NEMELESS
私は、二週間前まで、女子高生だった。
卒業式を終えて、次の肩書へと移っていく…
そんな中、私はまだ制服を脱げないでいる。
ある日、ある時のラブホテルにて、私は明後日の方向をボーっと見ていた。
体っていうものは、便利なもので…女子高生と言えば、男たちは喜んで、お金を出した。
いやな世界だ…
でも、仕方なかった。
お金は、どう頑張っても必要だし。
バイトだけでは、少なすぎる。
大学に行かずに、就職する手もあった。
でも、大学に行く道を選んだ。
間違えだったかもしれない。
なぜ私が体を売り始めたのか…
別に売らなくたって、バイトの掛け持ちや他の事でも、やって行けたはず。
なのにどうして、売り始めたのか…
「それは、父親がいないから」
正直わからない。
愛情が欲しかったのかもしれない。
自らの体を愛と仮定して、売りに出す。
自らの春を無駄にする代わりに、春を売るのだ。
男の人は、みんな優しくしてくれた。
ご飯をおごって手をつなぎ。
生活費をくれた。
この生活に、甘えながら。
大学生になった。
それでもまだ。
私は、制服を脱げずにいる。
縛られるのは、好きだ。
なぜか美学を感じる。
だから、手錠をかけたり、鎖で自分を縛る。
首を絞めるのも、いいかもしれない。
どうして、こうなったのだろうか?
「お前が!」
「やめて!」
「パパ」
何か理由があった気がする…でも忘れてしまった。
そんなある日、援助交際をしたある日。
私は、初めて首を絞められた。
体を縛られ、首を絞められ…苦しい中で発生する快楽と、鏡に映る美学が私の中で幸福感になっていく。
そんな日々が続いた。
そんなある日、事件が起こった。
地下歓楽街 銃乱射事件。
戦後最悪の事件と言われた、お台場テロ事件に次ぐ、事件であり。
同じ、組織が地下歓楽街で暴れまわったんだ。
そんななか、救世主が現れた。
新日本特殊部隊…SCS
しかし、私の恋人は あの場で射殺された。
どうやら、ギャングの一員だったらしい。
私は、とても嘆いた。
彼は、私の気持ちを誰よりも理解してくれた。
唯一の理解者を失った。
それから、私は愛に飢えていた。
その穴埋めで体をさらに汚していった。
そんなある日、いつものように首を絞められていたが…その人は、予想以上に長く、強く私の首を絞めた。
命の危険を感じた。
「君は、死にたいのかな?」
首を絞められている中、ベットの横でスーツ姿の男が背を向けて話しかける。
「首を絞められるのは、自殺願望があるからかな?」
私は、息を切らしながら
「死にたいから? それとも、死の美的魅力に取りつかれたからかな?」
男の首を絞めた。
抵抗し、顔や体を殴られながら、私は彼の息の根をそっと、緩やかに止めた。
その瞬間、美的な魅力と創造力で心を満たした。
拘束用の鎖を照明や窓枠につなぎ
彼の亡骸を固定する。
彼の体は、まるでバレエを踊るかのように、鎖で固定されている。
なんと美しいのだろうか?
お金や援助交際と言う、汚い泥沼から彼は、まるで美しい銅像の様に、輝いている。
私は、彼の様な人々を救わないとと思い始めた。
「NAMELESS」