だったよね」
「うん、あと今日は影司くんの家に泊まるね」
おかんは看護師で今日は宿直で帰らないのだが
「私の両親はキャンプデートに行っちゃったから」
「はぁ〜、分かった ルナさんの家まで向かうよ 着替えてとか必要だろ」
「うん、ありがとう」
「ルナ姉さんと一緒ですね」
3人で冬美家に向かい、キャリーバッグを持って来たルナさんと家に帰った。
最初から計画していたと思う
夕食を食べてから先に風呂に入った後、今日は眠った
月曜、高校に行くとゴールデンウィークが始まる あの2人に振りまわされる未来しか見えないぞ