入学早々ですが
ハプニングはあるのです
ただし、斜め上から
夢追い人育成学園の入学式の後、リューたちは入学式の最中にあった知らせで、各自が行くべき教室へと向かった。
‥‥‥何気にヴィクトリアと同じクラスだったのだが、その彼女が横に、ハクロが後ろに、ピポが頭の上でくるくる適当に襲っているところを見て、結構な数の男子生徒たちの目線が痛い。
果たして俺は、この学園で男友達はできるだろうか?できないかなこりゃ。
教室内へ入ると、感じ的には小中学校の机やいすの並びとかではなく、大学の講義室と言った具合の構造である。
前世の受験前に、オープンキャンパスとかでいくつかのすすめられた大学を見たけどさぁ、流石にサイズは10歳前半に合わせて小さい感じである。
ピポはそのまま机の上に乗ったけど、ハクロの場合は後方の空いたスペースに待機することになった。
「さーって!!みんな改めましてこんにちわ!!ワッターシはこのクラスの担任となったドッゾッウだ!!気軽に銅像だろうと同窓だろうといろいろなあだ名で呼んでいいから、これからよろーしく!!」
びしぃっと、どことなくハイテンションな担任であった。見た目は普通のおっさんだけど、よく見たらカイゼルひげだこの人。しかも赤くてそのカイゼルひげの具合がどことなく某黒鉄の城の武器にちょっとみえるな。
「さてと!!まずは皆で簡単な自己紹介をしてもらーおう!!授業は各自が自由に選んで習得できてバラバラな事が多いけど、こうやってまとまりを確認しておくのも夢追い人を目指すなら重要だーーーーー!!」
やっぱりすごいテンションが高いぞこの担任。
あまりの暑苦しさに、なんか背後から炎が燃えているような幻影が‥‥‥ん?あれ?熱いような‥‥‥
「先生!!背中マジで燃えてますよ!?」
「え?あーっはっはっはっは!!そんなまさか、って熱わぁぁぁぁぁ!?」
気が付くのおそっつ!?
「火事だぁぁぁぁぁぁ!!」
「水魔法が使える人はいそげぇぇぇ!!教室が無くなっちまう!!」
「先生の安否はどうでもいいのかよ!?」
‥‥‥初日から、担任が燃えるという珍事件発生。原因は、この人熱血過ぎて知らず知らずのうちに火の魔法を使用しちゃったようで、背後の木製の壁に引火したのだとか。
まずはこの担任の消火という事で水魔法が使える人は水をぶっかけ、バケツとかを持ってきて皆でバケツリレーをして一致団結して火事はおさまったのであった。
担任の後頭部が燃えて寂しいことになったものの、自己紹介をするしないの前にすでにクラス内全員の心は一致していた。
この担任、放っておくとかなり危ないと。
教壇の机、壁、床、担任の後頭部の髪と言う犠牲は出たが、その代わりに俺達は火事の拡大を防ぐために頑張った者たちとして、クラス全員の絆を手に入れたのであった。
【と言うか、あんな担任で大丈夫ですかね?】
「学園長に知られて、給料8ヶ月分60%カットだってさ」
大丈夫かこの学園。初日からもう不安しかなくなったんだが。
何にせよ、今日はこの自己紹介と詳しい説明だけだったそうで、担任が何やらでっかいハンマーを持った別の教師に引きずられているのを見た後、違う先生から詳しい説明を聞き、本日は自由解散となった。
「出来るだけ今日中に選択教科を決めて、明日には提出した後に、その翌日からすぐに授業開始か」
「必須教科があるのも忘れないでおいてほしいですわね。数学や言語学というのが必須ですし、必要最低限、生きていくのに必要らしいですからね」
とりあえず教室から出たあと、学校の自由教室とかに向かい、そこでリューたちは選択授業を決めることにしたのである。
自由教室はいわば皆が適当に集まって話し合える場であり、皆の背丈に合わせていすや机などが無造作に置いてあるので、友達と一緒に集まりやすい場なのだとか。
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夢追い人育成学園:授業説明
『必須教科』:数学や言語学など、将来的に夢追い人となる際に必要とされる教科。習得していない場合、留年の危険性あり。
『選択教科』:「剣術」、「魔法」、「棒術」などと言った具合に、技術を磨く教科が多い。将来的になりたい夢追い人として考えていることを特化することができて、種類も豊富であり、いくらでも取っても構わない。ただし、課題などがあるので要注意。
魔物使いを目指すのなら「魔物使い」の教科を取るのがおすすめ。
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大学とかの選択講義に近い感じだろうか。
「ヴィクトリアはどうするんだ?」
「わたくし?えっと、必須はもちろんでして『体術』『柔術』なども取りたいですわね」
なんというか、やっぱり戦うお姫様と言う感じだよなこの人。
「俺の場合はどうしようかな?ハクロたちがいるし、魔物使いとなるための『魔物使い』の授業はいるだろうしな」
【出来るだけ何があろうと防ぎますけど、基本的な身の守りも必要でしょうし『護身術』などもいいでしょう】
【これはー?『家庭』ってやつも、野宿とかでおいしい料理を作れるかもってあるっピキッツ】
「それもありかな?だったら他に『魔法』も取得したほうが良いかな?」
皆で和気あいあいと決めていくけど、なかなか楽しい。
ヴィクトリアも笑っているし、彼女と重なっている教科もあるので結構顔を合わせる機会が多くなりそうだ。
「でも『護身術』で対戦になったときには手加減お願いします」
「え?こういうのは本気でやるのが良いですわよ?」
いや、貴女が相手だと殺されかねん。ヴィクトリアは第2王女だけど、深窓の令嬢と言う雰囲気ではなく、お転婆と言った方があっているだろう。
あと万が一怪我でもさせたら王族と言う事だし、色々めんどくさそうなのもあるかな。
なんにせよ、受ける授業をリューたちは決めていくのであった‥‥‥
初日から幸先不安すぎる。
果たして、卒業までに無事な学園生活を送れるのだろうか?
‥‥‥テンプレだしたいなぁ。でも、実力差とかの表現が難しいところ。心を折る表現とかもやってみたい。




