表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
60/162

改造と言うより魔改造

SIDEリュー


‥‥‥七不思議の恐怖の一晩を乗り越えてから1週間後。



「あの地下空洞部分を、そのまま再利用するとは思わなかったな」

【リュー様の魔法の継続中に、下から柱を入れて、そこから補強していき、地下室にされましたもんね】

【地下室と言うよりも、巨大な地下運動場カナ?】



 あのギガントスラッグが創り上げた校舎の地下空間は今、夢追い人(ドリーマー)育成学園の専用地下運動場として生まれ変わり、綺麗に整備されていた。


 

 何しろ、埋め直そうにもその分の土砂の問題があり、ならばいっその事利用すればいいという事で、運動場へと変えられたのである。



 なぜ運動場なのかと言うと、外での授業の際に天候が悪いときがあるので、出来るだけ広い屋内の場所を確保したかったと、前々から検討されていたそうなのだ。



 その為、この地下空間は巨大運動場に改良され、ついでに少々トラップも兼ね備えて…‥


「って、トラップはいらないよな?」

「ああ、それはどうやら訓練用ですわよ。なんでも外での実戦用に色々と仕掛けておいて、抜き打ちテストのようなものらしいですわね」


 リューの疑問に、ヴィクトリアは答えた。


【Gホイホイ特大版のようなものまでありますけど…‥‥あれはかかりたくないですねぇ】


 苦笑いしながらハクロが言った言葉に、他の面々もうんうんと同意して頷くのであった。



――――――――――――――――――――――――――――――

SIDEアレン国王



「‥‥‥なるほど、となるとやっぱりあの国の仕業か」

「そのようですが‥‥‥なんにせよ、面倒なことになりそうです」


 王城にて、アレン国王は宰相カクスケから、ある報告を受けていた。



 先日、夢追い人(ドリーマー)育成学園の方にてギガントスラッグとやらを利用して襲撃をかけてきたエメラと言う人物。


 ぼっこぼこにされて全身腫れ上がっていたので事情が聞きだせるようになるまで治療し、ようやくまともな会話ができるようになったところで、尋問(拷問)によって情報を吐かせたのである。



 なぜ学園で七不思議のようなことを引き起こし、そしてその掛かってきた者たちを襲撃したのか。


 その理由が、ようやく語られて報告書にまとめられ、そしてカクスケからアレンは聞いていたのであった。



「あの宗教国の、とある組織が動いて、そこから派遣されてきたというわけか…‥‥」


 以前にもあった宗教国がらみの可能性が高いとわかると、アレン国王は苦い顔をした。



「なんでも、今回の七不思議の噂を聞いて、のこのこと皆まとめてきたところを一網打尽にして、仕留める予定だったようです。来るという事は、それだけ自信を持っているか、過信しているかの可能性があり、自身がある方の中に‥‥‥」

「魔王になる可能性のある生徒がいて、それで亡き者にしようとしたわけか」


 面倒なことになったものだとつぶやきながら、報告書を受け取って自らの目で確かめるアレン国王。




「なんにせよ、我が国での勝手な行為から訴えることもできそうだが…‥‥切り捨てを普通にやるだろうし、知らぬ存ぜぬを突き通すのが目に見えている。だからどの国からでも嫌われているのだというのに、わかってなくてそれでも魔王の仕業だと決めつけるのが、あの宗教国の常とう手段だからな」


 その面倒くささに、流石のアレン国王でも関わりたくない国である。


「いっその事、清々しいほどの自爆をしてなくなってしまえばいいんだよ」

「そうは言いましても、世の中そう簡単に運びませんからね‥‥‥しょっちゅう勝手に出かける陛下といい勝負ですよ」

「おい、今明らかにけなさなかったか?」



 ぽろっとこぼれたカクスケの本音に睨むアレン国王。


 だがしかし、カクスケは全く知らない顔で口笛を吹いてごまかす。


「まぁまぁ、とにもかくにも大事に至らなくてよかったとしか言えませんって」


 ごまかしつつ、アレン国王に今の本音の話題からずらそうと、カクスケはそう言った。




「…‥‥そういえばそうなるが、なんにせよ、近い将来その国との争いごとになることは目に見えている。ならばいっその事、こちらでその件の魔王になりそうなものに対して、働きかけてみるか?ついでにその宗教国も潰せるようにな」


 ごまかされつつも、良いことを思いついたとばかりに腹黒い笑みをアレン国王は浮かべた。



‥‥‥すでに彼にはある程度の見当がついている。


 その魔王となる可能性の高い、とある人物を。


 そしてこのついでとばかりに、面倒ごとを引き起こす宗教国にも、そろそろ痛い目を見てもらおうと、新たに企みを練っていくのであった。



アレン国王の腹黒さって、物理的に例えるならば、石炭にさらに黒い絵の具を塗り重ねる感じである。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