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手ごたえ‥‥‥微妙

そろそろ主人公周辺に変化を出していきたいところである

SIDEリュー


‥‥‥決闘開始からそれほど時間もかからず、全ての試合が終了した。



「えっと、これで75人目が撃沈かな」


 75人目まで来たが、どうやら相手は代理人を出さずに、まともに自分から出てきたようである。


 単に金で連れてこれなかったのか、それともこういうことは自力でやりたかったのか‥‥‥とにもかくにも、ハクロが糸で素早く簀巻きにして無力化したのであった。



 思った以上にスムーズかつ迅速に終わった決闘試合。


 75戦連続とはいえ、一人当たりにかける時間もそんなにかかっておらず、この人数でこれだけの時間は最速記録ではなかろうか?


『あ、機械魔王様の時代には100人抜きを1人で1分とかあったそうですよ』


‥‥‥残念。記録塗り替えならず。



 

 ワゼの言葉を聞きつつ、観客席の方に体を向けると、決闘を挑んできていた貴族たちはもはや青さを通り越して燃え尽きた灰のような白さになっており、ヴィクトリアはくすくすと笑っていたし、アレン国王に至ってはこの結果が分かっていたのか物凄い腹黒い笑みを浮かべていた。



「くっくっくっく・・・・がーはっはっはっはっは!!見事だったぞリュー・フォン・オーラ及びその従魔たちよ!!ここに国王の名において決闘はリュー殿の完全勝利と認めよう!!」


 席から立ち上がり、見ていた貴族達に聞こえるように大きな声で宣言するアレン国王。



 真っ白な灰となっていた者たちが反論したそうな、文句が滅茶苦茶あるような顔をしたが、もはや終わったことである。


 ついでに言うなれば、この決闘試合に工作しようと考えていた者たちは、自身が差し向けた間者たちと連絡が取れないだろうし、その効果が見えないことから、物凄い不安感に襲われているだろう。



 多分、夜逃げしようと考えるような人もいるだろうけど‥‥‥多分無理だな。


 がっつり、試合中に何かしようとしていた貴族たちの手の者は全てミニワゼたちが捕縛し、国王が信頼のおけるとあるところに引き渡され拷問もとい尋問されて全て吐かされていることであろう。



