終わらぬ恐怖(?)の夜
(?)がついているのは、これって怖いのかと疑問に思い始めてきたからです…‥‥
グロイの無理だしね。
屋上の方からの悲鳴であり、リューたちはその場へ向かった。
バァン!!っと勢いよく屋上の扉を開くと、そこには‥‥‥‥
【ふぅぅぅぅぅぅばぁぁぁぁぁ!!】
【はいはいはいはいはいはいほい!】
【ずんだばぁぁぁめっさぁぁぁぁ!】
「助けてくれぇぇぇ!!」
「熱い!!暑い!!熱い!!暑い!!」
「「【【【何だこの状況はぁぁぁぁぁ!?】】】」」
思わず皆でツッコミを入れてしまうような光景が広がっていた。
月明りの下、屋上にはなぜか大きな焚き火が付けられており、その周辺でぐるぐると奇声を叫ぶ得体のしれないような人型の黒い物体と、操られているらしい生徒たちが悲鳴を上げ、手には包丁を持って、その焚き火の周りを囲むように、物凄い激しい動きで踊り狂っていた。
七不思議3つ目、『屋上で踊り狂う謎の影』のようだが…‥‥ここまでカオスとは思わなかった。
「ファイは焚き火の消火!!ピポはあの謎の黒い人影に攻撃!!ハクロは拘束を頼む!!」
すばやく判断し、リューはハクロたちに命令を出した。
ついでにヴィクトリアも動き、生徒たちの救出を選んだようである。
音楽室の時同様に、いや、それ以上に謎の人影があるので取り押さえてこの現象の原因を理解できるかもしれないと思ったが…‥
【ピキ―ッツ!!】
スカッ
【ピキッ!?】
「え!?」
ピポが飛び蹴りを食らわせようとしたところで、その謎の人影はたちまち消えてしまった。
結局、生徒たちを救出できたのだが、謎の人影には逃げられてしまったようであった…‥‥
そして、救出した生徒たちに話を聞くと、屋上の方で音が聞こえたので、七不思議のひとつと思って向かったようだが、ミイラ取りがミイラになるかのように、先ほどの状況になっていたそうである。
「なんというか、物凄いカオスを求めているのかよこの七不思議は…‥‥」
「これで3つ目だから…‥わかっている物を考えるとまだ3つはありますわね」
と、ここでふとリューは気が付いた。
「あ、ここ屋上だからハクロ、お前の糸で外に降りること出来るよな?」
【確かにその手がありますね!】
よくよく考えてみれば、ここは屋上。
ここから飛び降りれば校外に出ることは可能なのだ。
一応安全性のために、ハクロの糸でうまいことやって、一旦この校舎から出ようかと考えたのだが…‥‥
「‥‥‥なぁ、ハクロ。この状態で糸ってつくか?」
【無理ですね‥‥‥と言うか、なんですかこのヌルヌルはぁぁ!!】
気が付けば、いつの間にか学校の外壁、いや、見渡せる範囲がテラテラと光っており、ヌルヌルのヌメヌメの何かしらの物で覆われていた。
ハクロの糸を飛ばしても、このヌルヌルさだとまったくくっつかないようで、しかも射程には一応限界があるので、ヌルヌルがないところに飛ばすすべがない。
【ふむ‥‥‥どうもこれは何かの分泌液のようカナ?】
「分泌液って‥‥‥何のだよ」
【おそらくだけど、私と似たようなものじゃないカナ?】
ファイが冷静に分析してみると、どうやら彼女のタコ足の保湿をしているヌルヌルと同じようなモノらしい。
ただし、ファイの場合は魔法で意図的に触っても大丈夫なようにしているのだが、このヌルヌルはいわば垂れ流しの状態のようだ。
「校内に入る前はなかったことから‥‥‥比較的短時間でこれだけのヌルヌルが用意されたのだろうか?」
一体だれがとはわからないが、なんとなく人為的なものをリューたちは感じ始めてきた。
「とにもかくにも、とりあえずこの際七不思議の攻略をしたほうが良さそうですわね。その進む先に、きっと答えがあるはずですわ」
ヴィクトリアのその言葉に、皆が同意して頷く。
まだまだこの夜は終わらないだろう。
だがしかし、この七不思議を解いた先に……きっと原因が見えてくるはずだ。
とりあえず、順番から言って次は『さまよう血濡れ大剣』を確認しに行ったほうがいいだろうと意見を合わせリューたちは向かうのであった‥‥‥
まだまだ終わらぬ七不思議の夜。
一体何者手によって、この事態は引き起こされているのだろうか。
そして、リューたちは無事に乗り越えられるのだろうか?
次回に続く!!
‥‥‥よく考えたら、一応ピポが飛べるんだし、彼女に糸を持ってもらってヌルヌルがないところに巻き付けてもらうという手段があるんだよね。
そのあたりのツッコミはご遠慮ください。ちなみに、本当は脂汗にする予定だったけど、想像したらあまりにも気持ちが悪いので謎のヌルヌルにいたしました。




