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王城到着

活動報告していたACアダプタでの問題解決のめどが立ちました。

アドバイスをくれた方々に感謝いたします。

そして、ご迷惑をかけたことにお詫びも申し上げます。

SIDEリュー


‥‥‥襲撃回数3~4回。

 

「ここまでの道中に良くここまで襲撃してきたなぁ」

「全部ぼっこぼこにされてますけどね」



 リューたちはようやくこの国の首都にたどり着いたのだが、ここまでの道中に数回の襲撃を受けていた。


 目的は王族を狙う事なのだろうが‥‥‥そもそも護衛とかがいるし、リューたちもいるので全員捕縛し、しかるべきところへ連行した者もいれば、その場に少々お見せできない状態で、引き取りに来るように連絡するために置いてけぼりにもしたのである。








 そんなことがありつつも、リューたちは王城にたどり着き、国王からの手紙などを見せて中に入る手続きをして、謁見室へと向かった。



 ヴィクトリアは一旦分かれて、どうやら着替えて国王の横に立つそうだが、彼女いわくこういう時はドレスを着せられるそうなのだが、ひらひらしていて邪魔なのだとか。



 ついでに国王の前に行くので、リューたちは正装に着替える。


 デザイン・作成がハクロの、お手製の正装である。






 謁見室へ向かうと、部屋の扉前の護衛の騎士らしい人たちが確認してきて、中に入る許可を得た。





 中に入ると、アレン国王が玉座の方に座っており、その横にはすでにドレス姿に着替えていたヴィクトリアがいた。


‥‥‥正直言って、ドレス姿な彼女を見て、そう言えば王女だったと改めて認識させられた、




「さてと、本日よく来てくれたなリュー・フォン・オーラよ」


 前の方に進み、頭を下げ、膝を付けて礼をしたところでアレン国王が玉座に座りながらそう言った。



 以前、オーラ家の領内で出会ったこともあるのだが、その時のふざけた雰囲気はなく、きちんと真面目な雰囲気をリューは感じた。


 その横では、同じように頭を深く下げているハクロたちもその雰囲気を感じ取っているようである。


 まぁ、ピポとワゼ以外は膝部分がどこなのか怪しいので、ハクロは頭を下げた状態、ファイは全てのタコ足の中間部分を曲げた状態にしているけどね。



「はっ‥‥‥して国王陛下、手紙の通りに私は今日この場に謁見しにやってきましたが、なぜ我々を呼びつけてきたのでしょうか」


 丁寧に、王族相手なので自身を低くして国王にリューは尋ねた。


 

 手紙内容は今日、この日に謁見しに来てほしいという内容だったのだが、その詳細まではここに来るまで知らされていないのである。


 思いつく内容としては、ホーリアラクネのハクロのことか、条件さえ整えば災害危険指定種とも対等に立ち向かえるファイのことか、機械魔王の遺産であるワゼの事か‥‥‥ピポもフェアリースライムなので微妙だが可能性がある。


 もしくは、皆まとめての事の可能性があり、その場が緊張に包まれ、皆ごくりと唾を飲み込んだ。


「ああ、そなたたちを呼びつけた理由だが‥‥‥」



 国王がその理由を言おうと口を開く。


「リュー・フォン・オーラよ、お前さえよければ、我が娘であるこのヴィクトリア・フォン・ザウターと婚約してくれぬか?」

「「「「「は‥‥‥?」」」」」


 その国王の言葉に、リューたちと国王の横にいたヴィクトリアが驚きの顔をしてマヌケな言葉が出た。


‥‥‥今なんといったこの国王?




「えっと、聞き間違いでなければ、私めと国王陛下の娘で第2王女様と婚約をしてほしいという言葉だったようですが‥‥‥」

「聞き間違いではなく、まさにその通りだ」


「「「「「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!?」」」」」



 一国の王の娘との婚約話をされて、リューたちとヴィクトリアは共に驚愕の声を上げるのであった‥‥‥



―――――――――――――――――――

SIDEヴィクトリア


「「「「「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!?」」」」」


 え、ちょっつ、お父様!?




