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面倒ごとになる前に処理

出来ていると良いなぁと思いつつ、やってみるとどこかに残ってしまう物である

SIDEリュー


 無限稼働天空城「ピュタラーラ」とかいう、某どこかの天空の城に似たようなもんを手に入れたリューたちであったが、今は少々手続きを行っていた。


 何しろこの天空城があったのはラストリモの森。オーラ辺境伯爵領地内である。



 この天空城がリューの所持物になったのはいいが、それでもあった馬車は貴族の領地。


 いかに身内の領地内とはいえ、黙って持ち出すのはどうも心情的に良くなかったのだ。


 それに、この天空城はどうも兵器としても性能が高いようで、そんなものを一個人が手に入れて良いのかという想いもあったのだが・・・・・



「あっさり手続きが終わって、無事に持っていけることができたな・・・・・」

「ドスパラ氏・・・・・お義理兄様が理解できている方で良かったですわね」


 現在、オーラ辺境伯爵家はリューの兄であるドスパラが継いでいる。


 その為、彼に問い合わせてみたところ案外あっさりとOkをもらえたのだ。


 理由は「弟」だから。



 これが身内でなければいろいろ渋る処だったそうだが、リューなので悪用もしないだろうという信頼があったからだという。




 ここでまずは一つの難関を突破したのは良いとして、まだ問題はあった。


 それは、この天空城の移動に伴う変化だ。


 正確に言うならば、このラストリモの森は今まで魔王にゆかりのある地だからこそモンスターが寄り付きにくいとされていたのだが、真実はむやみに荒らされないようにモンスターたちをこの天空城から放たれる何かしらの電波やらなんとやらで寄せ付けないようにしていたらしいのだ。


 この天空城を動かしてあちこちへ行けるようにしたいのだが、そうなればその寄せ付けないようにしていた物がいなくなることで、この森にモンスターが大勢押し寄せてくる可能性が出たのだ。


『まぁ、そのあたりは問題ないデス』

「というと?」

『辺境伯爵家の領地という事で、他国からの襲撃も備えてここの住民はそこそこ戦闘が出来ますので、モンスターが来ても対処は可能なのデス。また、この天空城の機能を探ると長時間滞在していた場所はその寄せ付けない機能の影響を受けるようで、離れた後も当分は同じ状況が続くと計算できマス』


 ワゼの調査によって、天空城がずっと長い間居ついていたこの森にすぐにモンスターが来ることはないらしい。


 例えで言うなれば強烈な臭いがこの場所に残って、消えるまで時間がかかり、消えていけば当然モンスターがやってくるのだろうけど、それでも対応する時間は十分にあるのだとか。



「だとすれば、この天空城で移動していたらモンスターがあちこちで寄り付けなくなるのか?」

『計算上、その地での滞空時間が300年を超えればの話ですので、ほんの数日や数十年程度では意味はないようですネ』


 つまり、一時的に寄り付かなくすることができるとはいえ、そう長いこといなければ生態系の変化もなさそうである。



 その分、動き続けるということになるのだが・・・・・300年も同じ場所にいることはないので、大丈夫だろう。


 というか、300年も生きている自信がない。いやそれもう人間やめているよね?黒曜魔王となっているからやめている可能性もあるけど、そこまで寿命あるかな?




 何にせよ、いくつかの問題が浮上したが、どれも冷静に対処すると全て消え失せた。


 これで、あとくされもなくこの天空城を拠点として扱う事が可能なはずだ。



「よし、これでもう大丈夫だよな?」


 リューが尋ねるとハクロたちはうなずき、もう問題がないだろうという結論になった。


 念のためにワゼに情報を収集してもらうが、とにもかくにもこの拠点はリューたちのモノである。


「じゃぁ、拠点が出来たことをここで祝おうか!」

「「【【【【賛成!!】】】】」」


 ようやくこれでひと段落という事で、リューたちは拠点を入手できたという祝宴を上げるのであった。



ーーーーーーーー

SIDEとある国


・・・・・・ちょうどその頃、ある国では国王に報告をしているものがいた。


「・・・・・ふむ、その話しが本当であればとんでもない代物であろう」


 報告を聞き、その国の国王・・・・ダッツーレラウ王国の国王ダラッツーノは考え、そしてその出るであろう利益に目を輝かせた。



 ダッツーレラウ王国はそこそこ栄えていた国だが、今の国王の代となると急に貧しくなってきたのだ。


 だんだんと国民の不満が高まり、軍部の方も給料を満足に出せず、クーデターやら内乱やらがいつ起きてもおかしくはなかったのだ。


 そんな時に、本日この国の考古学者と名乗る男が現れ、ある文献についての報告をしてきたのである。


「そなたの話が真実であれば、その天空城なる物はほぼ間違いなくわが国の利益となるであろう。よし!その話乗ったぁ!!」


 うまみがありそうな話ゆえに、ダラッツーノ国王はそう叫ぶ。


 その返答を聞き、満足そうにその考古学者・・・・ムーカス=ゴンザレスが笑みを浮かべ、敬礼をした。


「はっ!陛下の期待に応えるためにも解読を進め、絶対にこの天空城の利権をこの国にもたらしましょう!」


 そう言いながら、国王から許可をもらい天空城に全ての事で一存をムーカスは担うことになった。


‥‥‥話を理解しても、やはりそう細かな人員配備だとか、計画はダラッツーノ国王には難しかったようで、言い出しっぺに押し付ける気満々のようでらう。


「だが、愚かな王だからこそやりやすいな」


 ニヤリと腹黒い笑みを浮かべ、ムーカスは天空城に関しての全権を得て、軍やその他もろもろを動かすために動き出した。


 すべては、天空城を手中に収めるために・・・・・・・・

‥‥‥ああ、フラグ回収しそうだ。

リューたちのあずかり知らぬところで勝手にいろいろ起きてしまった。

しかし、ただの考古学者がそんな文献を報告しただけで、それを得るために全権をもらうのはどうなのだろうか?

次回に続く!!


・・・・・まぁ、馬鹿・屑・愚者などと揃った王ならばそんなことをしてしまうんだろうな。某天空城の映画に出ていた人も少々頭があほ~んな人っぽかったし、そういうやつほど御しやすいのだろう。

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