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自由に過ごしたい魔物使い  作者: 志位斗 茂家波
終わりが見えてくるで章
155/162

今はただ、待つのみ

地道ながらも徐々にその時は迫ってきたようである。

SIDEリュー


 ヴィクトリアとハクロに子をなせてか6カ月ほど経過した。


 そろそろ安定期に入るようで、ヴィクトリアのお腹は大きくなり、ハクロの卵も少しだけ動きが出てきたようである。


 ちなみに、本能のせいでハクロは絶食状態なのだが、動きを極力抑えているので体重の減少はそこまでひどいことになっていないようだ。



・・・・・考えてみれば、蜘蛛というのは大抵獲物がかかるまでじっと待つものが多い。


 アラクネは少々異なる部分もあるが、その待つことができる部分は共通しているようで、絶食に耐性がある体のつくりになっているそうだ。


【とはいえ、やっぱりきついですね‥‥‥目の前に食べ物があっても、まだ食べてはいけないと体が勝手に反応しますよ】

 

 ううぅっと嘆きながらも、卵を愛しくなでるハクロ。


 そういえば、絶食とかしていると、急に食べ物を食べたときにかなりつらくなるらしい。


 ゆえに、絶食明けもしばらくは胃を慣らすための流動食になりそうだが・・・・まぁ、頑張れハクロ。




 そして、この時期になって新たにファイ及びルーンにも子供がなせたことが判明した。


‥‥‥とはいえ、この二人の場合ハクロとはまた違った特殊な状況になった。




「水中での卵の管理って、大変そうだけど大丈夫なのか?」

【大丈夫カナ。新鮮な水が流れるようになっているし、この状態ならば元気な子が生まれるカナ!】


 天空城の中になぜかあった巨大な水槽の中に、ファイの抱卵用スペースが作られていた。


 スキュラの幻獣種のファイだが、子どもをなす時はやはり卵を産むらしい。


 ちょっと見た目は透明な卵だけど、中にはきらりと小さな宝石のようなものが見えている。



 これが、モンスターの中にあると言われる魔石だそうで、綺麗な輝きを放っていた。


 卵の数は2個。どうやら双子となるらしい。


‥‥‥この場合って二卵性双生児とかいうのかな?いや、違うのかな?


 とにもかくにも、そこで孵化するまではしばらくファイもその中から離れられない。




 そして、ルーンの方はさらに厄介なことになっていた。



「‥‥‥この場合、何が産まれるのだろうか?」


 お腹をさすり、ルーンがそうつぶやいた。


 ルーンは元はエルフなのだが、とある毒によって一時期大蛇と化し、そして今は下半身のみ蛇のラミアになっていた。


 で、この場合子供が出来たら一体何が産まれるのか謎なのである。


 ラミアが産まれるのか、それともエルフが産まれるのか、人間とのハーフでハーフエルフとか言うのが産まれるのか、それとも人間か・・・・


 予測が出来ず、しかもさらに厄介なことに通常のラミアとは違う状態なのだ。


『うーん・・・・通常、既に卵を産んで抱卵する時期ですが、この場合どうやら胎生のようデスネ。卵はなく、お腹の中に直接子供がいる状態ですが、場合によっては帝王切開を覚悟してくだサイ』


 厳しい顔で、診察をしたワゼがそう告げた。


 通常のラミアであれば、こちらも抱卵するらしい。


 だがしかし、どうもルーンは卵生ではなく胎生で子をなしたようであり、前代未聞な状況になったのだ。



 さすがに超人メイドのワゼもこの状況は予想できなかったようで、万が一に備えての準備を念入りにしている。


【もしその万が一の倍になったら手伝うでありますよ!】


 ぐっと指を立てて不安がないように励ますルピナス。


 彼女の場合はアンデッド系ゆえに子をなせないそうなのだが、生前の毒の扱いの知識があるようで、痛みを軽減する麻酔用の薬を作れるらしい。


【大変だよねー】


 のんきにピポはそう言ったが、皆の事が心配なのか、最近習得したらしい分裂とかいう技で念入りに見回ってくれているようである。


 とにもかくにも、順番で行けばヴィクトリア、ハクロ、ルーン、ファイと続けて子供が産まれそうだ。


 だが、気を抜けないような状況でもあるので、少々胃に負担がかかるなぁ。




 まぁ、今はただ耐えるだけの時期である。


 この時期を乗り越えてこそ、新たな生命が生まれるのだと自分に言い聞かせつつ、リューは皆の身体を心配するのであった。




・・・・・閑話が先にできてしまったのはどうしよう。未来の話になるけど、これの公開はもう少し後かな。

今はとにかくに、皆が無事にその時を迎えるのを待つだけである。

次回に続く!!


【あれ?うちの出番はどうしたのだよ?】

・・・・・ランの出番、今回無し。忘れていたわけではない。彼女のセリフネタがなかった。

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