決闘中だけど、こんなんだっけ?
思わずそう言いたくなるほど…‥‥
SIDEリュー
【ピキッーーーーーーッツ!!】
ピポが雄たけびを上げ、すばやい動きで…‥
ドゴゥッツ!!
「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!?」
突撃してきた13人目の代理人の急所に、リューの魔法で質量を増やした状態に加えて、燃えた状態で蹴りを叩き込みました。
うん、見ていると同性として物凄い同情するわ、この攻撃。潰れてはいないだろうけど、トラウマにはなるかな。
ふと観客席の方を見てみれば、余りの痛そうな感じに無意識からか抑えてガードしている人がやや見えるだろう。
「くそう!!急所攻撃は反則のようなものなのに!!」
「いや、それを言われてもなぁ…‥別にこの決闘のルールとしては負けを認めるとかじゃ無ければ、基本的にほぼ何でもありみたいなことになっているだろう?」
急所攻撃を恐れてか、先ほど撃沈した代理人の次に出てきた14人目の代理人がへっぴり腰になりながら部隊に出てきてそう叫んできたが、そもそもこの決闘、細かいルールがほとんどない。
現在、リューたちは婚約発表の会場で受けた決闘の最中なのだが、ここまで連戦連勝中。
決闘のルールとしては、次から次へと決闘を挑む者たちが順番に出てくる勝ち抜き戦だが、流れ作業のごとくスムーズに進んでいた。
従魔としてハクロたちも一緒に舞台に出たときには、観客席の方から野次があったが…‥‥
「彼は魔物使いだ!!従魔を使用するのに問題はないだろうし、そもそもお前たちから彼に決闘を挑んでいるだろう?ほぼメリットがない彼にこの程度の許容がないほど、お前たちの器は小さいのだろうか?」
と、アレン国王陛下が大声で言って、黙らせました。
基本的に従魔を従わせて戦闘するのが魔物使いであり、使用しないルールは特にない。
そもそも一対一の決闘というわけでもなく、ほぼ75戦続けての決闘となるので、こちらの方に何の利益もない状態であれば、無茶苦茶な決闘を押しつけてきたとして相手側の方が抱かれる感情が不利になってい舞うだろう。
そんなわけで、ただ今従魔たちを従えて、代理人やらをドッカンバッコン盛大にリューたちは叩きのめしているのであった。大勢でかかってくれれば無双しているような感じになってちょっと気持ちよかったかもしれないが…‥一応、順番ごとにやってもらっているのでできないのが残念である。
‥‥‥まぁ、そもそも戦力差で見れば明らかにリューたちの方が強い。
ハクロはホーリアラクネで、基本的に回復要員として見られるのだが、怪力もあるし糸で相手を拘束して動けなくした利、投げ飛ばしたりもできる。
ピポは先ほどの蹴りのように、小さな体を活かして攻撃が当たりにくくして動き回り、時折リューの魔法で威力を増した一撃を叩き込めるようにしているのだ。急所攻撃は…‥まぁ、悲惨だとは思うけど決闘の代理人として出た者や、挑んできた者たちの自業自得としたい。
ファイは水魔法や風魔法が使えるので、吹き飛ばしたり、そのタコ足を活かして殴ったりなど、案外近接戦もいけていた。
ワゼの場合は‥‥‥
『「ナイフマシンガン」』
ズドドドドドドドドドドドドドドドドド!!
「ぎゃぁぁぁぁっつ!?降参!!降参するってばぁぁぁ!!」
いつの間にか叩きのめしていた14人目の後に、すぐさま出てきた15人目の代理人を、腕がパかッと開いて出てきた、銃弾ではなくナイフという不思議な機関銃でせん滅したり(銃というべきなのだろうか?)、武器無しで直接体術で抑え込んだりしていた。
確か5人目あたりで、某ピンクの悪魔も使う「いづな落とし」とか、箒でたたいたかと思いきや、その箒が変形してレールガンになって攻撃するなど、無茶苦茶やっていたしね。
あの変形ギミックばかりは、ワゼの製作者にナイスと言いたい。ある意味ロマンだし、そこだけは話が合いそうなものなのだが‥‥‥。
そして俺はというと…‥
「うぉぉぉぉぉ!!魔物使いのお前さえやってしまえば・・・・!!」
「残念。『重量弾』!」
ズゥン!!
