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ザ・そこそこ優秀な賢者が竹取物語の世界に飛んでかぐや姫の心を入手しようとした話

作者: いわふね

これは数ある私の経験の中の一つ。精神操作耐性のあるローブの錬成素材『絶世の美女の心』を調達しに行った時の話である。。

精神操作系の魔法は実に厄介で、かかった後は気持ちが悪いし、私ほどの力を持っていると世間にとても迷惑がかかる。


しかも私は残念ながら耐性があまり無いようなので、あるとき耐性付きの装備を作ろうと思い至った。

以前攻略したダンジョンのボスがレシピを落としていたのだ。


ただし、素材が厄介で、『絶世の美女の心』が必要だと。


ほんと無理。


先日は歴史上そういわれている中国三国時代は貂蝉に会いに行ったのだが、

価値観の相違があり上手くいかなかった。。


私ほどの大賢者でも、思うようにいかない事はあるものなのだ。


しかし、この時私は妙案を思い付いた。物語の世界でいいじゃんと。

物語の中の絶世の美女ならきっと裏切られることはないじゃんと。


大賢者の中の大賢者である私だからこその、奇跡的な発想である。


私は異空間魔法も使用できるので、早速物語『竹取物語』の世界へと飛んだ。


ちょうどあの、5人の男の求婚をはぐらかしまくっているあたりの時間軸を狙って。


。。。ん?


おかしいな と私は感じた。どう見ても竹取物語の世界ではない、西洋風の屋敷である。


「わらわの世界に干渉するはどこの魔王であるか?」


声が聞こえたほうを見ると妙齢の女性が椅子に座ってこちらを見ている。


魔王とは失礼な。


私は別に世界に害を及ぼしたり、人々を傅かせたりして悦に至る気はないし、


世界に無をもたらさんとする気も毛頭ない。美女の心が欲しいだけなのである。


仕方がないので、訪問理由と、私が魔王出ない旨を女性に説明した。


すると、女性は顔を赤らめていう。


「確かにわらわは美しいが、この世界はわらわが作った畑であるのでお引き取り頂きたい。」


え?えー!?


よくよく話を聞くと、彼女こそが『かぐや姫』であり、自分でこの世界を構築して君臨しているようである。


色々な術式に使う素材を、創成した人間たちに採取させているとの事。


要するに同類であった。


そして、肝心のその。。容姿であるが、、これがなかなか難しい。


いや、いいと思うんだけど。なんというか、好みでなくて。。


この気持ちで彼女に心をもらい受けても到底錬成成功には達しないだろうし、


お仲間であれば自分の心のパターンをやすやすとは差し出さないだろう。


「お引き取り頂けるのであれば、特別に私の心を一部分けてやってもよいぞ?」


彼女は言う。


んー。。


でもなあ。これが実は精神操作の呪いつきだったら本末転倒だしなあ。


というか、まんざらでもない感じだなこの人。


そこはかとなく危機感を覚えた私は、部屋の中にあった素材(燕の子安貝 等々)を5つほどこっそり拝借しつつ、


自分の世界に戻ったのである。


いやー。まさか素材のために世界を作るなんて、ちょっと考えつかなかった。


まだまだ勉強がたりないなあと思った次第である。


というか、世の物語って基本この手合いなのかな。。?



本日はここまで。


持ち帰った5つのアイテムから絶対物理防御が付与されたアクセサリーができた。なんだか呪われてそうなので怖くて倉庫にしまったままである。

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