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自由に過ごしたい魔物使い  作者: 志位斗 茂家波
夢追い人(ドリーマー)育成学園へ入学で章
21/162

目的地到着!!

ちょっと短めかな

‥‥‥王族の第2王女の馬車と目的地が同じだったために、合流して共に向かうことになったリューたち。


 数日間ほどかけて進み、いよいよ夢追い人(ドリーマー)育成学園がある都市へと近づいてきた。




【リュー様!!目的地が見えてきましたよ!!】

「やっとか!!」


 ハクロの声が聞こえ、馬車から身を乗り出して目的地がある都市の姿を俺は確認した。




 あと10分ちょっとで辿り着くのだが、規模の大きさからこの距離で見えるようだ。



「あれが夢追い人(ドリーマー)育成学園がある都市『キェバ』か!」


―――――――――――――――――――――――――――――

都市『キェバ』

ザウター王国内で3番目の規模を誇る大都市。

周辺には森や草原があり、都市内にある夢追い人(ドリーマー)育成学園の生徒たちの実地研修や体験学習の場としても最適であり、様々な人々が行きかうグローバルシティでもある。

別名「始まりの都市」とも呼ばれ、ここから旅立ってこそ初めて夢追い人(ドリーマー)になれるとも言われている。

露店も多く点在しており、立ち食いにも最適。

―――――――――――――――――――――――


 最後のはどうでもいい情報だが、とにもかくにもようやくたどり着いたのだ。


 2週間ほどの道のりだが、それでも十分長旅でどこか感激を俺たちは覚えたのであった。







…‥‥そして、都市内に入るのだがここで一旦王女様たちとはお別れである。


「王族専用の出入り口があるのか」

「ええ、ですが共に旅ができて楽しかったですし、また学園ですぐに再会できますわ」



 都市内に不審人物が入らないようにきちんと出入り口が東西南北に接地されているようで、きちんと検問があるのだ。


 王族はほぼフリーパスのような扱いだが、王族ではない俺たちは並ばなければいけない。



 途中からとはいえ、王女様たちとほぼ同じ進行速度で一緒に進んできており、途中で野宿となる際も交流し、信頼関係がいつの間にか生まれていた。


 そのため一緒に行きたいのだが、規則は規則なのでここで一旦分かれることになるのだが、まぁ学園に第2王女様が入学するようだし、すぐに再会できるだろう。


「それはそうとリューさん、ここで学園に入学するという事は、わたくしたちは同級生という事になりますわ」


 互いに既に名前は知っているのだが、コホンと咳払いをして第2王女様はこちらに向き直った。


「そう言う事ですが‥‥‥」

「同級生のよしみという事で、もう『第2王女様』とつけなくても良いですわ。気軽に学園では『ヴィクトリア』と呼んでくださいませ」

「え?」


 まさかの言葉である。


 さすがにリューもこれには驚き、周囲にいた護衛たちも驚いた。


 驚きの理由は各々違ったが。



‥‥‥まず、リューの場合は身分差を考えての事である。


 一応それなりに敬意を払う相手であり、そんな単純に名前で気軽に呼び合うなんてことは考えていなかったのだ。



 そして、王女側の護衛たちの場合は、この王女がそこまで気を許した相手なのかという驚きである。


 何しろヴィクトリアはあの国王の娘なのでかなりお転婆に育ってしまったが、それでも周囲にきちんと気を払い、心を許した相手にしか名前で呼ぶことを許していなかったのである。


 彼女なりの警戒であり、貴族の闇が紛れ込みやすい貴族社会のトップにいたからこそ、心を許せるような相手も少なかったがゆえにそうしていたのだろう。


 そんな彼女が一介の貴族家の子息に、それも当主を継ぐことないような4男であるリューに対して名前で呼ぶようにと言ったという事は、それほどにまで気を許したという事なのだろう。




「ええっと‥‥‥じゃぁそう呼ばせてもらうかヴィクトリア」

「ええ、それでいいですわ。では、また学園にてお会いいたしましょう」


 恐る恐る名前をリューが呼ぶと、ヴィクトリアは満足げに微笑み、そこで彼女たちとリューは別れたのであった。


 すぐある、学園での再会まで・・・・・・



さてと、いよいよ入学へ向けて‥‥‥

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