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自由に過ごしたい魔物使い  作者: 志位斗 茂家波
夢追い人(ドリーマー)育成学園へ入学で章
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早速出たようです

テンプレがうまいこといかない時もあるのだ。

「リュー・フォン・オーラ!!お前に決闘を申し込む!!」


 そう叫びながらその男子生徒は白い手袋を構え、全力投球でリューめがけて投げたのだが‥‥‥


【えいっ】


 ハクロが糸を飛ばし、リューに当たる前に地面にたたき落としたのであった。



「決闘を申し込む!!」


 改めて手袋を構え、投げてくる他の男子生徒がいたのだが‥‥‥


【ピキッツ!】


 跳ねて手袋を蹴り飛ばすピポであった。




「「「いい加減に決闘を受けろよぉぉぉぉぉ!!」」」


 何回やっても、何回やってもハクロやピポの手によって投げられてくる手袋は全て、リューに当たる前にはじかれ続けて、決闘を挑んできた男子生徒たちはもはや涙目で叫んでいるのだった。



「‥‥‥どうしてこうなったし」


思わず、リューはつぶやく。




 時は15分ほど前に遡る。


 夢追い人(ドリーマー)育成学園の授業が始まり、俺達は普通に授業を受けていた。


 必須はもちろんの事、選択も同様であり、ハクロたちも一緒である。



 ついでに言うなれば、第2王女のはずのヴィクトリアとも重なる授業もあり、彼女との手合わせをしたりすることも多く出た。


 まぁ、模擬戦とかで一番知っている相手との奴なら不安は余りないからね。




‥‥‥しかし、その様子がどうも気に食わない者たちが多かった模様。


 そもそも、ヴィクトリアは第2王女であり、この学園に入学してきたとはいえ、彼女は王族。


 この学園には将来的に夢追い人(ドリーマー)となって夢を目指す者たちが来るのだが、その中には将来的に当主を告げないであろう貴族の3男4男などの子息たちも来るのだ。


 その為、将来的な出世で一番手っ取り早い手段として、ヴィクトリアとのつながりを持って、王族入りをしたいと考える人もいるだろうし、単純な恋愛感情を抱くようなものもいるだろう。



 だがしかし、彼女の近くにはすでに俺がいて、中々近寄りがたかったのだろう。


 そのうえ、俺の従魔たちも見た目は綺麗だし可愛いし、周囲から見れば‥‥‥嫉妬の対象だったんだろうなぁ。


 いや、彼らの立場に立てば同じ気持ちになったのかもしれないけど、怨嗟の視線がすごいきつい。


 



 そして今日、午後の授業の前の昼休みである現在、この学園の食堂で昼食をとっている俺に向けて決闘を申し込もうとする輩が殺到しているのであった。


 一応俺も貴族な事は貴族。


 相手が貴族であれば、貴族なりの決闘の申し込み方として、手袋をぶつけるというのがあるのだが‥‥‥律儀に手袋を投げて決闘を申し込もうとする奴らであり、すべてハクロたちに防がれているのであった。



「くそう!!なかなか手袋が当たらねぇ!!」

「決闘のルール上、当てなきゃ意味がないんだよ!!」

「と言うか、残りの手袋はいくつだよ!!」


 どうやら決闘を申し込もうとしている男子生徒たちは徒党を組み、自分たちで大量の手袋を用意したようなのだが‥‥‥ここまですべて撃ち落とされている。



「何でお前のような奴に第2王女様が一緒にいるんだよ!」

「その従魔だってかわいこちゃんぞろいだしうらやましいにもほどがある!!」

「お前のようなやつがいるから、モテたためしがないんだぁぁぁぁぁ!!」


 くだらないというか、憐れむべきとでもいうべきか‥‥‥決闘を申し込む側が心折れそうになっているんだけど。


 工夫を凝らし、魔法を込めて突破力を高めた手袋を投げてくるものもいたが、あっけなくハクロたちに全弾叩き落されているし、もはや投げても投げても当たらないもどかしさが嫌になって来たんだろう。


 そう、エアー〇ンが倒せないとかいう歌詞のように、なかなかうまいこと行かないことにはいら立ちが募るばかりだろうな。‥‥‥前世、ちょっとだけやったことはあったけどあれは本当につらかった。



 しばらくの間、決闘を申し込もうとする男子生徒たちが隙あらば投げてくるのだが、ハクロたちの鉄壁の防御によってうまいこと行くはずがないのであった。





‥‥‥なお、一度ヴィクトリアといる時に誤って彼女に当てた男子生徒は、にこりとヴィクトリアが微笑んだ後に、後日長期の休みをもらったそうだ。


「何をしたんだよヴィクトリア‥‥‥」

「え?受けてあげただけですわ。ついでに、その心をバッキバキに折っただけですわよ」


 これ以上聞かなかったことにしよう。決闘を誤ってやってしまったその哀れな被害者には、ご冥福を祈ろうか‥‥‥


「それに、リューとの時間を邪魔されたのがいら立ちましたし‥‥‥」

「ん?何か言ったか?」

「いいえ何もないですわよ!」


 ぽつりとつぶやいたように聞こえたが、慌ててヴィクトリアは否定した。


 その近くで、ハクロが不機嫌そうにじーっと半目で見ていたようだったけど‥‥‥なんだろうか一体。


【ヴィクトリアがやった方法(例ⅰ)】

一切抵抗せずに攻撃をかわし続け、威圧を込めた表情でずっと見続けていつでも攻撃できるような体制をとりつつ、相手の体力が尽きるまで待っていただけである。

攻撃できるのにしないで余裕差を見せつけ、すべての攻撃をかわし続けて、しかも簡単そうにすることによって自信をどんどん無くさせていくのである。


‥‥‥気になる相手との時間を邪魔にされた女性の恨みは怖いんですよ。

【ですが、ちょっとリュー様に拘り過ぎていませんかね?】

「魔物使いの才能がないから言葉が分からないけど、なんかライバルって気がするわね」

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