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手を下さずとも

事後処理的な話しかも

SIDEリュー


・・・・・ムーカスとかいうやつ及び、ダッツーレラウ王国の軍は全て取り押さえられた。


 どうやらダッツーレラウ王国は、今代の王でいろいろやらかしていることが多く、周辺諸国からすればもうあの国いらねぇ状態らしい。


 かと言って、そう簡単に攻め滅ぼすのも費用の無駄となるので、何もできなかったそうだ。


 だがしかし、今回取り押さえたのはどうもその国の全兵力だった。


 何で全部向けてきたのだろうかと尋問してみると、どうやらその国の国王ダラッツーノは典型的な愚王のようで、今回の天空城を手に入れる作戦をすべてムーカスに一任し、全く見ていなかったそうなのだ。



 出てくる利益のみを考えていて、後先考えないでやらかしているのだから、愚王としか言いようがない。


 しかも、その政策もいろいろと突発的かつ具体性もなく、愚政と言って過言でもないようで、民衆の不満勃発で、いつ反乱がおきてもおかしくないそうである。



 そんなところに、全部の兵力が抜け出ているという情報が入れば・・・・・・





「当然、国民が決起しちゃうよな」

「所詮、ダラッツーノは王の器ではなかったという事なのですわ。まぁ、そんなことになるとは先代とかも思っていなかったのかもしれないけれども・・・・・」

【うわぁ、見事にみんな怒ってますよ】



 天空城で移動し、上空から見てみれば、今まさに革命が起きてた。


 城を守るべき兵士たちも、民衆をある程度諫める衛兵たちもいないので、皆怪我せずにずんずん進み、あっという間に落城したようである。


 肥え太っていた貴族たちも引きずり出され、逃げていた者も無理やり捕まえたりしていた。



 こういう混乱が起きると、周辺諸国が政権を掌握しようと動き出すかもしれないが、この民衆の怒りがすさまじ過ぎて、しばらく様子見を決め込むらしい。うかつに関わって飛び火したら嫌だもんね。



「あ、あれがダラッツーノ王か」

【見事に贅肉まみれのひげもじゃカナ】

【引きずって運んでいるようで、相当嫌われているようなのだよ】


 守るべき兵力もなく、あっという間に捕らわれた国王たち。


 このままにしておくと、当然民によって裁かれてしまうのだが・・・・・どうも血なまぐさいことはしないつもりらしい。



 血で血を洗うと再び血が見えてしまう。


 だからこそ死刑とかにはせずに、彼等は平民へ落とし、一生の奉仕活動を義務付けられたようであった。


 焼き印を押し、きちんと見える印として生涯を償ってもらうようである。



「そして、密かに隠れていた優秀だった王弟が国王に就任っと」



 何にせよ、今度の王は皆に温かく迎え入れられているようだった。








 天空城を動かし、再び森の上空にリューたちは舞い戻った。


「・・・・しかし、こっちが何もしなくとも勝手に自滅していったな」


 ぽつりと、先ほど見たダッツーレラウ王国の状態を思い出し、リューはそうつぶやいた。




 正直言って、あっけない国の崩壊劇である。


「欲望に溺れ、もはやダメになった国の末路はあんなものですわね。それでもまだ賢い愚王であれば長続きしたのでしょうが・・・・・」

【賢い愚王って矛盾しているのだよ】


 何にせよ、天空城を狙っていた国が消えたはいいかもしれない。




「とりあえず、これで当分はこの天空城は安泰か・・・・・・今後の憂いとしては、また同じような事をしでかすところが出ることかな」

『現状、黒曜魔王であるご主人様が所持しているので、そう喧嘩を売るような輩は出ないでしょウ』


 つまり、そう簡単に天空城を強奪する輩は出ないらしい。



「ま、これで落ち着いたし、俺達は拠点を得たからいいか」


 しばらくごたごたは避けたいところである。


 今後はゆっくりと夢追い人(ドリーマー)活動を続けつつ、魔王としても各国と争いにならないようにして、過ごしていきたい。



 そうリューは思いつつ、今後の指針を決める前に休むことにした。



 寝ようと思って、立ち上がろうとしたのであったが・・・・・


【でも、これで子供を得たとしたら無事に育得られる場所も確保できましたね】


 ぽつりとハクロが漏らしたその言葉。


 

‥‥‥考えてみれば、夢追い人(ドリーマー)活動をしている間、ずっととどまることがなかったのだが、拠点を得た今、ここでゆっくりとどまることができる。


 つまり、子どもが出来たとしても安心して育てられる環境になったという事でもあるのだ。



 その考えに思い当たったのか、ヴィクトリアたちの目が一瞬きらりと光ったような気がした。




 あ、これ今後かなり大変なやつだ。


 ハクロの余計な一言のせいで、どうやら余計に大変な事態が引き起こされてしまったようだと、リューは半ばあきらめの気持ちになるのであった。


「・・・・・とはいえ、発言の責任をハクロにはしっかりとってもらわないとね」

【え、ちょっと、リュー様?魔王の衣がものすごく変形しているというか、いろいろお見せできないよな・・・・・・】




 翌朝、その日ずっとハクロは一歩も動けなくなったのであった。


【く、口は禍の元ってやつですか・・・・・うう、足腰に力が入りません・・・・・】

「思えば、ハクロって今まで色々と余計な一言を言っていたからなぁ。今晩も相手をしてね」

【き、鬼畜ですかリュー様ぁぁぁぁぁぁぁ!!】

ハクロの余計なフラグを立てている回数が、全メンバーの中で一番多いんだよね。

というか、どの世界の彼女も同じような目に遭っているなぁ・・・・

なんにせよ、愛されているのはいいことなのだろうか。

次回に続く!


‥‥‥ちなみに、次回閑話の予定。その後新章かな?ムーカスのその後とかも書いてみたいなぁ。


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