表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
大好きな君へ  作者: ユウ
3/4

友達

第3話になります。


少しでも楽しめて頂けたなら嬉しく思います!!

「それで、何を忘れたの?」

下駄箱から靴を出しながら善くんに問いかける。

「俺が忘れ物をしたこと前提ですか!!」

なんだ、違うのか……

それじゃあ今度は何をやらかしたのだろう……

「なんか失礼なこと考えてない……?」

「まぁ、思い当たることが多すぎて……」

なぜ彼が生徒会役員なんて立場にいるのだろう……

「最近はまじめに生きてるっての!?」

ありえない……真面目に生きる善くんなんて俺の知っている彼ではない。

というか屋上に忍び込むとか何とか言ってなかったっけ?

半目になって、じっと善くんをにらんでみる。

ジト目ってこういう感じだろうか……

「そんな批難の目を向けるなよ~~。別に何もやらかしてないからさぁ~~」

どうやら俺の意図は伝わったようだ。

「じゃあ、なんで戻ってきたんだい?」

「なんつーかーーおまえを一人にすると危ない気がしまして……」

視線を逸らした善くんが、よくわからないことを言ってらっしゃる。

この後事故にあうぞーとか、悪いことが起こるぞーとか、そんな予言か何かだろうか……

なにを考えているのか、まったくわからん。

さっきより2割増しで暗い視線を彼に送ってみる。

つまりなにが言いたいのだろうか。

「そんな恐い顔すんなよ!! まぁ、紗枝に言われて戻ってきたんだけどな」

………

なんでここで紗枝ちゃんがでてくるんだろう。

それと、俺そんなに恐い顔はしてないと思うんだけれど……

「おまえ、やっぱり自覚なしかよ」

ええ、自覚なしです。

って、なんの話だろう……


「まぁ、とにかく今日は一緒に帰ろうぜ」

ケータイを見つめながら善くんが俺の背中を押して歩き出す。

「おされなくても歩くから!!」


それはそうと紗枝ちゃんはひとりで帰ったのだろうか……

外で待ってるのだと思ってたのだが。

「紗枝ちゃんはどうしたのかな?」

「ああ、先に帰ったよ」

なんで俺と善くんをふたりにしたんだろう。

「紗枝は友達と先に帰っちゃったみたいだし、こっちはこっちで仲良く帰りましょうか」

………

などと、気持ちの悪い証言をしております。

かと思えば、突然俺の正面に向き直って姿勢を正して、

「おまえはもう少し、周りに甘えてもいいんじゃないかな」

急にシリアスな空気をまとわれても……

ただ彼がこんな態度の時は、冗談なんかじゃなくて。

本当に必要だと思ったから言葉にしてくれているのだろう。

だから俺はこうも思うのだ。

言葉足らずで、善くんが何を言いたいのかわからない部分も多いけれど、

必要なことは、伝わっていると。


だから俺は、心の中でありがとうと呟く。

きっと彼も、感謝の言葉を求めているわけではないだろう。

さて、どんな風に恩返ししてやろう。

いや、まずはこの状況になった経緯と言うか、

ふたりにどう思われてるのか、そこを教えてもらいたいのだけれど……。

第三話、お読みいただきありがとうございます。

我がことながら一話ずつ話の進みが遅いような気がしますorz


今回は、友達っていいなというお話です。

雄二が善弘や紗枝、周りからどんな風に見えているのか、

それはおいおい描けたらいいなぁと思いながら……

あくまで、このお話は雄二の一人称なので、

雄二の視点で善弘の考えを予想していますが、

もしかしたら彼は全然違うことを考えているのかもしれません。

いやむしろ、ほとんど何も考えてないかもしれないです(笑)


雄二は基本的にひとりで強がってしまうタイプです。

寂しくても、そう言えずにみんなを送り出してしまうヤツなんです……きっと。

だから善弘も紗枝も気になってしまうのでしょう。


それでは、次回またお会いしましょう。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