王城へゴー
少々短め。GOと書こうとしたけど、なんとなくあのアプリと被りそうなので避けた。
‥‥‥夏休みとなり、通常であれば実家の領地へ戻る予定だったリューたち。
だがしかし、ヴィクトリア経由の国王からの手紙によって、その予定は木っ端みじんにされたのであった。
「‥‥‥まさか王城に呼び出しを喰らうとは思わなかったな」
「十分すぎる理由なら周囲に結構いると思いますわよ?まぁ、わたくしも同伴でとお父様の言葉があったので一緒に向かいますけど‥‥‥」
【十分すぎる理由って…‥私たちですよね】
ヴィクトリアの言葉に、ハクロがなんとなくわかっていたことを口にした。
手紙の内容は、王城へ向かって謁見しに来てくれと言う物であり、従魔も同伴という事である。
ヴィクトリアも一緒にするようになっていたけど、これはおそらく単に娘の姿を見たいのだろうけど‥‥‥なーんか微妙と言うか、変な予感がするのである。
【あ~コホン、コホン、「人間の言語、こんな感じであっているの、カナ?」
【ピーキッツ、「ピキッツ、ピキッツ、ピキイッツ」
「ファイの発音は良いけど、ピポのはスライムもの言語状態のままだぞ」
『人の姿に近いとはいえ、人間の言葉を話せるようになるのは難しいデス。ま、私の場合は機械魔王様に製造された当時に、ありとあらゆる生物が聞いても、すべての言語で自動翻訳されて聞こえるようになっていますけどネ』
ハクロたち、従魔を連れて行くのだが、今のうちに人の言葉を話せるようにしておいたほうが、なにかやり取りがあった時に話しやすいだろう。
普段はモンスターでの言葉を話している彼女たちは、念のために今のうちに人の言葉ではアンセル用にしておくようである。
・・・・というかワゼよ、お前の言葉って機械的な音声だと思っていたけど、そういう風になっていたのか。その翻訳機能をコンニャクみたいにできないかな?某猫ロボの道具みたいにさ。
ちなみに、今回の移動はヴィクトリアの乗る王族用の馬車である。
本来王族ではないリューは乗ることはないのだが、ヴィクトリアが許可を出して相席できているのだ。
‥‥‥忘れがちだけど、そう言えばこの人第2王女だったよ。
ハクロやファイはいつも通り並走し、ピポは膝の上でお昼寝。
そして、ワゼに至っては‥‥‥
「‥‥その下どうなっているの?」
『ご主人様、女性のスカートの中を尋ねるようなことは変態ですよ』
「そんなつもりで言ってはいないんだけど!?」
ワゼの場合、メイド服のロングスカートで隠されて見えないが、何かしらの駆動音が聞こえる状態で、きちんとした姿勢で並走しているのである。
ふよふよふよふよふよ・・・・っと、そんな音が聞こえるからUFOのような感じに飛んでいるのだろうか。某ピンクの悪魔も似たような飛び方をしたような。
謎だけど、聞くのが少し怖い。いや本当に機械魔王よ、あんたワゼにどれだけの仕掛けとか施しているんだ?生きていたらちょっと話してみたかったよ。
はた目から見れば、相当変わった集団なような気もしつつ、馬車は進んでいく。
いや、もうこれ変人の集まり‥‥‥とリューは思ったが、その思考が読まれたのか全員からの一斉の視線を受け、そう考えるのはやめたのであった。
そして、別の事としては、こうやって国王が呼びつけるようなことをしているのは‥‥‥やはり面倒事なんだろうなとも思うのであった。
‥‥‥ま、察しの良い方はすでに国王の企みが分かるでしょう。
分からなくても、あの鋼のメンタルを持つ腹黒大魔神アレン国王の事ですし、人によってはろくでもないことなのかもしれません。
「ふと思ったけど、重力を魔法で操って軽くすればハクロとかも飛べそうだよなぁ…‥」
【前にそれやって、風に流されたことありましたよね?】
【た~こ た~こ あが~れ~♪】
【なんかこっちを見ながら歌わないでほしいカナ…‥‥】
『タコ違いですけどネ』
「そう言いながら、包丁を持って、丸いくぼみのある鉄板を持っているのは何ですの?」