いざ開催大学園祭!!
寝る前に、水分補給は忘れずに。
‥‥‥怠ると、この時期からそろそろうっかりこむら返りになりますからね。
SIDEリュー
『これより~~~~~』
『初の試みの~~~~~』
『4つの学園合同の~~~~~』
『大!学!園!祭!を~~~~~~』
『『『『ここにおいて、開催を宣言いたしまぁぁぁぁぁす!!』
なんとなく、それぞれの学園で何かしらの鬱憤が貯まっていたから晴らすかのように、大声を出して開催を宣言する‥‥‥『ロイヤルード学園』、『フラッター学園』、『ゼウストリア学園』、『夢追い人育成学園』のそれぞれの学園長たち。
その開催の宣言と共に、大学園祭の会場となったシュタイ平原全体に、参加する者たちの歓声が響きわたったのであった。
この大学園祭、開催期間は3日間とされており、宿泊施設などもきちんと既に建設されていて、現地での泊まり込みが可能なのである。
ちなみに、それぞれの学園の生徒の事情や位などを考慮されているので、誰も文句が出ない仕上げになっているそうだ。
「‥‥‥学園長、何とか学園祭の開催前に完治してよかったな」
【執念と根性、そしてこの学園祭で絶対にストレスを発散させたい意志で治ったそうですからね】
開催前に、夢追い人育成学園の学園長は入院していたのだが、其の前日に何とか退院をしたらしく、開催を宣言する場では一番はじけていた。
「しかし、他の学園長も相当はじけちゃっていましたわね」
『各学園とも、今年に入って問題が多かったそうで、そのうっぷん晴らしのためにはじけざるを得なかったのでしょウ。大人もたまには羽目を外して遊び惚けたいのかもしれませン』
ワゼのその分析に、皆は納得する。
この学園祭は各学園のそれぞれのクラスが出店し、互いに交流して深めていくのが表の目的。
で、その裏の目的としては、ここ最近各学園で不祥事というか、問題ごとが相次いだために、そのうっぷん晴らしと暗い雰囲気をぶっとばすためにというのがあるそうだ。
ちなみに、リューたちのクラスは輪投げの模擬店を出しているのだが…‥‥
「おーい!!12番と34番の籠の輪投げ用の輪っかが足りないぞ!!」
「景品で追加を急いで!!他の模擬店と提携した半額券なども追加しないと!!」
「おいおいおいおい!!魔法使用は禁止だぞ!1」
「‥‥‥思った以上に大変なことになっているんだけど!?」
まさかの大盛況である。
開催と同時に各模擬店へ、先に遊べる人たちが集まっているのだが、その大半がどうもこの店に集まっているようなのだ。
その原因は明らかであったが。
「おい見ろよ・・・・・あそこに美女すげえ!!」
「ああもう、夢追い人育成学園に入ればよかったかな!!校内なら見ることが合法的に多く出来たのに!!」
「あの跳ねて一生懸命客寄せしている妖精のようなサイズの女の子が可愛い~!!」
「なんかすげぇ艶めかしい美女から、清楚な美女までなんでいるんだぁぁぁ!!」
「あのメイド、ゴーレムらしいけど…‥‥客への対応がすごい早いな。有能過ぎるだろ」
・・・・・・わかってはいたよ?
ハクロたちって見た目を見れば、確かに美人でもあるし、そりゃ物珍しさもあっただろう。
だがしかし、ここまで人が引き寄せられてくるのは予想外であった。
「これって休憩時間になっても休憩できるのかな?」
「何とか、頑張りましょうリュー様!!」
モンスター語から人の言葉に切り替え、そう話すハクロ。
各自割り当てられた接客対応をこなしていき、不審者やあからさまな迷惑な客はつまみ出し、何とか客をリューたちはさばいていく。
『当店では、過度な接客はNGとされておりマス』
「ええ~いいじゃん、いいじゃんメイドさ~ん」
「こういうのは客である俺たちが偉いんだよ~ん」
『そうですカ』
ブスリ ドシュッツ
『‥‥‥さてと、お引き取りを願えますでしょうか?』
「ハイ、大変失礼シマシタ」
「俺達、間違ッテマシタ。コレカラ、散ラカルデアロウゴミ拾イへ、向カイマス」
‥‥‥ワゼが迷惑客に対して、何か指から素早く出した針を客の首筋へ刺して改心させていたが、皆は見なかったことにした。
迷惑なのは目に見えて明らかであったし、改心して良いことをしてくれるのは悪い事ではない。
ワゼいわく、大体12時間ほどで効果が切れるとか言っていたが‥‥‥効果って、何か薬でも注入しているの?
『ご主人様はその事を考えなくてもいいのデス。仕えるべき相手に害を及ば差ぬように、きちんと私たちが処置いたしますからネ』
「あ~うん、わかった」
詳しく聞かないほうが良さそうである。笑顔で言っていたけど、ちょっと怖い。
とにもかくにも、大繁盛したせいであっという間に景品が無くなってしまい、輪投げ屋の模擬店は今日は閉店となった。
「‥‥‥思った以上に早く閉店となったし、この際自由時間として各店を回ろうか!」
リューはそう提案し、皆はその案に賛成した。
初日からこの調子では、先が大変そうである‥‥‥‥
そう言えば、3日目にアレン国王が訪問しに来るそうだが、その時にあの国王がここへ来たら‥‥‥うん、物凄い面倒なことになる可能性もあるだろう。
とりあえず、その可能性を考えるのをやめて、今はこの祭りを楽しむのであった‥‥‥
――――――
SIDE???
「なぁ、このタイミングで魔封印石を起動させてはいけないのか?」
「やめておけ。この場で混乱を引き起こそうにも、まだ効果は薄いだろう」
「やるのであれば、この国の国王が3日目に来ると言う話だし、その時にでも実行すれば混乱が格段にひどくなるだろうな」
「‥‥‥しかし輪投げの景品で、まさかお好み焼き1年分を手に入れやがって…‥‥こういう時に我々の力を使ってどうする!!」
「敵情視察をしていただけなんだが、やって見たくなってな‥‥‥すまん」
「というか、他にも各店半額券、無料券、特別サービス券など、この祭りを楽しむための景品をことごとく狙いすましたようにやるってお前は馬鹿なの?阿保なの?」
‥‥‥本来であれば、ただ単に様子を見に来ただけの、とある者たち。
だがしかし、精神的な誘導とでもいうべきか、ついつい店を楽しみたくなって彼らが気が付いたときには、その手には大量の食べ物などを持っていたのであった。
何だろう、この緊張感のなさは。
そろそろちょっとシリアスを入れたいのに、なぜコメディ風味になったのだろうか。
敵も味方も関係なく、この場は皆が楽しめるとでも言うのだろうか大学園祭よ。
次回に続く!!
‥‥‥ハクロたちって、普段見慣れている人たちはもう当たり前のように思うかもしれないけど、それ以外の人達から見ても相当な美貌の持ち主です。
テンプレも出したいけど、この場だと出しにくいなぁ。