 決闘を邪魔するような、貴族の矜持に反することをしたとして、その家は潰される可能性もあるわけだし…‥‥馬鹿がやらかそうとするならば、明日の朝までの時間であろう。


 警戒を怠ることなく、リューたちは決闘場を後にしたのであった。











 そして夕暮、リューたちは王城の謁見室に訪れていた。


「このたびは、見事に決闘乗り越えたことをほめておこう」

「はっ」


 謁見室内は、リューたちとアレン国王、その横にヴィクトリアだけである。


「これで、ヴィクトリアと貴殿との婚約は確実だが…‥‥わかっているな?」

「はい、念のために警戒をいつも以上に高めているので大丈夫です」



 アレン国王の問いかけに、リューは返答した。


 こういう決闘の後に、馬鹿は馬鹿をやらかすものだ。


 テンプレ的なものを考えるのであれば、暗殺者を仕向けてくるとか、反乱・謀反辺りだろうか。




 その事をアレン国王も分かっているらしく、警戒しているのはよくわかった。



「念のために、今夜一晩城の客室にて止まらせていただきたいのですが、よろしいでしょうか」


 宿屋に泊まってという事も考えられるのだが、大事があった時に動きやすいのは城の方である。


 城に侵入して事を起こそうものなら思いっきり敵意アリという事で、容赦なく潰せるからね。



「うむ‥‥‥そうだ、ならばあの部屋に泊まるか?」

「‥‥‥ん?」


 だが、アレン国王のニヤリとしたその笑みに、嫌な予感をリューは感じ取った。










「って、どうしてわたくしの部屋ですの!!」

「文句を言うならあの国王に言ってくれ!!」


 ‥‥‥予感的中。


 婚約していることになったのだが、せっかくなのでヴィクトリアの部屋に泊まれとアレン国王にリューは言われたのであった。


 そこ以外は宿泊禁止で、王命のような物をくらったし‥‥‥いかん、腹黒さだとどうしてもあのアレン国王に勝てる気がしない。


【まぁまぁリュー様。ヴィクトリアさんの部屋なら安全性が格段に高いですよ‥‥‥ちょっと嫌ですけど】

「モンスター語の状態で何を言っているのかわかりませんでしたけどハクロ、今絶対にわたくしの部屋について文句を言いませんでした?」


【仲悪いねー、あの二人ピキッツ】

【仲がいいからこそ、喧嘩もしやすいのではないだろうカナ?】

『ま、確かにこの部屋は他の王城内の部屋に比べて防犯能力が高いみたいですけどネ。あのアレン国王がいかに己の子供たちをどれだけ大事なのかはよくわかりマス。‥‥‥王子たちの部屋は普通でしたガ』


 ワゼがいつの間にか室内の解析をしていたようだけど‥‥‥この国の次期国王になるかもしれない王子たちの部屋が普通ってどういうことだ?


 ああ、王たるものは自分の身は自分で守ってもらう方針なのかな‥‥‥って、そう言えば。


「ふと気が付いたけどヴィクトリア、王子様とかは見かけないような気がしたんだが…‥」


 一応、あのアレン国王には別の国に継いだ第1王女や、今目の前にいる第2王女であるヴィクトリア以外にも3人の王子がいるという話は聞いたことがあった。


 だがしかし、ここに来てからずっとその王子たちをリューたちは見たことが無いのだ。


「ああ、お兄様方々ですか?夏の補習授業のために戻って来れていないそうです」



 聞くところによると、どうやらその3人の王子たちはその補習を受けている最中で、後10日ほどは帰ってこれないらしい。


「別にお兄様たちの頭が悪いわけでも…‥いや、あの兄だけ例外として、他2人は成績はトップなのですわ」


 いまさりげなく、一名が問題児と言いたげそうな顔をしていたが‥‥‥



 この国なる3種の教育機関のうち、王族や高位の貴族だけが通う『ロイヤルード学園』に王子2名、貴族や平民が混同しつつ平等に学べる『フラッター学園』にその問題児王子1名がいるらしい。



「ならなんで補習を受けているんだ?」

「お兄様たちは容姿は良いんですけど、そのせいで女性関係に問題があるようでして‥‥」


 フラッター学園にいる方は色々とダメな奴らしいが、ロイヤルード学園にいる王子2名の方は別にダメな人ではないらしい。


 人徳もあるし、運動成績もよく、天は二物を与えずを覆すような人たちだとか。その問題児の異名を覗いてだが。



 ただ、どうやら人気があり過ぎて…‥


「女性生徒のファンクラブ同士の対立が激しくなり、抗争に発展しかけたそうで、何とか収めたそうですが責任感を感じて、兄二人は補習を学園への償い代わりに受けることにしたそうです。まぁ、どうやら逆に教師の中に混じって教鞭をとったりもしているそうですが‥‥‥」


 ちなみに、その問題時のフラッター学園にいる王子の方は、単純に成績不良が原因だとか。


 リューの兄二人も確かその学園に通っているはずであり、時折手紙で問題児が居たりすると言う話が出ていたが…‥まさかその王子ではなかろうか。


 アレン国王もどうやら悩んでいるようで、このまま改善されなければその問題児王子は卒業と同時に適当な準男爵とかの位にして王籍を剥奪してしまうらしい。


 自己管理がきちんとできないようなものであるならば、いくら血の通った息子言えども切り離せるように覚悟もしているようだ。




 あの腹黒国王にも、悩みがあったのかと思いがけない話を聞いたリューたちであった。



【あ、リュー様。早速馬鹿2名がトラップにかかったようです】

 

‥‥‥早くも、念のために仕掛けておいたハクロお手製のトラップに何かかかったようである。


 あまりの早さに驚きつつも、とりあえずはせっかくなので一晩中リューたちは語り明かしてみることにしたのであった。

鋼のメンタル持ちのアレン国王でも、己の子供たちに関してまでは完璧にできない。

果たして、リューたちが王子たちに出会う事はあるのだろうか…‥

次回に続く!!


・・・・・というか、その件の馬鹿王子ならそろそろ出す予定だったりする。名前がねぇ、結構迷っているんですよ。

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