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エピローグ ~はるか未来で~

・・・・・リューたちの死後から時間はかなり立った。

年月も何百年か進み、黒曜魔王の名前も伝説と化す頃である。

‥‥‥深い深い森の中、その少年は見つけた。


「なんだろう、ここは‥‥‥?」



 少年は、いつものように村の近くにあった森の中にて、一人で遊んでいた。


 彼はとある孤児院に預けられていたのだが、同年代で遊べそうな子供は全員見事に今年の春に学園とやらへ行き、遊び相手が一人もいなくなったのである。


 そのため、暇つぶしのために少年がすごしていた孤児院の近くにあった森で遊んでいたのだが、今日はいつもと様子が異なり、どうも変なところに迷い込んでしまったらしい。


 そして、途方に暮れていたところで彼はこの場所を見つけたのだ。






 そこは、まるで廃墟のような感じであった。


 でも、どこか懐かしくも感じるようで、感覚的に少年はその廃墟の中をすすんだ。






「ここって新しい遊び場になるかも」


 そう思いつつ、少しドキドキしながら進んでいると・・・・・




ズボッツ

「へ!?」



 相当脆かったのか、いきなり地面が抜けた。


 どうやらそこには深い地下空間があったようで、このままでは落ちてしまうと思った時である。



【危ない!!】



 そう声が聞こえ、何かが飛んできた。


 それは少年の身体に巻き付き、一気に地上へと引き上げた。


「うわぁぁあぁぁぁ!?」



 どうやら釣り竿のごとく、身体になにかの糸が巻き付けられたのであろう。


 そのまま勢いに乗って空中へ投げ出され、そして何か柔らかいものに受け止められた。



ぼすっ

「っ・・・・・なんだ?」


【・・・・・ほっ、良かったですよ】


 見れば、少年は誰かに受け止められていた。


 見れば、先ほどの柔らかいものは、その人物の胸部だったようである。






 その人物は全体的にどこか白く、清楚だけど美しい女性。


 でも、人間ではなく・・・・・下半身が、明らかに蜘蛛であった。




 突然現れた知らない女性。


 でも、少年は恐怖を感じなかった。


 助けられたというのもあるが、どこか懐かしいようにも思えたのだ。


「た、助けてくれてありがとうございます、お姉さん」


 そっと地面に下ろしてもらい、少年はお礼を述べた。


【いえ、なにやら危ない目に遭っていたので、助けただけですよ】


 少年のお礼の言葉に対して、何処か照れ臭そうに笑うその女性は、優しさを含んでいた。



【それにしても、あなたもここに迷い込んだのですか?】

「え?ってことはお姉さんも?」


「【‥‥‥】」


 どうやら、互いに偶々この場所に迷い込んだようである。


 つまり、そろって迷子確定。




「ぷっ・・・・・あははははは」

【くすっ、ふふふふふふふふ】


 互いに何やら迷い込んだという事実がどこかおかしくて、二人は思わず笑った。


「お姉さんも迷子ですか?」

【はい、どうもお母さんたちとはぐれたようで、でもどこか懐かしさをここに覚えてついここで探索していたんですよ。あ、でもこの場所から出られるようにきちんと糸の目印を残してますから大丈夫です!】


 自信満々に彼女が指さしたところを見ると、木に何やらうっすらと糸が巻き付けられていた。



「そうなの?じゃぁ、あれに沿って帰ればここから出ることができるのか!」

【その通りです。せっかくですし、一緒に出ませんか?見たところここは結構危なさそうですしね】



 少年の言葉に、女性はそう提案した。


「わかったよ!」

【じゃあ、ちょっと足元がまだ抜けますし、私の背中に乗ってください】


 そう言いながら、その下半身にあった蜘蛛の身体の部分に少年は乗った。


(‥‥‥あれ?)



 ふと、その瞬間少年は既視感を覚える。


 初めて乗ったはずのその背中が、まるで昔乗った場所のようにしっくりくるのだ。



【あれ?そういえば名乗っていませんでしたね、せっかくだから名前を教えてください】

「いいよ!僕の名前は―――――――――だよ。お姉さんの名前は?」

【私の名前ですか?お母さんから聞いた限り、なにやら大昔に祖先が名乗っていた大切な名前だそうです。『ハクロ』というんですよ】

「そっか、ハクロか・・・・・じゃあ頼むよ、ハクロ!」

【はい、お任せください!】


 すっかり仲良くなり、互いに森から抜け出すハクロと少年。



 その後、彼等はたびたび出会い、仲良くなって一緒に過ごしていく。







‥‥‥その出会いから数年後、とある夢追い人(ドリーマー)が誕生した。


 実力もあり、将来性が大きく、徐々にその名は有名になっていった。


 そんな彼には、綺麗な白いアラクネがパートナーとして一緒にいたという。



 そして、付いた異名が「再来の魔王」だったそうだが‥‥‥それはまだ、遠い未来のお話。


ここまでのご愛読、本当にありがとうございました!!

約6か月間の連載で、しばし間が空いたりもしたものの、なんとかここまで長い間で来たのも読者のおかげです。

ここに、感謝を申し上げます。


ついでに、現在ノクターンでほのぼのメインの「スローライフは自分の力で掴み取れ!!」という、魔物使いシリーズの新たな作品も掲載していますので、ノクターンが閲覧可能であればそちらもどうぞ。

まぁ、どこにR18要素があるんだと言いたいような感じですが、ネタ的に表現をやや過激にした場所もありますからね。

では、改めましてこの「自由に過ごしたい魔物使い」をご愛読いただき、ありがとうございました!!

またいずれ、彼等の物語は続いていくでしょう…‥‥


―――――to be continuity?

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