訪問者
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近い、近いんだよ、てっか距離感が、おかしいだろう
悩殺されそうな、いい匂いと玲奈の柔らかい感触に、耐えながら話に耳を傾けるのは、至難の技だ。
敢えて言おう、無理ゲーにちかい。
「ちょっと、玲奈」
なによ
書き直し中
ファンタジー・ザ・ワールドの世界が広がっていることを、再確認して閉めた。
(はぁ、怜奈には悪いがしばらく間、物置は封印だな)
それに、この木箱と服を片付けるのが優先すべきことだし。勿論、怜奈の持ち物だ。木箱には金貨が詰まっている。怜奈の生活費を金貨で賄おうかと考えたが、やめた。
それは向側での資金に使用する為、温存することにした。こっちらのお金が支えるとは、考えにくいしな。当面は俺の家で生活になる。狭い部屋が更に狭くなったな。
無造作に置かれた刀、ハンガーに引っ掛けることかできた服。
深いタメ息を吐くと同時に、ドタドタ、と二階に上がってくる足音がした。
「和樹。
てめぇ、抜け駆けしやがって」
(なんだ突然、なんの言いがかりだ)
扉を開けるやいなや、詰め寄る親友の岩田敏一。意味不明なことを叫んでいるので、取り敢えずいつもの様に接してみた。
「よ、イケメン」
「なにが、イケメンだ。
誤魔化すんじゃね」
(いやいや、本当のことだし。
それに、この慌てぶりはなんだ、さっぱり分からん)
双子の弟、岩田宏明が、それに続いて入ってきた。二人供、男から見ても羨ましいくらいの美形男子だ。
(お前ら少女漫画の主人公か!)
と、突っ込みを入れると決まって殴られるので、ここは敢えて黙ってみたが違う意味で叩かれた。
(俺が何をした!)
「いてぇな、なにするだよ」
「「下の彼女はなんだ!」」
(あ、怜奈のことか)
「なんだと言われても……」
二人に、これまでの経緯を説明した。
(まぁ、信じないはな)
こんな話を信じろって方が無理な話である。物置を開けて見せたが、敏一と宏明は普通に物が置いて在る部屋に見えるらしく。
ただ、救いだったのは怜奈の荷物が見えたてことだ。これがなかった事を考えると、ゾっとする。
説明の仕様がないからで。装備品と武器で納得した敏一と宏明は、他の人には何時会えるんだよと問い詰めてくる。
(ん~ なんとなく二人の狙いがわかった気がする)
「怜奈以外の異世界女子、狙いか?」
「「当たり前だ!」」
(ハモらんでもいいんじゃねえの)
「なぜぇに?。
そこまでして、異世界の女に拘るだよ」
「…… 可愛いし」
「そっちの方がロマンがあるだろ」
(なんのロマンだ)
敏一に続いて宏明が同意した。
(あはは…… 言ってろ!)
怜奈のように可愛いとは限らないんだよ、分かってんのかね、この二人は――怜奈に紹介しろと煩い、二人を連れて一階に降りてきたが。
(なんだよ、これは?)
一階はうちの両親が経営しているカフェだ。半二階にラウンジとウッドデッキがある、ちょっとオシャレなカフェ。ご近所でも名の知れた有名店、もなみ。
怜奈が、ご近所のおばさん達に囲まれている。
「ねぇ、式は決まってるの?」
「入籍はいつ頃?」
「馴れ初めは……」
(聞いてる内容がブッ飛び過ぎてて、突っ込む気にもならん)
あの怜奈さん、そんな愛想笑いをしていたら、おばちゃん達のいいネタにされるだけだよ。しかも、うちのウェイトレス姿だし。肩にスレスレの茶色い髪、指を広げて丼の器を持ったくらいの胸、括れを感じさせる腰、靱やかに延びた足。見惚れてしまう何度見てもいいもんはいいのだよ。
身長は俺の肩ぐらいだろうか。俺が百七十八センチだから百六十前後と、いったところか、ウェイトレス姿の怜奈に見惚れている場合じゃね。
(とっとと此処から逃げなくてわ!)
「あら、和樹君」
(げ、ヤバい)
すでに手遅れだった
「じゃ後でな、和樹」
「まて、お前ら、逃げんな。
大人しく此所に居ろ! じゃないと紹介の話はなしだぞ」
敏一と宏明が逃亡をはかろとしたが、逃がさんよ。
そりゃもうね、ご近所のおばさんは末恐ろしいのですよ。
そんなの決まってる噂はあっという間にご近所住に知れ渡るのが早い早い。
「あら、和樹君。
結婚が決まったんだって、おめでとう。
ところで、御相手はどんな子なのよ?」
具合に話が膨らんだ挙げ句に、おヒレはヒレが付く始末。
怜奈を放り投げて、二階に逃げた俺が悪いが。
何故、否定しないの!。
『あかんべー』くそ、やべなそれ。
なんだその可愛い、あかんべーは。
眼があった瞬間に、俺のハートにクリティカルヒットさせてんじゃねぇよ!。
可愛すぎるぞコンチクショウ。