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自由に過ごしたい魔物使い  作者: 志位斗 茂家波
夢追い人(ドリーマー)育成学園へ入学で章
31/162

乱獲といえるのだろうか?

SIDEとあるゴブリンの会話(知能が低いので本来なら会話が余りできないが、今回ばかりは特別)


【ぐっへっへっへ!!今日はどこのやつらを襲ってやろうか!!】


 森の中にて、ゴブリンの進化種としては一般的なゴブリンリーダーは、群れを率いながらそう叫んだ。


 ただのゴブリンから進化して、力を手に入れて数日、彼はノリに乗っているのである。


【リーダー!!人間を襲うのもいいっすけど、たまには同族を襲撃するのはどうっすか!!】

【うむ、それも悪くないな!!だがしかし、同族から女たちを攫って数を増やすのもいいが、他種族からの方が圧倒的に強い子供が生まれう事がある。だから別の種族の女を狙うのが良いだろう!!】

【そうっすね!!おいらたちにもできれば回してほしいのですがいいですか?】

【いいだろう!!俺の物は俺の物、しかし群れの物は群れの物で、皆平等にぶちまけて楽しもうぜぇぇぇぇぇ!!】

【【【ひゃっはぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!】】】


 ゴブリンリーダーからの言葉に、群れの士気は向上し、今まさに襲撃のために動き出そうとしたその時である。




「『衝撃機関銃インパクトガトリング』!!」

【ん?】



 突如として、何者かの声が聞こえたのでその方向へゴブリンたちは顔を向けたのだが‥‥‥ここで、会費とか伏せることを選択しなかったのを、彼らは後悔しただろう。



ズガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガ!!

【ごぶぅ!?】

【ゴガッツ!?】


‥‥‥目に見えない無数の衝撃波があっという間に彼らに襲い掛かり、一体残らず皆ふっ飛ばされ、その威力に見ない後を散らしていったのであった。




―――――――――――――――――――――――――――――――――――

SIDEリュー



「ゴブリンの群れに当たったようだけど…‥‥ひどい惨状だな」

「いやこれリューがやりましたわよね!」

【えっと、この魔法も人に向けての発射は封印したほうが良さそうですね】

【穴ぼこだらけ―!】


 がさがさと茂みから出て、命中したであろう場所に向かったのだが、そこは悲惨な現場になっていた。


 地面がえぐれていたり、ゴブリンと思われるモンスターは原形をとどめていないほどひどく穴が開いていたり、千切れていたりなどしていたからである。


 魔法の試射のつもりだったけど、ここでやって相手がモンスターだけで本当に良かったと心からリューはそう思えた。



「攻撃できる魔法とか、危険性が高いのが多いなぁ」


 人相手にはできるだけ打ちたくない魔法である。……そんな機会がなければ一番いいことなのだが、夢追い人(ドリーマー)となれば、何かしらの面倒ごとを持ち込む人や、新人潰しなるやつがいるらしいので、その対策も練っておかねばならないのだ。



「しかし、リューの魔法にはいろいろと驚かされますわね‥‥‥魔物使いをメインにして、従魔たちのアシストを主に持つようですけど、一人でも十分戦えますわね」

「まぁ、一応そこそこ身を守れたほうが良いからな。相手の体を重く出来る重力に関する魔法などで拘束は可能だけど、明確な戦闘向きではないしね」


 火や水と言ったわかりやすい魔法とは違い、リューの持つ魔法の属性は「力」。


 重力、斥力などと言った物ものあるけれども、空間に干渉したりなど様々な魔法があるようだ。


 ただ、現時点での魔力量でも使用不可能な魔法があるようなので、とりあえず今は魔力量の増加と使える魔法の確認及び練習が必要なのである。





【でもまぁ、リュー様の魔力量自体が桁違いですけどね】


 ぽつりとつぶやいたハクロの言葉は聞こえなかったことにしたい。


 うん、ちょっと他人よりも多いだけなのだ。


「そのちょっとがどのぐらいなのか、小1時間は問い詰めたいですわね」


 興味があるのか、ニヤリと笑みを浮かべるヴィクトリアに、少し寒気を覚えた。あかん、これはぐらかしておかないと絶対に完全に目が付けられるパターンだ。


「それはそうと、このゴブリンたちの死体の処理をしようか」




‥‥‥モンスターの中で、人を襲撃する奴は返り討ちにして倒してもいいのだが、その死体の処分はきちんとするように実は義務付けられている。


 理由は至って簡単に、死んだモンスターの死骸はそのままにしておくとアンデッド系のモンスターとして生き返る(?)事があるからだ。


 人間も同様にアンデッド系モンスターになって蘇生する場合があるそうで、有名なのは『リッチ』や『デュラハン』、『ゴースト』などがあるらしい。



 その為、いかなる殺生を行ったとしても、アンデッド系モンスターになるのを防ぐために素材だけをはぎ取って綺麗に区分けしたり、火葬して燃やしたり、浄化の魔法で処分するなど様々な方法が義務付けられているのだ。


