文化祭前日
花田視点
放課後、文化祭の準備は明日に持ち越しになりクラスメイトは下校している。
8組の教室には花田聡が1人だけ残っていた。
「聡、来てあげたわ」
「呼び出してごめんね魔女さん、単刀直入に聞くけど僕のクラスメイトに催眠系の魔法を使ったかい?」
「はぁ! 攻撃魔法しか使えない私がせこい真似するわけないでしょ あんたの能力の方が都合がいいでしょ」
僕の能力『フレグランス』なら催眠効果の薫りを使えるし自白剤代わりの薫りもある 戦闘向きではないけど日常生活で役立つことが多い 誰にも知られてないけどね
「僕も危険が及ばないと使う気がないからね」
4組の魔女は白か
「8組を憎んでいる人間か『催眠』系の能力者を知らない?」
「憎んでいる奴はいないんじゃない?『催眠』の能力者も私は知らないし」
「なら外部の人間か」
「今回は私も手伝ってあげるわよ、聡に給仕してもらいたいし」
「なら、デカいメイドさんに変わってもらおうかな」
「なにそれ?ちょっと気になるんですけど」
クラスメイトがいない所で花田と4組の魔女は共闘関係であった。
文化祭前日
俺はいつも通り、高校へ行く 文化祭と学園祭の違い?
文化祭は中学校、高校でおこなわれる学校のイベント
学園祭は大学、大学の知名度を広めるためでもあるらしい
「葉月、今日は早いな」
「おはよう、福山くん 荒らされていないかの確認よ」
クラスメイトはどんどん登校して来るが運動部の5人はいまだに登校していなかった。
「昨日の続きと買い出しは午後からでそれと衣装合わせもするから福山くんは化粧もね」
「マジで」
俺は看板作りの手伝い、ダンボールを切って加工するだけなんだが
「シャドー、着替えヨ」
「もう、そんな時間か」
空き教室でメイド服に着替えると元ギャル2人が待ち構えていた。
「あーしらが美人にすっから」
「泥舟に乗ったつもりで座っとき」
「それ大船じゃね?泥舟だと沈没じゃん」
椅子に座り、顔に化粧をされていく最後にウィッグを着けて完成した。
「ヤベー惚れる」
「美女じゃね?」
鏡を見ると完全に別人が映っていた
「これ俺?」
「裏声で話してみ」
「おかえりなさいませ、お嬢様方」
「完璧」
メイド姿で教室へ戻った
「誰?」
「可愛いより、美しい」
「福山くん、ハイチーズ」
声がする方へ振り向き、ポーズ写真を撮られた。
「叔母さんに送っておくね」
「お、おう」
葵さんに写真を撮られた後、クラスの男子女子関係なく謎の撮影会が始まり
「そこ、過度なローアングルは禁止」
「おさわりは禁止です。」
「ツーショットは別料金になりまーす」
葵さんと葉月が色々やっている 金取んのか
「なぁ、もういいか」
「福山くん、明日は文化祭終了後に撮影会するよ」
「ツーショット1枚500円くらいかしら」
「マジで」
「メイドさん、指名方式でやるから」
「それワタシも参加できる?」
執事服を着た、ヴェリアがいた あの巨乳をどうすればああなるのか
「長身の執事と長身のメイド」
「何このカップリング」
「ルヴェリアさん、最高ね 最高だわ」
俺は椅子に座って作業の監視、メイドの姿の俺がいるだけでクラスの士気が高い
時間は正午になり、作業は一旦終了 俺もようやく着替えれる
「葉月、午後の買い出しはどうするんだ?」
「量は昨日よりも少ないから自転車で行く予定よ、誰かから借りないといけないけど」
昼食後、俺とヴェリアは中庭のベンチで座っていた
「ヴェリア、午後の買い出しに付いて行ってくれ」
「OK、シャドーは?」
「俺は教室の方にいるから 別々で対処できるだろ」
「そうね」
自転車の鍵をヴェリアに預けた
教室に戻り、作業に移ると言ってもノートパソコンにメニューを作成、コピー、ラミネーターで加工するだけ
フォントを変えたり、文字の大きさを調整などなど
葉月たちは女子だけで買い出しに行き、教室にはほとんどの男子が残った。
「福山、これどう思う?」
シュヴァルツのコスプレとシロガネのコスプレ着た男子2人が聞いてきた
「そのシュヴァルツはマフラータイプだな、シロガネの方は女性だからな」
なぜか全員、驚いている。俺、なんか言ったか?
「なんで、そんなこと知っているんだ」
「桜川高校の文化祭で現れたからな、知ってるって」
作業に集中し過ぎて余計なことまで話していたみたいだった、最近の出来事で誤魔化した。
葉月たち、買い出し班が帰って来た頃には完成しており、細かい調整をしてコピーからのラミネーターで加工して完成した。
今日はアクシデントは何もなく終わり、本番を迎えるだけになった
一応、リハーサルも問題なかった
クラスメイトが下校したあと、俺は教室にDポイントで入手した罠を設置して帰った。
明日は罠を解除するため早く登校しないといけなくなった