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質問ですよ

本日4話目!!

少しの間は出す量が多いけど、すぐに落ち着いて投稿するようになります。

‥‥‥前世を思い出してからひと月ほど。


 この辺境伯爵家は国防の要のようなものだが、辺境なので田舎のようなところがある。


 小川が流れ、パンが主食なのか麦畑があったり野菜畑もあって、そして村とかもある。


 そして、開拓作業のようなこともしているらしく、大きな森が存在していた。



 この開拓して切り開かれている森の名前は『ラストリモの森』。


 なんでもある伝承があるのだとか。



「どういう伝承ですかねエレクト兄上?」

「んん?弟よ、兄は良く知らないのだがちょっとだけなら話せるが‥‥‥聞きたいのか?」

「はい、気になるのですからね」


 弟と言う立場を活かし、ややブラコン気味な兄に聞くことにした。


‥‥‥兄たちはそろって勉強は嫌いだが、一応そこそこはできるらしい。やればできる子、でもやる気はない子の典型的なパターンかな。



 で、今日は今まさに勉強をサボって昼寝をしようとしていたエレクト兄上に聞くことにした。



「その伝承と言うのは、『魔王の愛した土地』ということかな」

「魔王の愛した土地‥‥‥?」


 なんか思ったよりもこう甘酸っぱいような気がするぞ。


「どういえばいいかな‥‥‥モンスターはわかるよな」

「はい、わかっています」

「そのモンスターには人を襲ったり、手助けしたりと色々な対処を取る者たちがいる。この世界に普通に存在し、まるで動植物のように当たり前にいる存在だ」

「はい」

「だがな‥‥‥どういうわけかはわからないのだが、ラストリモの森にはモンスターがほとんどいないんだ」

「モンスターが湧くことも、他から来ることもないってことですか?」

「そういうことだ。たまにものすごい力の強いモンスターが訪れることがあるらしいけど、基本的にこちらから何もしなければ特に害もないらしい。いわば絶対戦闘回避地域という事だ」


 リューの言葉にうんうんと頷きながら説明するエレクト。


 そして話を続けた。


「‥‥‥モンスターがいないのはな、その森に伝わっているその伝承があるからだと言われている」

「というと?」

「あー‥‥‥魔王とか言う存在をどれだけ知っているか?」

「魔王ですか?」


 一応、幼い俺にも家庭教師がついていたりするので過去の歴史を習う事がある。


 その中に、魔王と言う存在の話を聞いたことがあった。


 いわく、善でも悪でもある存在であり、人を導く清き者とという事もあれば、冷酷無慈悲の滅亡へ導く者という事もあるらしい。


 国を作ることもあれば、個人だけで引きこもるというのもさまざまだ。


 いわばものすごく長い周期で生まれる現象のようなものであり、黄金時代から暗黒時代とまでいろいろな事をしでかすらしい。


 勇者とかいそうなものだが‥‥‥そこはどうなのだろうかね?まだよく詳しくは習っていないしなぁ。どういう人が魔王になるのか、今後の勉強でしっかり聞いておこう。


「でだ、何代目かは忘れたけど、とある魔王の時期、ちょうどその魔王は一番善政と言うか、物凄く良い人だったそうでな、様々な改革を行ってあちこちを豊かにしていったそうだ。敵対するはずのモンスターなんかも敬意を払うようなこともして、それからその魔王の死後彼にゆかりのある場所は荒らされないように、荒らさないようにモンスターが近寄らなくなったり、その場所を守護したりしているのだとか」

「となれば、ラストリモの森は荒らさないようにと言う考え方でモンスターがいない場所なのですかね?」

「そう言う事だろうな。なんでも、大昔のその魔王が愛した人物がいた場所のようで、墓標もあるらしい」



 けれども、その墓標とかは見つかっていないという。


 でも、魔王が愛した者が居た場所としては伝わっているようで、自然と誰もが荒らさないようにしているのだとか。


「開拓で森を切り開いてはいるが、きちんと計画を立てて考えての伐採作業も行っているんだよ。むやみやたらに荒らさないようにして、考え無しの奴とは違うようにきちんとな。まぁ、力の大きすぎるモンスターはそう考えていない可能性もあるらしいが‥‥‥」


 なるほど‥‥‥一応この地をもっと豊かにするために開拓できるところが必要だが、荒らさないよう計画的にしているのか‥‥‥。


 ちょっと気になるなその森が。危険性も低そうだし、ちょっとした探検をするのもいいかもしれない。


「兄上、その森に連れて行ってくれませんか?気になるんです!」

「ん?ああいいぞ。ラストリモの森なら誰でも自由に、荒らさない限り出入りが可能だし、一人でも危険がほとんどない場所だ。勝手に行ってもいいだろうな」


「ただし、勉強が終わってからだ!!」


「げっ!?」


 背後から聞こえた大声に、兄はびくっと体を震わせた。


 恐る恐る見てみれば、にこやかな笑顔をした父がそこに立っていた。


「げっ、とは何だ?まさかサボって森に行くつもりでは無かっただろうな?」

「い、いえ!!きちんと弟に約束して、後から行く予定だったのです!!」

「なるほど‥‥‥まあいいだろう。リューの事を考えての行動はとてもうれしいぞ。でもな、あの森は一人で言っても大丈夫なほど安全な場所だ。だから今すぐにでも勝手に言ってもいいぞリューよ」

「でも、まだよく場所がわからないんだけど‥‥‥」

「ああ大丈夫だ。この屋敷の右方向にまっすぐ行けばすぐにわかるはずだ」


 指さした方向へ行けという事なのだろうか。



「それはそうとエレクト、追加の課題を渡しておくからリューと一緒に行くのは今度にしなさい。リューは今すぐにでも一人で言って良いぞ」

「なぁっ!?鬼畜じみた量がぁ!!」

「それじゃ、言ってくるねお父さん、兄上!!」

「ちょっと弟よ!!できれば兄に手助けぉぉぉぉぉ!!」



 悲痛な叫び声をあげた兄上を置いて部屋から出て、俺はとりあえず森に行ってみることにした。


 気になることは気になるし、いいお昼寝場所が見つかりそうだからね。


 大自然の中、木漏れ日でちょっと暖かくなって、木陰で風に癒されながらの昼寝‥‥‥うん、物凄くやってみたいな!!


 エレクト兄上?‥‥‥まぁ、いい兄だったよ。残念感半端ないけど。

兄は犠牲となったのだ(死んでいません)。

ついでに、リュー自身にこの先勉強が課されるでしょう。

その時にはどうなるのやら‥‥‥兄同様勉強逃避したいかも。

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