 いたずらに殺生をしてはならず、きちんとその処理までの責任が問われるのがこの世界なのである。なかなかシビアと言うか、微妙なところで厳しいような気がするのだが、それがこの世界の理なのだから仕方がない。




 ま、燃やそうにも炎の魔法を使えないのでここはハクロに任せよう。


「ハクロ、浄化を頼む」

【了解です!『聖なる光(ホーリ―ライト)』!!】


 そう唱えたかと思うと、ハクロの身体から白い光が出て、周辺に流れ出して辺りを覆っていく。


 ホーリアラクネであるハクロは癒しの力を持っているのだが、その力は浄化にも役に立つようで、こうやって周辺を浄化することもできるのだ。


 ついでに、その副作用として土壌に流れたであろう血とかもきれいに抜き取られ周辺植物からは密かに蓄えられた有害物質等もすべて消し去られるので植物とかも生き生きし始める。


‥‥‥こうしてみるとすごい光景なんだろうけどさ、普段の様子を見ると本当にハクロなのかと言いたくなるなぁ。





 数分ほどで終わり、ハクロの発光が収まり、其の時には地面に転がっていたゴブリンの死骸とかは‥‥‥真っ白になっていた。


「浄化されていますわね。後は土へと自然に戻るでしょうね」


 そうヴィクトリアがつぶやくと、すぐに死骸はさらさらと崩れ出し、後に残ったのはゴブリンの魔石だけであった。


 ゴブリンとか、弱いモンスターの魔石は余り質や大きさが良いものがない。


 でも、ハクロの手によって浄化されると‥‥‥


「うん、だいぶましな感じかな?」

「そうですわね。これだけでも元の値段の5~10倍の値段で取引されそうですわ」


 どうやら不純物等も消え去るようなので魔石の質も向上するようだ。


 値段が知れて入るのだが、それでもここまで状態が良くなると格差がある。


「それじゃ、ピポ、回収を頼む」

【ピキッツ!】


 ピポに拾った魔石を渡すと、ピポはそれを体内に取り込んだ。


「食べていないですわよね?」

「ああ、そのはずだ。どうも面白い特殊能力をピポは持っているようでな」

【スライム空間に入れたよー!!】



 ピポは通常のスライムとは違う亜種のようなものであり、どうやら特殊能力を持っていたらしい。


 その特殊能力とは、ずばり某猫ロボのポケットのような「空間収納能力」なのだ!!


 ただし、制限があって総重量が5トン以上を超えてしまうものは入れられないそうで、ついでにお約束とも言えるような生き物は入れられないというのもある。


‥‥‥まぁ、5トンもの物を運ぶことはほとんどないだろうし、そこまで困るようなことでもないけどね。


 とはいえ、この特殊能力が知られては、ほぼ確実に目当てとしてスライム狩りのような、乱獲が起きる可能性があるのだ。


 その為、出来るだけバレないようにしているのが現状なのだが‥‥‥まぁ、すでにヴィクトリアにはバレたので今は彼女の目の前で使用している。


 もう少しうまいごまかし方を思いつけば人前でも使えるようにできるので、それまでなんとか考えようかね。



「と言うか、似たようなことがリューの魔法で再現できそうだと思えますけどね。確か空間にも作用可能なのでしょう?」

「できるかもしれないけど、どうも結構難しいようで今の俺じゃあまだ無理なんだよな」



 単純な力量不足で、似たようなものを再現しようにも現段階では無理である。


 もう少し頑張って精進すればできるようになるけど‥‥‥当分はピポの世話になったほうが良さそうだ。

 


 そんなこんなで、今日は森でモンスターを狩りに狩りまくって鍛錬に励んだのであった。



・・・・‥後日として、激減させてしまったようでより奥地のほうで狩りをすることにいたしました。


 うん、俺達が一番乱獲しているような気がするからこれから控えようか。


そろそろ騒動幕開けじゃぁあぁぁl!!

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