「ぐべっつ!?か、身体が‥‥‥」
久しぶりというか、重力を増す魔法をぶつけて新たに来ていた16人目にぶつけて、重くして舞台に沈めた。黒髪黒目故に、異質な属性の魔法…‥力に関する魔法を扱えるので、ぶっちゃけ隙さえあればそこを徹底的に叩きのめせるので弱くはない。
まぁ、重さで少々肋骨が逝くかもしれないが‥‥‥後は適切な医療機関にでも行けばいいだろうな。
降参の声は聞こえないが、ほぼ戦闘不能であろう。
そんなわけで、リューたちは全く劣勢ではなく、超好調な快進撃を見せつけていたのであった。
『ン・・・・あ、ご主人様。不審人物をミニワゼ3&4号機が捕縛したようデス』
「そうか、じゃあそっちで処分を頼む」
『了解』
なお、こういう決闘の場合、遠距離から攻撃するように間者と言った類の人を差し向けてくるような輩もいるため、今のワゼとのやり取りで合ったように、念のためにミニワゼたちに周囲の警戒をしてもらっている。
案外、人数が多いので放った家が判明すれば、決闘を穢した輩としてダメージを当たえられるだろう。最悪、家がつぶれるかもね。
この可能性もあったので、アレン国王にあらかじめ話していたのだが…‥‥そちらでも、念のための身辺警護としてつけてもらったミニワゼ9号機から報告を受けたようで、にまりと笑みを浮かべていた。
アレン国王、あなた今一番悪役っぽい顔をしていますよ。
よくよく考えてみれば、この決闘自体はリューが勝つに近いし、負けた家はそれなりのペナルティをくらうし、ついでに今のような間者などでさらに打撃を与えて、将来的に害になりそうな相手を国王は排除できるから‥‥‥。
そこでリューは気が付いた。
この決闘、一番得するのは紛れもなくアレン国王であると。
決闘にかこつけて、将来的に害になりそうな家を弱らせたり潰せたり出来そうだし、なおかつ自身は決闘場を用意するだけでいいし、決闘後は闘技場として何らかの使用もできる様なので…‥損がない。
決闘をするようにと言った、あの会場でのアレン国王の言葉。
その時から、どうやらはめられていたに近しかったようであった‥‥‥恐るべし、アレン国王。
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SIDEアレン国王
「ふぎゃぁぁぁぁぁっつ!!」
「‥‥‥ふむ、これで40人目達成か」
決闘場で、観客席にまで響いてくる叫び声を聞きながら、アレン国王は内心笑いが止まらなかった。
リューに決闘を挑んだ貴族たちがいくら金を積もうとも、リューの戦力を考えるとそれこそとんでもない大物でなければ勝つのが難しいであろうと思っていたからである。
冷静に調べ、よく考えてみればかなりの戦力なのに…‥‥金で来てもらった者たちだけで勝てるだろうか?いや、無理だろう。
そもそも、決闘で代理人を出すのは通常怪我をしてしまったなど、何らかの事情でであっれなくなった人が行うようなものだ。
だがしかし、2名ほどは自力で挑むそうだが、代理人たちを頼んだ者たちの理由とすれば…‥それだけ腕に自身もないか、もしくはそれだけで強者が来るだろうと考えた者であろう。
己を鍛えずに、肥え太るような様ではそもそも信用ができないだろうし、金で人を釣ろうにも釣れない人もいるだろう。
あのリューの場合、魔物使いという立場故に従魔に頼っていそうだが、完全に甘えているわけではない。
従魔はあくまで主を守る立場であり、主自身が戦わなければいけない時もあるのだ。
その為、そこそこ鍛えるようなこともしているようだし、なおかつリューの場合は異質な魔法も扱える。
アレン国王はそう思いながらリューの魔法を見ると、その異質さに内心驚く。
