合同授業
本日2話目!!
「ふんばぁぁっ!!明日は合同授業となったぞぉぉぉい!!」
本日の授業終了前、いつになくハイテンションなボンブラスト先生がそう宣言したのを見て、、魔物使いの授業を受けているリューたちを含む生徒一同は、逆に冷ややかな目線を送ってあげた。
正直言って、暑苦しい。
皆の心は、その一言で一致した。
「先生!!どことの合同ですか?」
一人の生徒が手を揚げ質問をする。
「ふっふっふっふ!!拳で語り合うのが多い拳闘士科目の授業との合同だぞい!!」
拳闘士科目……確か、ヴィクトリアも取っていた科目である。第2王女がそんなものをとっていいのかと問いたいが、まぁ、彼女だから仕方がない。
しかし、なぜここまで先生がご機嫌なのかは、皆の疑問であった。
「あの先生、もしかしてその科目の担当講師の方に恋しているとかはありませんよね?」
「ぞ、ぞい!?そんな、そんな、そんなわけはないぞい!!」
生徒の一人がふざけて質問したのだが……その言葉に、あからさまにボンブラスト先生が動揺した。
その同様っぷりからわかる。
ああ、今のは図星なんだな、と。
おそらくだが、その科目の担当講師がボンブラスト先生が恋慕している人がいて、お近づきになるチャンスなので機嫌がよかったのであろう。
昼になり、昼食のために食堂へ向かうとヴィクトリアがいたので、一緒に食べるついでに少々話をすることにした。
「なぁ、ヴィクトリア。次の魔物使いの授業が拳闘士の授業と合同になるようだぞ」
「そうらしいですわね。互いに手合わせできそうですし、楽しそうですわね」
にこやかに言うヴィクトリアだが、ここでリューは尋ねてみた。
「それで差、ボンブラスト先生が拳闘士の授業担当の先生に恋慕しているらしいけど、どんな先生なんだ?」
「え?それって本当ですの?ボンブラスト先生って男ですわよね?」
「え、そうだけど」
「拳闘士の授業担当の先生って…‥‥男性ですわよ?それも筋肉もりもり逆三角の」
「……」
何だろう、今物凄く嫌な想像ができてしまったような気がする。
【もしかして衆道ってやつですかね?】
【なにそれ?】
【ピポは知らなくてもいいことカナ。世の中いろいろ汚れていたりするし、純粋なままでいてほしいカナ……】
予想ができてしまったのか、ハクロたちも苦い顔をしている。
ピポはそんな知識はないようできょとんとしていたが、純粋なままでいてほしいので説明をせずにごまかすことにしたのであった。
ちなみに、ハクロたちもリューたちの同じメニューを食べているけど、モンスターは基本的に雑食が多いそうだ。肉食のみ、草食のみという従魔などは、特別な資料が支給されるそうな。
「あ、でも確か次の合同授業の際に、担当教師が変更になっていたはずですわね。女性教師でしたし、多分まともですわよ」
「あ、なんだ。そうなのか」
次回の合同で、拳闘士の授業担当が一時的に女性の先生らしく、どうやらそっちの方だとリューたちは予想できた。
と言うか、そうじゃないといろいろ精神的にきつい。
「なんて先生だっけな?」
「ボルケーニン先生ですわよ。燃え上がる拳で敵を焼き殴り倒すという荒業で、鉄の鎧とかも砕くより溶かすのだとか」
【炎の拳……相手してみたいピキッツ!】
似たような炎の技を使うからか、ピポはどうやら興味を持ったようである。
先ほどの衆道どうこうの興味からそらせたようなので、良しとしようか。
「とは言っても、合同授業って何をするのやら?」
「多分、互いに試合のようなものですわね。魔物使い科目の生徒たちの従魔とお手合わせをしてみて、実践に近い状況を出すのでしょう。なので、正確に言えば従魔との対戦になるのかもしれないですわねぇ」
あんまりそう言うことをハクロたちにさせたくないような気もするが、夢追い人となれば実践の機会が多くなり、いつかはそう言う事になるだろう。
そのため、対人戦の機会があるのであれば、安全性の確保を得たうえでやってほしいとリューは思うのであった。
…‥主に、相手側の方に。だって、従魔たちの攻撃方法を簡単に言ったら急所狙いに、鉄以上の頑強な糸に、遠距離魔法だぞ?
実力からしても、そう簡単に倒せないというか、返り討ちにしすぎるというか、オーバーキルになるというか……ちょっと不安をリューは覚えたのであった。
むしろ手加減をする方が難しそうというのが、リューの従魔たちです。
戦闘向きで無さそうなのに、がっつり戦闘面は強いからね…‥‥
燃える体での攻撃、拘束・切断などが可能な糸使い、水・風・氷魔法攻め。
強さで言っても…‥‥‥加減の学び方と言ってもいいのかもしれない。