病院占拠
6月中旬、空の色は曇空でいつ雨が降ってもおかしくない状態だった。
シュヴァルツの強化を考え、俺はDポイントで左手に装着するアイテム エレクトロフィンガーを手に入れた。
エレクトロフィンガーは指に電気を集めてスタンガンのようなことも出来るが真の使い方は電子機器への干渉だ、ハッキングとも言う
午前の授業が終わり、昼休み
「シャドー、ランチ」
「おう」
教室で俺は弁当、ヴェリアはコンビニで買ってきたパンを食べる
「ヴェリアの弁当も作ろうか?」
「作ってくれるのは嬉しいけど、普通は彼女が作るんじゃない?」
ちなみに英会話で話しているため、クラスの連中には何を話しているのか理解出来ていないだろう
スマホでニュースを確認する
「シャドー、行儀が悪い」
「ヴェリア、早退する」
俺は慌てて荷物を鞄に詰め込んで教室を出た、弁当も食べかけだ
影司は急いで高校から自宅へ
教室に残ったヴェリアは自分のスマホを確認すると絵里から電話が掛かっていた
「ハイ、絵里」
「ヴェリアさん、兄さんはいますか?」
「シャドーは早退するとか行って出て行ったわ」
「大変なことになりました」
「絵里、どうしたの?」
「あとはニュースを見てください」
通話が切れ、ヴェリアはニュースを確認すると病院を複数の能力者と武装した人間が立て籠っているというニュースで場所はこの高校から1駅で駅から近く大きな大学病院だった
ヴェリアも影司と絵里が慌てていた理由が分かったため、ヴェリアも行動に移そうとしたとき、ルナからのLINEが届いた
「私たちに出来ることは無事を祈るだけだから」
「でもマミーが」
「それでもだよ」
ルナは『未来視』で未来を見ることができる。ならこの事件の結果も見た後だとして未来を変えることも出来るなら私たちが動いたせいで違う結果になるかもしれない
「今は出来ることをやろうよ」
「OK」
影司は事件現場の近くまで来たが警察と野次馬だらけで中々自転車で移動出来ないため、近くの方マンションの駐輪場に自転車を止めてから『ハイド&シーク』と『変身』を使い病院へ移動を開始した。
病院へ近づき、近くの監視カメラからエレクトロフィンガーを使い、ハッキングしていく
ハッキングした監視カメラの映像はスマホから見ることができる
病院内部には全員で18人、銃器で武装している 病院は6階建てで各階に3人配置されている
監視カメラと腕時計の組み合わせで能力者の能力を確認すると、『創造(銃器)』がいたため、全ての銃器は能力で作られた物ということが分かった。
人質は入院患者はそのままで医者と看護師は1階に集められている 来院客もだ
だいたいの内部情報が分かったため、疾風を使い跳躍 病院の屋上に着地し、6階から攻略を開始する
6階を徘徊するのは3人で1人か2人は確実に能力者を入れたスリーマンセルで行動しているようだ、能力者から倒していく
背後から忍び寄り、口を手で塞ぎ、エレクトロフィンガーで意識を奪う 倒してから手持ちを拝借するのだが
銃器、サバイバルナイフ、財布にスマホ、連絡用のトランシーバー 残りの敵も同じ物を携帯しているだろう
同じように残りの2人も倒し、ロープで手と足を拘束 口にはガムテープを巻いておいた。
5階、4階と同様に敵を処理していくと、相手の動きが変わった
仲間と連絡が取れないことが分かったようで手信号で仲間を1階へ集めた、エレクトロフィンガーにはジャミング能力もある
「おい!出て来い 人質を殺して行くぞ」
人質の中から中太りの医者が連れ出され見せしめのように撃たれた 人質は叫び声を上げており、人質の中には妊婦や小さな子供も混じっている
俺は飛びだそうとした時、受付けの机の下から男が現れた 確認すると刑事のようだ ドラマみたいな展開だな
「人質なら俺がなる、妊婦と子供だけでも」
「黙れ」
リーダー格の男は天井に向けて乱射したあと、刑事に銃口を突き付けた
周りが緊張感でとても重い中、俺は1階のホールまで迫り、人質の近くにいる男たちを気絶させていく 残り4人
「何が起きた」
「知らねぇよ」
刑事は腹を撃たれ倒れた、血が流れていない 防弾チョッキを着ていたようだ
俺は残りも倒していき、リーダー格の男が気を失い能力で作られた銃器はなくなった。俺は『ハイド&シーク』を解除して、落ち着いたのだが
刑事だった男がサバイバルナイフで切りつけてきた、俺は避けたのだがもう1人いたようで殴りつけられ、受付けの机に当り、壊れる
「関西スクリームに喧嘩を売ったコスプレ野郎が釣れたな」
「お前の刑事の演技下手すぎ」
俺は倒れている振りをしながら調べると『馬鹿力』の能力者だった、力だけのシンプルな能力だがそれが厄介だ
「俺は本当に刑事だ、誰から殺していくかだな、お前はさっさとコスプレ野郎にとどめを刺せ」
刑事はグルでもう1人は監視カメラがない場所で隠れていたのかしかも俺は誘き寄せるためにこんなことまで
「まだ生きているじゃん」
頭を掴まれ、サンドバッグ状態になる すべての攻撃を受け止めているが
「なぜ病院を狙った」
「弱い者をいじめるのが好きだからに決まってんだろ」
刑事はリボルバーを妊婦に向けている
「おい、やめろ」
「黙って見ていろ」
リボルバーの引き金が引かれた、妊婦の前に誰かが立ちふさがり、妊婦を庇い倒れた。
「おい、離せ」
「あ」
シュヴァルツから紅い怒りが混じったオーラが噴出されており、黒と銀のスーツには所々禍々しい紅が混じっている
頭を掴んでいる腕を思いっきり掴み、骨まで掴み潰した
腕が使い物にならなくなり、痛みで騒いでいるが無視し、また妊婦を撃とうとしている刑事に一瞬で迫り、顔面を手加減無しでぶん殴り 飛んでいった
撃たれて血を流している看護師の止血をするのだが
「おかん」
「え・・・」
「喋るな、生きることだけ考えろ」
傷口を圧迫しているのだがどんどん血が溢れ出る 医者を見ると顔をしかめているだけで何もしない
「医者のくせに何もしないのか!やぶ医者どもめお前らが撃たれろよ」
悪態をついたが医者どもは動かない、おかんが手招きをしているから口元まで耳を傾けた
「癌なの・・・余命も短くて」
顔を隠しているが涙が溢れ出た
「先生・・たちは知って・・・・いるか・・ら」
絵里にはなんて言えばいいんだよ
「ひか・・り・・・たより・・・なさ・い」
おかんの目に生気が失くなったのが分かった、俺と絵里は今日、最愛の母親を失った
悪意が近づいていることに気づいた、まだ『馬鹿力』の能力者が残っている
「おい、腕をどうしてくれんだ」
完全に頭にきている俺はやつの腹に左手を突き刺し、エレクトロフィンガーで電気を直接流す やり過ぎると殺してしまうため、半殺し程度に留める
病院へ警察が突入してきたため、『ハイド&シーク』で姿を隠して病院を後にする
スマホには絵里から連絡があったが家に居るように言っておき、俺も1度自宅へ帰る
関西スクリームは完全に俺を敵に回した、葬式が終わりしだい潰す