炎や水といった物を放出するのではなく、相手の重さを変化させたり、勢いなどに干渉する力の魔法‥‥‥使いようによっては、その魔法を扱う本人も強化できるであろう。
そう観察しているうちに、いつの間にか50人目が、今度は美しいアラクネの手によって網にとらわれぶん回されて気絶した。
‥‥‥頼もしいような者たちではあるが、敵に回せばそれだけ危険性が高い者たちでもある。
改めてアレン国王は認識し、出来るだけ友好関係を築けるようにして行こうと心に思ったのであった。
「ぴぎゃぁぁぁっつ!!」
「あ、51人目があのフェアリースライムの餌食となったあぁ…‥」
流石に、あの急所攻撃の容赦なさには、男であるアレン国王も思わず抑えたくなった。
こんどから、決闘であの攻撃は使用しないようにと言おうとも誓ったのであった…‥‥見ている方が怖いし。
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SIDE決闘を挑んでいた貴族達
「ぎぇぇ!!?これで53人目がダウンしたぞ!?」
「か、金に任せた代理人が全くの役立たずとは‥‥‥」
「くそう、なんてやつらだ!!」
「恐るべし、リュー・フォン・オーラ‥‥‥ただの小僧と思っていたのがあだとなったか!!」
観客席の方で、決闘を見ていた貴族たちは顔を青ざめさせていた。
この決闘で、己が用意した代理人が敗北すれば、ペナルティが発生する。
財産を抜かれたり、領地視察に来る監察官周期が短縮され、よりごまかされにくくなったりと大変なのである。
「しかも、邪魔しようとしていた間者どももなぜか行動できておらぬし‥‥‥このままでは全滅だ!!」
絶望に染まる決闘を挑んでいた貴族達。
その様子を見て、決闘を挑んでいなかったほかの貴族たちじは、自分達には被害がないとはいえ、同情の目線を向けるのであった‥‥‥‥
「一応、まともに考えればあの国王陛下がろくでもない相手に娘を渡すわけもなかろうに・・・・」
「そもそも、あの会場にあの従魔たちがいたよな?美しい容姿は確かに目を奪われたが、その種族等を考えればとんでもない者たちであるのは丸わかりであろうに」
「調べもせず、全く苦労をしておらぬ者たちが陥る愚者の選択だろうよ」
‥‥‥中には、普段見る目もないような奴らに対してこれ幸いとばかりに、心をガリガリとえぐっていくような言葉をかけて、ニヤニヤ笑うような者たちもいたのであった。
フルボッコとはこういうことを言うのだろうか?
それとも蹂躙という方があっているのだろうか?
何にせよ、戦力差を見抜けなかった者たちの敗北である。
次回に続く!!
‥‥‥ついでに、代理人たちの相手は皆で適当にしています。一応、75÷5=15という計算で、一人当たり15人は撃破するようにしていたりする。
「いっそのこと、まとめて来てくれた方が楽かもなぁ‥‥魔法で重くした手刀でドーン」
「ぎやぁぁぁぁっつ!?」by56人目
【まぁ、さばききれなくなると流石にまずいですし、これで良いんじゃないですかね?あ、貴方の手首ですが動いたらポロリしますよ?命を奪うのはだめですけど、ギリギリなら…‥】
「ひぃぃぃぃっ!?」by57人目
【蹴ってー♪殴ってー♪燃やして―♪】
「可愛いけどやることえっぐほぉあちゃぁ!?」by58人目
【これこれピポよ、やるなら丁寧に相手の心を折ったほうが良いカナ。あ、うっかり吸盤で全部抜けたカナ】
「毛根がぁぁぁぁ!!」by59人目
『いっその事、マイクロ波人体破裂砲とか言うので体の一部をふっ飛ばしたほうが良いでしょうカネ?』
「【【【R15かグロ指定になるからやめて!!】】】」
「あ、おいらもしかして全身骨折だけで命助かったのか‥‥‥?」by60人目