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合同授業:前編

ちょっと都合上分割です。

……合同授業の時間になり、リューたちは運動場の方で集合していた。



「ふんすはぁぁぁぁ!!さぁて!!本日は合同授業だぞい!!」


 いつになくハイテンションのボンブラスト先生。正直言って物凄く暑苦しい。



 その横では、苦笑いを浮かべる合同授業での今回の検討し授業担当講師の先生がいた。


 若い女性の先生だが、肌がやや赤みを帯びた褐色で、露出が多い。


 けど、色気を感じるよりもどこか恐怖をリューたち男子一同は本能的に感じ取った。



「あははは、ボンブラスト先生、その意気込みだと生徒たち暑苦し、コホン、気迫に押されてしまうよ」

「おおう、すいませんぞいボルケーニン先生」


 ちょっと落ち着いたようだが、周囲から見てもボンブラスト先生がその女性……ボルケーニン先生にデレデレなのは丸わかりであった。


「さてと、改めまして今回の合同授業でもう一人の講師として務めさせてもらうボルケーニンです。あ、男子生徒たちは男としての本能的に感じ取っているかもしれませんが、アマゾネス出身ですね。ですが、私のストライク対象はダンディなおじさまですのでご安心ください」


 そう言いながら、ボルケーニン先生は皆に軽くあいさつをした。


―――――――――――――――――――――――――――――――

『アマゾネス』

獣人やエルフと言った亜人種族の中では少数派に入る種族。肌がやや髪を帯びた褐色で、武闘派な人が多い。

男を攫うという風習があったのだが、裁かれるようになってきたので、仕方がなく自粛するようになったといわれている。しかし、過去何千年も続けているようで、全ての男性には本能的に恐怖を感じるようになっているらしい。

いろいろな種族と関わり合っているうちに好みも多様化したらしく、成人後は己の好みの相手を見つける放浪の旅に出るとされている。なお、生まれる子供は全て同じアマゾネスの女の子であり、男子が誕生することはない。

ちなみに、モンスターの中でもアマゾネスと似たような生態をもつラミアやハーピーなどとは協力していたり対立していたり、そもそも全く違う地域に住もうとしたりなどと、共生・競争・住み分けという生物の生態系の一部が見事に出ている。

―――――――――――――――――――――――――――



…‥‥どうやらボルケーニン先生はアマゾネスの中でもストライクゾーンがかなり狭い様だ。


 その為、この生徒たちがストライクゾーンでないことに、男子生徒たちはほっとしたけど…‥


「それってさ、ボンブラスト先生も対象外じゃないか?」

「ああ、ダンディなと言うけど、ボンブラスト先生はマッチョなと言う感じだしな」

「紳士と言うわけでもないし…‥‥」


 その事実に、男子生徒たち一同はボンブラスト先生に哀れみの目線を向けた。


「うおっつ!?なんだぞいその憐れむような目線は!?」



 しかし、ボンブラスト先生はその現実が見えていないらしい。



【恋は盲目って言葉がありますけど、まさにそう言う事でしょうかね?】


 ハクロのそのつぶやきは、まさにそうだと納得させるのであった。








 さて、今回の合同授業だが、ヴィクトリアとの話にあったように、魔物使いの生徒たちと拳闘士の授業を学ぶ生徒たちとの軽い模擬戦を行うようだ。


 従魔を野生のモンスターとの戦闘に当てるのと、対人戦を想定しての、互いの科目でも重要なところを同時に学ぶそうである。



 一応魔物使いたちの従魔も多種多様なので、成績によって対戦する相手を決めることになった。


 なお、一体辺りにつき一人という事なのだが……‥‥




「案の定と言うか、ヴィクトリアとの対戦か」

「お手柔らかにお願いしませんわ。全力で相手をしますわ!!」

【言葉遣い間違ってますよ!?そこは普通「お手柔らかにお願いします」なのに全否定ですか!!】


 思わずハクロがツッコミを入れたけど、皆の心も同じことを思っていたようで、うんうんと頷く人が大多数である(言葉が分かる魔物使いの生徒たちだけ)。



「とはいえ、全力で行くなら…‥‥ピポ!!」

【了解だよ主!!】


 拳闘士の授業でやるのは基本的に格闘術。


 つまり接近戦での拳での語り合いのようなことであり、その手の分野であれば従魔の中でもピポが適切であろう。


 一応、炎を出すのは飛行するときにだけに限定してもらい火傷の危険性を減らしておく。


……ヴィクトリアって忘れがちだけど、この国の第2王女だもん。うかつにやばい怪我でもさせたら後が怖い。



「それでは!!魔物使いリューの従魔からはフェアリースライムのピポが!!拳闘士履修生のからはヴィクトリア第2王女様が対戦します!!両者構え!!」


 ボルケーニン先生がはきはきとした声で審判に立ち、それぞれの構えをとる。



【ピキピキピッキーーー!!】

「意気込んでいるようですけど、勝つのはわたくしですわ!!」


 両者ともやる気は十分のようで、皆が見つめる中開始の合図が今出される。



「それでは開始!!」


 ボルケーニン先生の手刀が振り下ろされ、開始された瞬間に両者は同時に地を蹴り上げ、一気に距離を詰めるのであった…‥‥



一応、ヴィクトリアの方には軽いプロテクターの装着がなされています。

と言うか、ハクロからの提供で彼女お手製の衣服を着ています。

アラクネの糸は、衣服にするだけでも鋼鉄の鎧以上の強度がありますからね…‥‥

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