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自由に過ごしたい魔物使い  作者: 志位斗 茂家波
夢追い人(ドリーマー)育成学園へ入学で章
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湖の精霊の正体

絡みつく糸を持つ蜘蛛、敵を捕らえる触手を持つタコ……考えてみたら、執着心が強そうなやつらが多いなぁ。

 ……湖から現れたスキュラのようなモンスター。


 そのモンスターはサラマンダーに対して攻撃を仕掛け、魔法を繰り出して撃沈させた。


 氷の山に埋もれ、撃沈したのを確認するが、皆の警戒は解けなかった。




 出てきたスキュラは、サラマンダーとは戦闘し、勝利を収めた。


 けれども、敵か味方まではまだ決まってはいないのである。


【‥‥‥さてと、森を荒らしまわったような大馬鹿野郎を倒したが、別のものを見つけたようカナ?】

「「「「!?」」」」



 くるっと、そうつぶやきながらそのスキュラはリューたちの方に顔を向けた。


 そして湖の上を歩きながら、リューの方へ近づいていく。


 そして、いつの間にか顔をはっきりと互いに認識ができる距離にまで彼女は近付いていた。


【ん~、なんかこう興味を惹かれる?カナ?人間、にしては魔力が大きすぎるし、まだまだ使いこなしていないというか、有り余っているのカナ?】

「っつ!?」


一目見ただけで、目の前のスキュラはリューの魔力の大きさに気が付き、そして見透かしたようである。



「あ、貴女は一体……何者なんだ?」


 思わず後ずさりをしつつ、リューは尋ねた。


【何者?んっと、ワタシはモンスターで、第135代目のこの湖の主をやっている者カナ?】

「そんなに湖の主っているの!?」

【リュー様、ツッコミを入れるところがおかしいですよ!!】


 どこかずれた答えを出されつつ、ようやくなんとなく全員の警戒心が解けた。


 この抜けたやり取り的に、敵意を持っていないように感じ取れたからである。


【ピキッツ……湖の精霊とか?】

【精霊?種族名は『スピリット・スキュラ』だからあっているのカナ】

「スピリット・スキュラ?」


 確か、そのモンスターって……超希少種の?


―――――――――――――――――――――――――――

『スピリット・スキュラ』

スキュラに似た特徴を持つが、全く別物の超希少種モンスター。精霊に近いモンスターともされ、水の力が通常種や亜種のスキュラ以上に高く、災害危険指定種に次ぐ能力を持っているとされる。

水上であればほぼ無敵だが、砂漠のような水分がほぼない環境下では実力がかなり落ちてしまう。

その肉体は水の力を高める素材ともされており、大昔には海上のとある国で求めて起きた争いがあるほどである。

――――――――――――――――――――――――――――








 カクカクシカジカと情報交換と確認が行われ、彼女の詳細が判明した。


 実は彼女、元々海に住んでいたらしい。


 しかし、数百年程前に開場で突如として発生した竜巻に大空へ捲き上げられ、気が付いたらこの湖に着水していたようである。


 そして、環境的に悪くはなかったので身を隠して住み着いていたのだが、その容姿は妖艶さを持ち、水に近い色を持っていたために、湖の精霊として、いつしか名が広まってしまったそうだ。


 つまり、湖に精霊が住んでいるという噂の原因は……彼女である。


 幽霊の正体見たり枯れ尾花。精霊は精霊でも、モンスターのスピリット(精霊)・スキュラだったのである。


 なお、今回サラマンダーと対決したのはこの森の湖に長い間住んでいて、それなりに愛着ある場所でもあり、彼女の縄張り的なものなので荒らされることにムカついて出てきたのだとか。



 どこかがっかりなような気がしつつも、間違ってはないように思えるのはどうしてだろうか。


 そしてついでに言うなれば……


「あのすいません……なんで俺の体に巻き付いてきているんですかね?」


 さりげなく、気が付いたら足の触手で巻き付かれていたんですけど。


【なんか気に入ったカナ!!長年生きてきたけど、興味がわいたからカナ!!】


 にこやかにそう言うけど、すっごいにゅめぬめのぷにぷにしていて、ちょっとひんやりして気持ちは良いけど、そのにゅめぬめ感が少々台無しにしているんだけど。なにこれ?


【な、何をしているんですか貴女は!!リュー様が苦しそうですよ!!】


 慌ててハクロが糸で引っ張ってきたのだが、すばやくスキュラの彼女の触手が伸びてきて妨害した。



【えー、面倒な蜘蛛さんカナ。しかし、この子の従魔…のようだし、それ相応の実力も持っているようカナ?】


 じっとリューを見つめ、観察するスキュラ。


 獲物を狙う目と言うか、興味対象を見つけてワクワクしているかのような目と言うか・・・・・・



【よし決めたカナ!!ワタシ、あなたの従魔になるカナ!!】

「「「【‥‥‥はぁぁぁぁぁぁぁっ!?】」」」


 突然のその宣言に、リューもハクロも、そして後方の方でそのやり取りを見ていた他の生徒や先生方も、皆同様に驚きの声を上げたのであった……


 なお、ピポはこの時すでに安心していたのかリューの頭の上で寝ていたという。

今回の、魔物使いの授業で一番の成績を残したのはリューだというのは言うまでもない。

・熊とかいろいろ狩りまくった

・テント設営の際に、従魔が手伝って素早く出来た(ハクロのおかげ)

・ぴょんぴょん跳ねる姿に癒された(ピポ)

・皆の避難の手助けをして倒木とかを防いだ


……そして何よりも、強力な新たな従魔を手に入れることになった。にしても、あのサラマンダーはどこのどいつが企んだ者だろうか?

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