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自由に過ごしたい魔物使い  作者: 志位斗 茂家波
夢追い人(ドリーマー)育成学園へ入学で章
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ゆらゆら揺れての馬車の旅:その1

のんびりとしたいけどねぇ

 入学式が差し迫って来たという事もあり、ついに今まで過ごしていた屋敷から離れ、夢追い人(ドリーマー)育成学園がある都市へとリューたちは旅立つことになった。


 馬車に乗っていくのだが、4男とは言えこれでも辺境伯爵家の子息でもあるので馬車は立派なものが用意されていた。


 御者は御年60歳の、うちに使えているポーンルドさん。好々爺の爺さんであり、蓄えられた豊かな髭は一瞬某阿呆学校の校長を思い出させる。ちょっと長さが足りないけどね。


 奥さんも一応いて、隠居生活をしているそうだが、今回の要請を受けて俺の送迎を受け持ってくれるらしい。一番安心安全運転をしてくれる人としては心強いらしく、こういう要請があればすぐにでも現場へ復帰するそうだ。


「お願いしますねポーンルドさん」

「ふぇっふぇっふぇっ、よろしくしますのじゃリュー様。このおいぼれ、最期のその時まで伯爵家のために働くことを誓っておるからのぅ」


 忠誠心も厚いようで、信頼と言う点もなかなか高いようである。


 でもまぁ、今回の移動には一つの問題があったけど‥‥‥どうにかなるかな?






「ハクロ、並走して(・・・・)疲れていない?」

【大丈夫ですよリュー様!私自身の基礎体力も高いですし、癒しながら走っていますので全然問題はありません!!】


 ぐっと指を立てて、馬車の横を並走するハクロ。


‥‥‥ホーリアラクネである彼女の体格だとさ、蜘蛛の下半身部分が乗りにくくて、結局並走してもらうことにしたんだよね。


 一応余裕をもっての出発にしたので急ぐこともなく、予定通りつくためにそこそこの速さで進んでもらうことにしたのだが、それでも速いことは速い。


 でもハクロは余裕をもって並走出来ていて、一応馬車の休憩に合わせて彼女も休憩をするようにしてもらった。


 ピポは小さな妖精サイズなので、馬車の中に一緒にいることはできたけど、ある事を(・・・・)してもらうまでは寝ているようである。


 特殊能力のようであり、結構便利な能力だが‥‥‥ピポがいないと使えないという欠点があるんだよね。


 すやすやと眠っているピポはぐでーんと寝そべっていたけど、その体勢大丈夫?間接の向きがあり得ない方向へ曲げられて‥‥‥あ、元がスライムだから骨とかはないのかな?でもそれだとどうやって体の形を保って‥‥‥


 ううむ、考えれば考えるほど謎である。これから向かう先である夢追い人(ドリーマー)育成学園にはスライムの専門家なる人がいるそうなので、その人に聞いてみたほうが良いだろう。


 コングマン兄上の情報だから、信用はあるかな?ただまぁ、かなりの変人で注意とドクロマークで知らせているようなので、油断しないようにしないとね。




 それはそうと、先ほどから思っていたことがある。


「そこそこの速度が出ていて、あんまり綺麗な道じゃないのに揺れがほとんどないな」

「ふぇっふぇっふぇっふぇ、そりゃそうじゃよ。ある時を境に発明されたスプリングと言う物が搭載されており、衝撃を吸収しておるからのぅ」


 俺のつぶやきに対して、馬の様子を見て走らせているポーンルドさんが答えてくれた。


‥‥‥うん、絶対過去にも俺のような転生者がいたんだろうな。どこの誰かも知らないけど、作ってくれていることに今は感謝しよう。


 吸収しきれない軽微な揺れはあるものの、物凄く快適な乗り心地だしなぁ。


 先人の苦労を、今ここで体感しなくてよかったよかった。










 3日ほどが経過し、他の領地を通ったりしてはいたが各地の裏事情のようなものがやや見受けられた。


 裕福そうな領地もあって皆の笑顔が多いところもあれば、厳しいのか辛そうな表情を浮かべる人が多い領地もある。


 時たま国から抜き打ち検査もあるようだけど、賄賂とかでごまかすような人がいるからこそ、そう言った事情が見逃されやすいのだとか。


「まぁ、でも今の国王陛下はそう言ったところにも厳しく目を光らせておってのぅ、自ら出かけて見に行き、そして成敗することが多くて、なかなかいい御方なのじゃよ」


 一応対策はされているようで、完全ではないが徐々にきちんとした人物へ挿げ替えられているようである。



 なお、中には不慮の事故でやむを得ず潰れたり、病気によって息子に家督を譲った後は行方不明になる人もいるようだが‥‥‥深く考えずにおくか。


 これはこれで、触れてはいけない国の裏事情を見たような気がするしね。






 馬車を進めて行き、だいぶ広い草原のあたりまで進んできた。


 何処ぞやの貴族の領地の一部だそうだが、まだ開拓が開始されていないようで、綺麗な平原ともいえよう。


【‥‥‥ん?なんか前方の方で何かあったようですね】


 馬車に並走していたハクロが目を細め、なにかに気が付いたようである。


「何かって?」

【煙が出ているようですし‥‥‥多分、襲撃にあっているかと】


‥‥‥物騒な奴が来たなぁ。せめてこの馬車の旅は平和なのが良かったのだが、進路方向で戦闘が繰り広げられているようだし仕方がない。


「とりあえず、助けに向かうぞ!」


 ここで巡り合うのも何かの縁。


 この際、その襲撃にあっているであろう人達の手助けをしようと俺たちは決めたのであった。

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