面倒事が向こうからやって来た
ここ最近朝が辛いなぁ。
SIDEリュー
天空城という拠点を手に入れて2週間。
長年、誰も住み着いていなかった天空城だが、それでもどこかにホコリがたまっていたり、老朽化していたりする部分がある。
それらをすべてワゼが整備していき、ミニワゼたちもフル稼働させて、ようやくすべての点検なども終わったようだ。
安全性の確認などをきちんとしたために時間はかかってしまったが、これでようやくこの天空城は拠点として動き出し、世界各地を回れるはずなのである。
「とはいえ、ワゼ。念のために自爆装置とかは大丈夫だよな?」
『ええ、大丈夫デス。あれは音声認識及び道具が必要でして、その他にもちょっとあって、そう簡単にこの天空城がドカンと爆発はしませんよ』
【それならいっそ外してしまえばいいんですけどね・・・・・】
『いや、それは不可能でした。この天空上の心臓部と密接につながって、外すのが不可能でしタ』
できれば今後の憂いを無くすために、不安要素の自爆装置を無くしてもらいたかったのだが・・・・・・どうも外せないような構造で不可能だったそうである。
ただ、様々案条件が整わない限りは自爆はしないそうなので、注意すれば良さそうなのだ。
ワゼがあちこちの危機を動かすと、モニターのようなモノが出てきて、オマケに地図のような物も出てきた。
『これが操縦装置デス。基本的のほぼオートで動き、こちらにあるのが航路図で最新版のものにセットしていマス』
・・・・・・こういう仕掛けがあるのは別にいい。
天空城だし、操縦する方法があるのは当たり前だろう。
だけどな、操縦席に文句を言いたい。
「『上昇』『下降』『前進』『後進』『斜め移動』『自動』・・・・・手抜きにもほどがあるだろ!!」
シンプルでわかりやすいけど、こんな操縦席は求めていなかった。
なんというか、こうもっとかっこいい操縦席があると期待したのに・・・・・これじゃあピタ〇ラスイッチにあったお父さん(時々その他)ス〇ッチじゃん!!
分かりやすいけど、せめてそこも拘ってほしかったよ!!
まぁ、難しい操縦方法ではないのでよかったのかもしれないけど、リューの中ではこの天空城の設計者の評価が少し下がったのであった。
どうせ天空城というなら、某大佐のように石をかざして動くようなものでもよかったのにな・・・・・
何にせよ、とりあえずこれで移動可能となる。
あとはスイッチ一つでこの天空城は空を行く拠点となり、これからの夢追い人生活に潤いをもたらしてくれるであろう。
あ、黒曜魔王だし魔王城にもなるのかなこれ?
「さてと、とりあえずまずは動かしてみるか。『前進』ボタン、スイッチォォォォォン!!」
【なんか文句を言ったわりにはこだわった言い方していませんか?】
そこ、うるさい。
どこぞやの3機合体ロボみたいな言い方をしてみたい時だってあるんだよ。チェェェェンジ!!ってね。
ぽちっとボタンを押すと、天空城全体が少し震えすぐに収まった。
きちんと稼働しているのか気になり、ワゼに言ってスクリーンに映してもらうと、ゆっくりと確かに動いていた。
‥‥‥結構遅いけど。
「お、遅いな・・・・」
『あ、これ最低速度に設定されていますヨ』
どうやら設定を間違えたらしい。
速度設定を上げて、とりあえず時速40キロぐらいにしてみると動きがはっきりとした。
ちなみに、最高時速は現状時速900キロまでだそうだ。
『人体への負担や、ソニックブームなどを考慮しなければ音速を超えれマス』
「そんなに速度を出すことはないんじゃないか?」
というか、下手したら空中分解しそうで怖いな…‥‥
とはいえ、無事に動いたことは良いことである。
正直言って、まともに動くか怪しかったんだよね・・・・・・ワゼが全部の点検をしっかりやっているとはいえ、やっぱり気になるしね。
ピココン!!
「ん?なんの音だ?」
そう考えていると、ふと何かの音が鳴った。
『何かを感知したようですね・・・・・・ああ、自爆用の道具の反応デス』
「自爆用の道具・・・・・・え?」
ワゼの言葉に、思わずリューは聞き返した。
「じ、自爆用ってこの天空城が自爆するために必要なものだっけ」
『ええ、どうやらその持ち主が接近しているようデス。しかも、結構な人数を引き連れているようで・・・・』
‥‥‥自爆用の道具を持ってきて、なおかつかなりの人数を引き連れてきている時点で、相当な面倒事なような気がする。
そうリューは思いつつ、その様子を見るためにワゼに操作してもらって、モニターにその場を映してもらうのであった。
やってきました自爆道具。
それを持ってきたのは果たして誰なのか。
というか、明らかに面倒事しか思えない。
次回に続く!
・・・・・入手早々、自爆なんてさせたくないな。