 そのアレン国王の言葉に、ヴィクトリアは現時点での人生最大のパニックを起こした。


 リューを謁見させたいという手紙から、ヴィクトリアが一緒に来るようにと言う内容で手紙があり、それに従ってついでに夏休みの帰省も兼ねての事だったのだが…‥‥その内容が、今回の婚約願いである。


 一瞬でヴィクトリアの顔は赤くなり、湯気が出るのではないかと言うほどであり、そしてこの謁見室は国王があらかじめそう手配していたのか、アレン国王、ヴィクトリア、リューたちしかおらず、扉の外に精々護衛としての騎士が並んでいるだけである。


 この場にほかの貴族や、現在有給休暇でどこかに行っている(逝っている)宰相のカクスケがいれば何かしらの反応を示し、そちらに気を背けることもできたはずが、逃げようのないパニックとなったのだ。




「そのののの、お父様!?今聞き間違いでなければ、わたくしとリューとの婚約話を持ち掛けていたようですが!?」

「ああ、その通りだ娘よ。別に悪い話ではなかろう?いろいろとメリットもあるわけだしな」


‥‥‥メリット?



 その国王の言葉に、少しだけ冷静さを取り戻したヴィクトリアは、落ち着いてその話を聞くことにした。


 ふと見てみれば、同じように驚愕していたであろうリューたちも、その国王の言葉に疑問を抱いたようで、聞く気になったようである。


「メリットとは何かを言う前に行っておくが、今のはあくまで提案だからな?」


 アレン国王がニヤニヤとそう言ったが、どこか企んでいるようにしかヴィクトリアは思えなかった。




 まず、メリットを言う前に身分差とかに問題がありそうだという点があるのだが‥‥そこは問題ないそうだ。



 ヴィクトリアは第2王女。今は夢追い人(ドリーマー)育成学園の生徒として通っていはいるが、将来的に王族の務めとして城に戻るか、それとも夢追い人(ドリーマー)になるかの選択がある。


 もちろん、そこは後者であるとヴィクトリアは決めており、リューも同じ職業になる予定なので、身分扱いで言えばどちらも同じ立場に就くので婚約者になっても問題は特にないそうだ。




 メリットしても、その身分があるそうだ。


 まず、リューの出身はオーラ辺境伯爵家の4男。


 この国の貴族の位は王族を抜かして高い位から大雑把に分けると、公爵、辺境伯、伯爵、子爵、男爵とあり、準とか仮など細かい部分もあるのだが、とりあえず高位なのは伯爵辺りまでと定められている。


 その為、辺境伯爵の位の息子なので、将来的当主を告げなくともそこそこの地位はあるのだ。


 そして、辺境伯爵は国の守りの要でもあり、重要な役職でもある。



 その為、裏切ることないようにという事で、ヴィクトリアと婚約することによって王家とのつながりを強く持って、関係を強固にする事ができるのである。



 次にあるメリットとしては、リュー自身の能力とその従魔たちである。


 はっきり言ってしまえば、戦力だけでも相当なものになり、ホーリアラクネのハクロの糸は高額で取引も可能であり、フェアリースライムであるピポはマスコット的な存在、スピリット・スキュラのファイはその戦闘力の高さ、メイドゴーレムのワゼは機械魔王の作品故の性能の高さから相当なものとなる。


 その面々とつながりを持てれば、いざと言う時には動かせることもできるのだ。



‥‥‥デメリットしては、その戦力や利用価値の高さから悪質な者たちが出る可能性があるのだが、そこは王家とのつながりを示すことによって、国王の反感を買わせないようにしたりすることもできるので、そう悪いことばかりではないのだ。


「それに、娘には外交上他国へ嫁がせてという事も可能かもしれないが、我が娘には心から幸せになってほしいという父親心もあるのだ。万が一、国が亡びるようなことがあっても守り切れるような相手が欲しいというのもあるのだが、その条件を満たしそうなのが‥‥‥リューよ、貴殿だけなのだ」



 はっきりと言い切るアレン国王の姿に、唖然とするヴィクトリアとリューたち。


 思った以上にまともな考えであり、内容としても納得できる。


「それにな…‥」


 っと、なにかアレン国王がヴィクトリアの方に向き、リューに聞こえないように小声でささやいた。


「娘よ、お前の事は色々きちんと諜報員とかから聞いていてな、正直言ってあの者に惚れているのであろう?」

「っつ!?」



 まさかの実の父親であるアレン国王のその言葉に、ヴィクトリアはこれ以上ないくらい顔を赤くした。


「父親としてのせめてもの親心だ。好きな者と結ばれるようにとだな…‥」

「な、な、な、な、何をいきなり言うんですかお父様ぁぁぁぁぁぁぁっ!?」


 穴があったら入りたい。


 そういう言葉があると聞いたことがあるヴィクトリアは、今まさにその言葉の意味をしっかりと心の底から学ばされたのであった‥‥‥



アレン国王の顔:真面目

内心:ニヤニヤ


‥‥‥真面目に考えてはいるけど、やっぱりどこか面白がってしまうそのメンタルがこの国王の強さなのかも。

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