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柔らかいです

本日2話目!!

性格などはそのうち安定させていきます。

「‥‥‥ん」


 ふと、まだ目も開かないで感じたのはなにやら柔らかくて暖かい存在。


 丸みを帯びているようで、なんかさらさらした毛のようなものが生えていて、かといってうっとおしいモノではなく、触り心地のいい感触。


「って、なんだ!?」


 ついベッドで寝ているような気分になったけど、よくよく考えたら我が家のベッドはこんなものじゃないよ!!


 思わず目を覚ますと、なにやら白い物体の上に俺は寝かされていたようだった。


 さらさらとした細かな白い毛がうっすらと生えていて、柔らかい感触で人肌のような温かみを感じるこの物体は‥‥‥



【あ、気が付きましたか?】


 ふと気が付けば、くるりと腰をひねって此方を向く美女の姿がありました。


‥‥‥あのアラクネの彼女の蜘蛛の部分の上だったようです。ベッド以上の素晴らしい寝心地どう思ありがとうございます。


 空を見上げてみれば、もうそろそろ夕方になりそうな状態だった。


 あ、やばい。そろそろ帰らないと絶対叱られるだろ。


 というか、この彼女とかどうしよう‥‥‥












「「「「「何を拾ってきたんだお前はぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」」」」」


 慌てて屋敷に帰るや否や、待っていたのか家族全員が驚愕の声をあげました。


「あははは‥‥‥成り行きと言うか、なんというか」

【えっと、すいませんお邪魔してしまって】


 とりあえず早く家に帰りたいと言ったら、アラクネの彼女がしがみつくようにと言ってきたので、とりあえず方向を指示してからしがみつくと、手や蜘蛛の部分か素早く糸を出してターザンのごとく素早く木々を駆け抜け、そのまま屋敷まで全力疾走してくれたのである。


 速かった。いやもう本当に速かった。



 さすがに森にそのまま置いていけそうにもないし、まだ怪我しているので連れてきちゃったけど‥‥‥というか、怪我していたはずなのにだいぶ治っていないか?回復力って人間以上なのだろうか?


「兄上、母上、お父さん、この人(?)連れてきちゃダメだったの?怪我していたよ‥‥‥」


 ここはこの5歳児の体の最終手段、「上目遣いで目をウルウルさせて訴える作戦」である。


「ぐほぅ!?」

「ぐふぅ!?」

「ぶばっつ!?」

「ぶしゅっつ!?」

「‥‥‥ぐっ」


 あっけなく全員落ちました。お父さんだけやはりなかなかの強敵ですけど、拒否できなかったのでしょう。


 と言うか、一人鼻血爆発したぞ。実質この精神年齢でやるのもどうかと思うけど、見た目でセーフである。そういえば父上と呼んでいないのは、なんか堅苦しすぎて言いにくいだけなんだよね。


 


「というか、リューよ、そのモンスターが何か知っているのか?」


 と、お父さんが彼女を指さしながら尋ねてきた。


「いえ、知らないんですけど‥‥‥わかる?」

【あー‥‥‥私も自分がアラクネだということ以外は良く知らないんですよ】


 自分で自分がよくわかっていないのかよ。


 アラクネの彼女に聞いてみても、期待した返答は得られなかった。


「そのモンスターはな‥‥‥こうしてわたしも現物を初めて見たが、おそらくアラクネの中でめったに生まれることない、亜種や希少種とも格が圧倒的に違う幻獣種『ホーリアラクネ』だ」


―――――――――――――――――――――――――――――――――――――

『ホーリーアラクネ』

数あるアラクネのモンスターの中でも、極稀にしかお目にかかれない超貴重な幻獣種とも呼ばれているモンスター。

全体的に白く、清らかな力を持つとされている。

癒しに優れており、そのモンスターから取れる糸は国宝級以上のものとされており、着ているだけで癒しの効果があるという。鋼鉄以上の強度も誇り、アダマンタイトにも匹敵するらしい。


――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


「【‥‥‥ええっ!?】」


 その説明を聞き、俺も彼女も思わず驚愕の声を上げた。


 と言うかモンスター自身が自分の事をよく知らなかったのかよ。


「まじでか‥‥‥いやまぁ、予想以上に綺麗だったのはあるけど」

【私自身、そのように伝わっていることが驚きましたよ】

「と言うか、自分で自分の種族が分からなかったのか?」

【そりゃそうですよ。あまり興味ありませんでしたし、同族とはちょっとちがうかなーと】

「全然違うじゃん!!」


 思わず俺はアラクネの彼女と慌てて話し合いをして、ふと気が付くとお父さんたちが唖然と口を開いて驚いていた。



「リュー‥‥‥お前さっきからそのモンスターと話しているのか?」


 お父さんが恐る恐ると尋ねてきたけど‥‥‥え?


「あの、普通に意思疎通できていますよ?」

【ええ、声もわかりますよね?】


 いたって普通に会話で来ていたけど‥‥‥


「‥‥‥リューよ、言っておくことがある。モンスターの中には人の手助けしたりする種族もいるのは確認されているし、従魔として扱う職業があるのも事実だ」


 うん、聞いたことがあるしそこはわかるよね。


「だがな、そのようなモンスターと意思疎通ができる様な才能がなければ、会話は成り立たぬ。基本的に手話での方が多いのだ。だが、お前の場合‥‥‥直接できているよな?」

「‥‥‥」


 そう言われてみれば、何を言わんとしているのかすぐにわかった。


‥‥‥これ、もしかしてその種の職業に就ける才能を持っているんじゃないか?

アラクネの彼女の全力疾走方法。

①糸を前に出し、何かに引っ掛けるかくっ付けます。

②引きよせて自分の体を進めます。

③あとは繰り返して一気に加速していくのです。

某巨人漫画の立〇起動装置みたいな加速方法だと考えてもらえれば一番わかりやすいかも。一応普通に走ることもできますよ。

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