無人島キャンプ1日目
8月になり、予定通りキャンプに行くことになった。
朝早く、光さんの運転で高速道路を走っている
あれからハザードメモリーは使うことはなかったと言うよりも使用出来なかった。
ベルトにセットしても強制的に排出されてしまったからだ、強敵が現れない限り使うことはないだろう
車は港の方に向かっていた
「ルナ、おじいちゃんが送ってくれるから」
「うん、分かった」
外にはいかにも老人とは呼べないレベルの厳ついマッチョなおじさまが手を振っている
「ルナ、あれがおじいちゃん?」
「そうですよ、今年で73歳ですよ」
どう見ても40代から50代にしか見えない、俺と絵里、ヴェリアは車から降りてトランクから荷物を出している 光さんとルナはおじいちゃんとお話しているようだ
「絵里、荷物は全部あるな」
「大丈夫だよ」
向こうもお話は終わり、光さんがやって来た
「影司くん、7日後迎えに行くからね 避妊は忘れないこと」
「責任取れる年齢になってからで良いですか」
笑顔で無言の圧力がする。
おじいちゃんを先頭に船に乗り込む、船といってもクルーザーとかモーターヨットとか呼ばれている 値段が高いあれだ
「ルナはいつも可愛いのう、絵里ちゃんか可愛いのう、ルヴェリアちゃんじゃな 綺麗じゃのう で影司よ」
「はい」
「これからも孫娘を頼むぞ」
「はい」
嫌味かなんか言われると思ったが好意的で安心した
クルーザーは出港、港からどんどん離れて行き、1時間後、冬美家が所有する無人島に着いた。
「わしは帰るからのう」
「おじいちゃん、ありがとう」
ルナのおじいちゃんは港へ帰っていき、無人島に残った俺たちは行動を始める
「ログハウスに向かおう」
ルナを先頭に森の中へ入って行くと立派なログハウスが見えてきた
「凄いな」
「隠れ家ってこんな感じですよね」
「ワンダホー」
ログハウスの中に入ると1階はLDKとトイレ、2階は寝室が3部屋と物置部屋で電気、ガスはない、水道は雨水や海水をろ過装置を通して使えるようにしているが飲み水にするには沸騰させた方がいいだろう
「今から帰るまでスマホ禁止ね」
ルナはスマホを没収していき、ログハウスの何処かに隠した。
一応、ログハウスの屋根にはソーラーパネルがあり、ログハウス内の明かりだけは確保しているらしい
「影司くん、薪割お願いね、私たちは森の中で食べれる物を探してくるから」
ログハウスの裏には小屋があり斧と薪が保管されている、切り株の上に薪を置き、斧で叩き割る
薪割りは背筋を鍛えるのに良いらしい、ボクシングマンガでやってたな
多めに割り過ぎたと思うくらい薪を割っていたら、ルナたちが帰って来た。
「影司くん、順調だね」
「明日は背中が筋肉痛だと思う」
斧と割り過ぎた薪を小屋に戻してから必要な分の薪をログハウスへ運んだ
「ここでのルールは自給自足がメインで、お米だけは持ち込みが良くて、お風呂は外に温泉があるからもちろん混浴」
笑顔でルナは話しているが肉を食べたければ動物を狩りしろってことか、野菜と魚で1週間 ちょっと厳しいかな
ログハウスの中にはキッチンはあるが食材を切ったり、皿の洗いをする程度で調理場外にあった。
薪でログハウスを燃やすわけにもいかないよな
米を炊き、ルナたちが取ってきたキノコや野草でスープを作り、朝兼昼食をすませる
「今日は自由行動で明日は海水浴の予定だから、影司くんは楽しみにしておいてね」
「兄さん、兄さん、姉さんは凄い水着を買ってました、ヴェリアさんは歩くだけで危ない水着を買ってましたよ」
「絵里、その情報とても気になるから」
昼食後、俺は島の散策を始めた
人の手が入っているのはログハウス周りとログハウスまで道くらいであとは手付かずでほぼ自然のままだ
森の中を彷徨っていると猪と遭遇した。
猪は俺を見つけると突進してきたため、回避した。
「これも弱肉強食だ、悪く思うなよ『変身』」
シュヴァルツに変身した、猪はまた突進を仕掛けて来たため、今度は真正面から受け止めパワー勝負をする
お互い一歩たりとも引かない拮抗状態に
左手を猪の体に突き刺し、エレクトロフィンガーを起動
猪の体の中に電気が奔り、猪からは焦げた臭いと煙が上がった
「解体出来るかなこれ」
猪の死体を背負い、ログハウスまで帰った
「ルナ、解体出来る?」
「大きい猪だね」
「強敵だったよ」
俺はシュヴァルツのまま猪の解体作業、ルナの指示でテキパキと作業が進み、1時間程で解体は終わりあとは血抜きだけ
「海でやるとサメが来るよな」
「キッチンで作業するしかないよね」
ログハウスのキッチンで血抜き作業をし、保存が出来ないため夕食になりました。




