思い出しました
本日2話目です!!
‥‥‥あの時、高校生であった俺は大学受験を控えて物凄く忙しい毎日だった。
バイトに、受験勉強に、親からの激しい受かれ受かれコールに、受験しない組でも特に素行不良で他人の足を隙あらば引っぱろうとする妨害する奴らへの撃退策。
うん、後半が一番イライラ来たなぁ。
そんな毎日の中で、あの事故は起きた。
その日は雪が降り積もり、自転車が使えなかったのでやむを得ず、徒歩で俺は帰宅していた。
その帰宅途中、交差点に差し掛かった時である。
きぃぃぃぃぃぃぃいっつ!!
何かがこすれる様な、急ブレーキがかかったような音が聞こえ、その方向を見ると、でっかいトラックが近づいてきて、俺は見事にはねられた。
多分、路面が凍結とかしていたからスリップして、そのまま滑って激突したのであろう。
はねられて道路に倒れ伏した後、俺は自分の命がもう消えることを悟った。
ああ、どうせこんなあっけない最期を迎えるのであれば、のんびりとした毎日か、もしくはどこかへ旅をしてみたかったかもしれない。
受験とかをしていたけど、よくよく考えたら俺は将来の目的がなかったんだった。
ただ親に言われて、難しい大学へ入れるように言われたけど‥‥‥あれは単に、自分の子供が良いところへ行ったと自慢したかっただけではなかろうか。
俺はただ単に自由に生きたかっただけなのに、いつの間にか他者によって人生が決められていたのではないだろうか。
‥‥‥もしも、叶うのであれば、そんな他者による人生ではなく、来世は俺の好きなように、自由に生きたいな。
そう思いながら、俺は意識を失った‥‥‥‥
(‥‥‥と言うのが、俺の前世の最後か)
ふと目を覚ますと、俺はそのことを思い出した。
前世での自由がなかった自分。
まさか生まれ変わるとは思わなかったけど‥‥‥今だから言えるだろう。
「乳児期に記憶が戻らなくてよかったよ!!」
俺の名前はリュー・フォン・オーラ。辺境のオーラ伯爵家の4男である。
なぜ俺が前世の記憶を今になって思い出したのかと言えば‥‥‥
「ああ起きたかリュー!!」
「すまん弟よ!!まさか俺たちがふざけて投げて遊んでいた辞書が、ドアを開けて出てきたお前に直撃するなんて思わなかったんだ!!」
「しかもそのまま倒れるのならまだしも、立てかけてあった記念の騎士鎧が倒れて直撃するとは思っていなかったんだあぁぁぁぁあ!!」
目の前で慌てふためく俺の兄たち、上から順にドスパラ・フォン・オーラ、エレクト・フォン・オーラ、コングマン・フォン・オーラ‥‥‥一人だけ名前がすごい微妙じゃないかおい!?
それぞれ赤色、青色、茶色の髪と目の色をもっていて、顔が整っているけど‥‥‥うん、見た目と頭は一致しないのです。
というか、改めてここが日本じゃないのが良ーくわかったよ。
そう、俺はどうやら夢に少しは見た、異世界転生と言うモノを果たしてしまったようである。
‥‥‥思い出す方法ってもう少しまともなのがよかったよ。何で勉強嫌いの3人の兄たちの遊びの誤射で俺に直撃した本によって前世を思い出せたのだろうか。
しかも、たんこぶができているようだから地味に痛い……まぁ後で多分、兄たちは父さんに折檻されるのが目に見えているからいいか。
勢いで最初は連続で出しますけど、そのうち少し不定期気味になることはご了承ください。