病院占拠、その後
家に帰るとテレビが付いてあり、絵里はすでに帰っており、ルナとヴェリアもいた
「兄さん、お母さんは」
「ごめん」
俺はただ謝ることしか出来なかった、目の前で何も出来ずに撃たれたのを見ていただけだった
「影司くん、実はね 2つ未来を見れるようになって、影司くんが病院へ突入する未来と突入しなかった未来」
今はそんなことを聞きたくなかったが、もし俺が何もしなかったらどうなっていたのか結果を聞きたい
「ルナ、俺が行かなかったらどうなっていたんだ」
「もっと悪い結果になっていたよ、病院の中は病人含めて殺されていたの」
「それでも、俺が失敗したことは変わらない」
俺は自分の部屋に行き、ベッドで横になる
いつの間にか眠っていたようだが、懐かしい空間だな
「影司!!」
「影司くん」
「ハイドとシークか久しぶりだな」
「影司、大変なのは知っている ずっと見ていたからな、こいつはいつも心配していたしな」
「これでもお姉さんですから」
シークは腕組みをしている
「なんで、会いに来たんだ」
「それはシークがお前のことを心配し過ぎてな、心のバランスが完全に壊れると能力が暴走するからな」
「影司くんは今、お母さんを失った事と復讐で心のバランスが悪くなっているから」
「気持ちの整理をしろと」
「復讐するならそれでもいい、だがな整理してからだ、今のままだと危なすぎる」
「私も報復するのには賛成よ」
え、シークは止めないんだ
「影司くん、私が止めると思ったでしょ 肉体さえあれば今でもドイツ政府に復讐したいんだから」
「ま、俺もアメリカ政府と研究機関に復讐してぇよ」
なんだか少し楽になった気がする
「そろそろ時間だ、怒りに飲まれるな 一時的に能力が上昇するが反動もあるからな、今のお前がその状態だ」
「私にも肉体があればハーレムに参加するんだけど、いつも見ているからね」
目を覚ましてからスマホを見ると19時で1時間ほど眠っていたようだ
起きてリビングへ行くと3人がいる
「兄さん、病院へ行かないと」
「分かった」
「お母さんが来るから一緒に行くことになっているから」
光さんが来て、車で襲撃があったあの病院へ向かう
病室の一角でおかんの遺体があり 俺と光さん以外は泣き崩れている
「影司くんは大丈夫なの」
「撃たれた時に少しだけ話せました。光さんに頼れって言われてます」
「噂の謎の男ね、私と咲、あなたたちのお母さんとは昔からの友達でね、癌で余命いくばくもないのも知っていたわ」
「これから色々やること多いですから」
葬式に名義変更とかあとは今のアパートを追い出されるし
「影司くんは名義変更だけでいいわ、あとは私の方でやるから」
「引っ越しもありますよ」
「そこは私と咲の共同物件を使うわ、私もそこに引っ越しするから」
おかんと光さんは老後のことを考えて2世帯住宅を買っていたとか、光さんは他にもアパートとかビルも持っているからそこからの収入があるとか
「俺とルナが結婚する前提で考えてた?」
「正解、あなたたちが小さな頃に1度会っているのよ 影司くんは迷子になったルナを助けたのよ」
母方の祖父母の所へ行った時だろうか、その時しかないよな
「う~ん、ヴェリアちゃんもいるから影司くん、頑張ってね 男は甲斐性よ」
光さんはおかんの手続きのため一旦、別れ 俺は3人がいる所へ
「絵里、大丈夫か」
「うん」
「葬式があるからな」
病院の外にはまだ報道陣がいるため、医者どもにも報復を
「少しやることがあるから、後で合流する」
『ハイド&シーク』と『変身』を使い病院の外へ行き、『ハイド&シーク』を解除
「我が名はシュヴァルツ、報道陣の皆さん 病院襲撃の全貌をお教えしょう」
主犯は能力者組織関西スクリーム、犯人は20人、刑事がいたが関西スクリームの構成員の1人で妊婦を守って撃たれた看護師がいたこと、医者たちはその場にいるだけで何もしなかったことなどを話していると警察がやって来たため、『ハイド&シーク』と疾風を使い逃げた
警察側の情報も必要になるな
病院の裏まで逃げてから能力を解除、病院の中に入り合流した。
「近親者だけですぐに終わる火葬式だけにしたから」
通夜と告別式はないらしい、明日の午前中に終わらせて、俺は名義変更に市役所や銀行を回る作業、引っ越しの方は光さんと絵里がやってくれるらしい ルナとヴェリアは学校を休むため、引っ越しの手伝い
俺的には医者どもは謝罪しに来い、妊婦さんの方は無事に出産してくれるだけで命を守ったおかんが浮かばれる
その後、TVや新聞、雑誌、ネットではシュヴァルツについての論争で世間を騒がせた