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結論として

SIDEリュー


‥‥‥翌日の昼、リューたちは再び王城へ向かい、謁見室にてアレン国王と、よく見ればクマができているヴィクトリアに対峙した。


「‥‥‥では、結論が出たのだろうか?」

「はい、悩みに悩み、一晩をかけて結論を出しました」


 アレン国王の問いかけに、一夜を眠れなかったせいで眠気があるリューだったがそれでも真剣に返答を出した。



「このたびの国王陛下の娘である、第2王女のヴィクトリア様との婚約話ですが‥‥‥」



 リューの言葉に、その場の皆がごくりと唾をのんだ。



「‥‥‥ありがたく、受けさせていただこうと思います」


 その言葉に、驚いたのか目を見開くヴィクトリアに、リューの結論に対して思うところはあれども黙るハクロたちに、そしてこの話を持ち掛けてその結論が出るのが分かっていたかのような表情をするアレン国王。


「ふむ、はっきりと結論を出せたようだな」

「はい」



 満足げに言うアレン国王に、リューははっきりとそう答えた。





 悩みに悩んだのだが、今回の婚約話は別に悪いものではない。


 権力に興味は特に持っていないのだが、今の従魔たちの構成を考えるのであれば、王家の協力を得られそうな状態にしたほうが、余計な干渉を防げそうなのだ。



「ただ、一つ確認したいのですが…‥‥ヴィクトリアはそれでいいのか?」


 この婚約話はアレン国王が持ち掛けたもの。


 その相手にされたヴィクトリア自身の本音をリューは聞きたいのである。





 リューの質問に対して、ヴィクトリアはしばし考えるように目を閉じ‥‥‥そして、目を開けて返答した。


「ええ、それでいいですわ。このたびのお父様の提案した婚約話を、わたくしは文句もなくうけまちょう」



‥‥‥かんだ。


 思いっきりかんだ、とその場にいた全員が心の中でそう一致して、ヴィクトリアはその事に気が付いたのか速攻で物凄く赤くなったのであった。










 ヴィクトリアが羞恥で退出した後、改めて真面目な話にアレン国王は移した。



「さてと、これで婚約が決定したのは良いとしてだ‥‥‥この婚約の決定を、はやくも2日後に王城の大広間で主催する夏のパーティにて発表する予定なのだが、当然その場で発表をするさいに、何が起きるかわかるな?」

「予想ですと‥‥‥やっぱり文句を言う方々が出ますかね」


 王族とのつながりを狙う輩にとっては、ヴィクトリアとの婚約をするリューは邪魔であろう。


 ありとあらゆる手段で、何かしらの対抗策をとっておかないと、罠にはめられるような気がするのだ。



『ご主人様に敵対するであろう貴族家の方々を、リストアップしておきましたがやはりなかなか面倒なところが多そうデス』

「多いって‥‥ん?あれ、ワゼいつの間にそんなことをしていたんだ?」



 婚約話が出て、まだ一晩しか経っていないのだが…‥‥


『私の根本は、仕えるべき主を全力で守る事。そのために、せっかくこの国の主都、つまり一番情報が飛び交う場所でもあるので、情報収集をしていたのデス』


 しかも、たった一晩のうちにある程度の厄介者達をあぶりだしたそうだ。



「‥‥‥リューよ、そのメイドゴーレム本当に規格外レベルの性能だな」


 流石のアレン国王も、ワゼの能力に苦笑いを浮かべるのであった。



 とにもかくにも、厄介そうな者たちは全てリストアップしており、2日後のパーティでの対応策も練れそうである。



‥‥‥ついでに、ワゼが偶々見つけまくった他の貴族たちの隠れた不正の数々を、証拠を添えてアレン国王にリューたちは提出したのであった。


 にこやかな顔で、事が済み次第しょっ引きまくるぞとうれしそうな顔をアレン国王がしていたその頃、休暇中の宰相カクスケが急な吐血をしたのはまた別のお話。


勘というか、悪寒の代わりに吐血する宰相の胃がやばそう。

さてさて、どう出るのやら‥‥‥

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