吉報
さてと、いよいよこの新章辺りになると終盤か
長い長い話だけど、もう少し続くぞ!!
SIDEリュー
今、リューたちはかたずをのんでその結果が出るのを待っていた。
ワゼがある検査の結果を解析し、その内容を告げるまで、ほんの数分程度なのに、物凄く長く感じた。
その隣では、その検査を受けたヴィクトリアとハクロがドキドキして手を握りしめ、その後方では同じようにピポたちも待っていた。
そして、解析が終了し、ワゼは口を開いた。
『・・・・・解析完了。検査結果として』
「結果として?」
「どうなのですか?」
【どうなのでしょうか?】
『‥‥おめでとうございます。二人とも、妊娠しています』
「よっしゃぁぁぁ!!」
「やりましたわぁぁぁ!!」
【良かったですよぉぉぉぉ!!】
にっこりとワゼが微笑み、その結果を告げたことでルースたちは歓喜した。
そう、ついにヴィクトリアとハクロに子が出来たのである。
結婚して早数年、天空城も完全に空を舞い、安定して移動できるようになった矢先に、ついに待望と言える子が出来たのであった。
【おめでとうカナ!!】
【ピキ―ッツ!!二人とも早いよ!!】
【聞いているこっちがドキドキしたのだよ】
「うんうん、新たな命が生まれるのはどの種族だろうと待ち遠しく思えてくるものだな」
【まぁ、拙者には不可能な事でござるけど、嬉しいのは変わらないであります!】
ファイたちも、そのハクロたちの妊娠に対し、祝福の言葉を述べた。
皆で歓喜しつつ、この後予測できる注意を皆で再確認することにした。
まず、ヴィクトリアは人間ゆえにその後の経過は予想が付く。
だがしかし、ハクロはホーリアラクネ・・・・モンスターであり、人間とは経過が異なるらしい。
『調べてみたところ、このメンバーで妊娠後に卵生・・・・つまり、子を卵として産むのにアラクネは入っているようデス。あと、ラミア、スキュラの種族に当たる二人も同様になります」
ルーンとファイを見て、ワゼはそう告げる。
『ピポにもし子供が出来たとしたら・・・・・こちらは胎生のようです。スライムで人型をとる種族ならば、そのままお腹の中の様子が見えてしっかり経過観察は可能なようデス。分裂もスライムの繁殖手段ですが、他種族の場合はそうなるようデス』
【中身見えるのー?】
『正確には、形が出来た頃合いには視覚可能なようデス』
ピポの質問に対して、ワゼはそう答えた。
『そしてランの場合はサキュバスの種族ゆえに、生まれる子供が人間かサキュバス種族の何かになるようデス』
【何かって何なのだよ?】
『色々デス』
【・・・・・ちょっと手を抜かれたような気がするのだよ】
ランが半目でそうつぶやく。ちなみに、サキュバスって子ができにくい種族らしい。
『また、私のようなゴーレムや、ルピナスのようなアンデッド系の場合は子をなせないんですよね‥‥‥やろうと思えば可能デスケド』
【え?そんな方法がありますか?】
『ざくぶしゅっの移植手術デス。生きた方からの提供で‥‥‥』
【あ、やっぱり遠慮するであります。生々しいというか、ヒトとしてというか、モンスターとしていう点ではどうもそれはアウトな様な・・・・・】
倫理的な問題に、ワゼの言葉に対してルピナスは青白い肌を更に青白くして断った。
『まぁ、そんなわけでして、今後の経過でハクロ、貴女は卵を産む必要性がありマス。しかも、この場合生まれるまで絶食を行うようデス』
【絶食ですか!?】
『それはあくまで自然下なので、必要性はありませんけどネ』
一瞬、驚きつつもほっとしたハクロ。
何にせよ、安定して来るまで気は抜けないそうである。
その為、アラクネの場合は絶食によって精神を集中させるのが本能的にあるらしいのだが‥‥‥
「・・・ハクロって、本能あるの?」
【その質問、どこかおかしいような気がしますが・・・・】
とにもかくにも、コレはめでたい話である。
それに、この話はアレン国王・・・いや、もう退位しているから元陛下に報告したほうが良いだろう。あの人にとっては初孫だろうしね。
あと兄や父にも報告しないとなぁ・・・・・いやはや、やることが多くあるな。
って、コレ考えてみたらヴィクトリアとの子だと一応王族の血を引くんだよね。
公爵家に近い扱いになるようだけど、生憎リューは魔王。
だけど、この場合次期当主というか、そのあたりは決定できるのだろうか?
次回に続く!!
『なお、倫理観を無視しないで子をなす方法もありマスネ」
【あるのでありますか?】
『ええ、一応。‥‥‥機械魔王様製のもので・・・』
【・・・・胡散臭そうだし、何となく腹を掻っ捌かされそうで怖いのでやめるであります】
『その判断は懸命でしょウ。何しろちょっとばかり「ぐじゅ!!」「ぶじゅっ!!」っという音でのグロがありますからネ』
【いや本当に何をするつもりだったでありますか!?】




