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悲劇のような喜劇

悲劇とか喜劇とか言うけど、喜怒哀楽っていう位だし怒劇とかないのだろうか?

更新がやや遅れ気味。毎日更新ではないとはいえ、待たせてしまうことに深くお詫び申し上げます。

‥‥‥それは様々な条件が重なって起きた悲劇ともいえよう。


 バタフライエフェクトという言葉のように、何が元で起きるかわからないことのようなものだが、とにもかくにもそのようなことになるとはだれが予想できようか。






 まず、条件の一つに、その日ボンブラスト先生がボルケーニン先生に告白しようとしたが、うまいことはぐらかされて結局何もできずに落ち込み、それを心配した従魔のストーンゴーレムであるロックドンが、励まそうと踊りを披露しようとして態勢を変な状態にしていたということ。


 また、別の条件として、この日は雨であり、野外では活動しにくいので授業を地下運動場でやろうとして、その場にいたこと。


 さらに別の条件として、どこかにヒビでも入っていたのか、雨漏りが一部で起きており、少しだけ床が濡れて滑りやすい状態であったこと。


 そのうえこの日の魔物使い科目の授業は、反射神経を鍛える訓練と言いつつ、雨の憂鬱さを吹き飛ばすための従魔も一緒でやるドッチボールが行われており…‥‥




「ハクロ!!そっちに当てろ!!」

【了解で、】


コケッツ

【あ!?】



 トドメとして、ハクロがボールを投げようとして少しこけて、ボールがあらぬ方向へ飛び、その当たる場所にロックドンがいたことである。





 この条件が重なり合った結果‥‥‥



ゴッツ

【ゴゥッツ!?】



 普段はその質量故に、ただの投げられたボールが当たった程度では倒れないロックドン。


 しかし、ハクロがこけた際にうっかり全力投球のような形となり、勢いがすごく、その直撃した衝撃も大きくなり、踊ろうとして片足を上げて不安な態勢になっていたロックドンはまともに受けてしまい、そして足元が少し濡れていただけだが、滑りやすくて‥‥‥




ツルッツ


バキゴキドッスゥゥゥゥゥゥゥン!!





 盛大にロックドンはぶっ倒れ、その体はストーンゴーレム…‥‥つまり岩なのだが、重量が大きかったので勢いもさらに盛大となって、その衝撃で彼はぶっ倒れると同時に、盛大にひびが入ってぶっ壊れ、辺りに体を散らばらせることになったのだった‥‥‥











「‥‥‥と言うわけで、今週の魔物使い科目の授業ですが、ロックドンの修理もとい治療のために、この際ゴーレムの部品を扱う『ブリテン』という都市への合宿だぞい‥‥‥」



 物凄いズーンと落ち込んだ様子で、そう言いながらボンブラスト先生はこの状況でも教師魂としてか、授業を行うようである。



「『ブリテン』ってゴーレムの部品を扱う街なのか?」

【そのようですね。特殊な扱い方をするそうなので、世界的に珍しい都市でもあるようですよ】



 

 合宿として行われるために、ブリテンへと向かう馬車の中で、リューの疑問の声に、外で並走しているハクロが本を読みながらそう答えた。


―――――――――――――――――

都市『ブリテン』

ゴーレム関係の事を扱っている都市。様々なゴーレムの部品や製造を専門としており、世界各地のゴーレムが見られるという特徴もある。ドワーフの住民が90%を占めており、職人が集う都市でもある。


――――――――――――――――――



【そもそもゴーレム自体がモンスターの中でも特殊なのカナ】


 ゴーレムと言うのは、基本的にモンスター扱いである。



 自然に生息し、いつの間にか現れているのがロックゴーレムやマッドゴーレムなど、基本的に岩や土からできているのが例として挙げられるだろう。


 ただ、人工的に作られたゴーレムと言うのも存在しており、そのことから単純にモンスターとしてのくくりで良いのかと言う議論も交わされているそうである。


【モンスターの特徴である『体内に魔石がある』という条件は満たすんですけれども、人為的に生み出されたゴーレムならば、むしろ魔道具(マジックアイテム)に近いのではないかという議論だそうですよ】


 わかりやすい例えで言うなら、トマトやスイカなどが果物か野菜かで議論されていたようなものだろう。


 確か、木になるのが果物だっけか?そのあたりは前世の記憶でもあやふやである。




「人工的なゴーレムか‥‥‥案外、人型のとかありそうだな」

【それはないそうですね。ロックゴーレムのロックドンのように、大抵はあの位の大型のが多いそうですよ】

【そういうのを過去に考えた人もいるようだけど‥‥‥難しいというのが現状カナ】


 ちなみに、人工的に作れるという点から過去に戦争に利用できないかと言う話もあったそうである。


 ただ、ゴーレム一台を作るには必ず魔石が一つ必要であり、それもそこそこ上質なものでなければ性能が悲しいことになるそうなので、その魔石の獲得のために人を裂くのは本末転倒のようなものだという結論に至って、戦争利用はなくなったそうである。



 まぁ、よく話に聞く魔王とかの中には、過去に手先と言うか技術力が優れた魔王がいたらしく、その人は身の回りの世話をほぼゴーレムにやってんもらったのだとか‥‥‥


 ただ、技術を完全独占していたがゆえに死後に受け継がれることもなく、その魔王の死と同時にそれらのゴーレムも自動的に自爆して、跡形もなくなったそうである。



 結局何がしたかったんだろうかその魔王は。








 とにもかくにも、馬車はブリテンへと向かう。


 ぶっちゃけ先生が皆を巻き添えにして授業にしているようなものだとはいえ、こういう別の都市への旅行のようなことは楽しみである。




‥‥‥なお、ブリテンまで馬車で3日だとか。


 往復6日か…‥‥合宿と言うよりも、ちょっとした小旅行じゃないかなこれ?


‥‥‥フラグ?

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