解析完了!!
解析・分析ってややこしい。
SIDEリュー
『解析完了・・・・・・アアモゥ!!このパスワードやそのほかのセキュリティを考えた人絶対に性格が腐れ的っていますヨ!!』
そらにできた謎の物体の奥部屋、その制御室だとかいう部屋にてワゼが解析を始めて3日、ようやく全体の把握ができたようだ。
ただ、いつもは冷静なワゼが叫ぶなんてどれだけ難航したんだろうか…‥‥というか、いら立たされたのだろうか?
「ワゼ、結局パスワードの解析ができたのか?」
『ええ、出来ましたヨ。でも本当になんというかひねくれすぎていて、正直これを見つけた人に解析させる気があるのかといいたくなりましたネ』
リューの問いかけに、冷静に答えるワゼ。
だが、その言葉にはややいら立ちがにじみ出ていた。
・・・・・なんというか、本当にご苦労様。
『100重パスワード、1000問の問題、10000の分岐ルートなど、解析するにつれて・・・・・・これもう人間に解かせる気はないデス』
「うわぁ・・・・・」
【相当というか、かなり面倒くさそうですよね】
とにもかくにも、これで全部の解析ができたようだけど・・・・・結局、この場所って何なのだろうか?
ワゼが解析を続けている間も、せっかくなのでリューたちはこの場所について探索をしていた。
かなり広いようなのだが・・・・・エレベーターや動く歩道のような物があったのだが、どうも全部稼働していないようだ。
この解析によって何か作業をして全部を終えれば稼働してやっとこの前部が分かるそうだけど・・・・・相当オーバーテクノロジーだよなこの場所。
『あとは、ご主人様の魔力波長をここに記録させれば、ようやくこの場所の全稼働及び把握が可能デス』
そうワゼは言いながら、ボタンをあちこちおすと、何やら小さなパネルが空中に浮かび上がった。
そのパネルには、何かが書かれていた。
―――――
『全権把握:ここの所持者になりますか?』
・YES
・はい
・OK
・オフコース
―――――
・・・・・どれも変わらない返答じゃん!!
とりあえず、一番まともそうな「はい」の部分をリューは押した。
すると、再び違う文が浮かび上がる。
―――――
『了承>魔力を流し込み、その魔力波長を記録してください』
『なお、流し込む必要魔力は3桁分必要です。それ以下の魔力の持ち主では、あの世逝きです』
―――――
すっごい物騒な事が書かれていた。
どうやら警告文のようで、これを押すには最低でも100、最高でも999は魔力が必要なのだろう。
だがしかし、こんなことは意味がない。
何しろリューの魔力はとっくの昔にそれを超えており、この程度じゃ軽いものである。
そう思いながら、リューがその魔力を流してみると、確かに一気に流れて言った気はするが、ほとんど座れなかったようにも感じた。
ヴォン!!
っと、魔力を流し終えたところで「了承」の文字が出てきた。
『・・・・・・・魔力認証成功。コレより、この魔力の持ち主を所持者と登録。所持権限を手放すには所持者の死かもしくは許可が必要ですので注意してください』
そう音声案内が流れると同時に、室内が一気に明るくなった。
「うわっつ!?」
「なんか一気に明るくなったわよ!?」
【なんなのだとなんなのだよ!?】
突然の光量の変化に驚きつつも、気が付けば目の前に大きなスクリーンのような者が投影されていた。
そして、そこに移っていたのは・・・・・・・
「‥‥‥マジかよ」
場所的には空中のようだが、その全容を見て思わずリューはそうつぶやいた。
絶対に転生者というか、その手のマニアが関わっているなと確信できたのだ。
なぜなら、そこに移っていたのは某天空の城に某魔法使いの動く城など、様々なものを詰め合わせたような部分がある物と、その上には巨大な城が備え付けられていた。
そして、同時に出ていた文字には・・・・・・
―――――
『無限稼働天空城「ピュタラーラ」』
・全長600メートル
・推定重量100トン
・デザイン監修:転生者で「慈愛魔王」タナカ=ゴンザレス3世
・製作:慈愛魔王の弟、サトウ=ゴンザレス4世とゆかいな仲間たち
・技術提供:#(&$(&’
・自爆機能有り。ただし、音声認証と了承用石が必要。
・・・・・・etc
―――――
「どこからツッコミを入れろと!?」
思わずリューは叫ぶのであった。
いろいろとツッコミどころ満載であったが、とりあえず必要な部分だけは分かった。
この場所はどうやら転生者でもあった慈愛魔王の作った・・・・・いや、正確に言えばその仲間たちが作った、まさに天空の城とでもいうべき場所らしい。
ピュタラーラって、明らかにどこかの映画のやつをもじったようにしか思えないが、まぁ分かりやすくていいだろう。
というか、自爆装置・音声・石って明らかにそれしかないよな?バ〇スで壊れるのかこの天空城?
不安要素はあれども、どうやらこの城がワゼが見つけたものだったようである。
『慈愛魔王についての情報も入っており、そのさなかに見つけたのデス。で、どうやらこの城は次の持ち主が見つかるまでスリープ状態で上空にとどまっており、変なものが侵入してやらかしてこないようにというわけで、生物の本能に働きかけてこないようにさせるという仕掛けが施してあったそうです。
この城があった森にモンスターが寄り付かなかったのも、そのせいだったらしい。
「それで、この場所が俺たちの拠点として最適そうだと思ったわけか・・・・・・」
『ご主人様が所持者登録すれば城内のあちこちへの単距離転移装置というものが使用可能になって迷ってもなんとかなるようで、しかも操縦可能なのであちこち飛ぶことも可能なのデス!』
つまり、移動面から見ても理想的な城である。
城内には作物の栽培を行える場所もあって食糧の自給が出来るし、武器なんかも作り上げた転生者たちが調子に乗って山ほどあるようで、いざという時には要塞にもなるようだ。
城内の環境も常に最適に保たれ、ある意味一国そのものが空に浮かんでいると言ってもおかしくないそうである。
『まぁ、文献によると先着1名様に限り登録可能で、あとは登録した所持者の権限がない限り譲渡不可能だそうデス』
だから説明するよりも早くこの場所へ連れてきて、さっさと登録するために努力をしていたのだという。
ワゼの説明不足だった部分も補充され、リューたちはようやく納得がいった。
「それじゃ、ここが今日から俺たちの拠点としても使用して良いんだよな?」
『登録してありますので、自由に可能デス!』
リューの質問に、ぐっとワゼが指を立てて肯定した。
何にせよ、移動快適拠点を手に入れた!!
【ん?でも文献に残っていたということは、他にもこの城の存在を知る人がいるのでは?】
ふと、ハクロガそうつぶやいた。
『可能性はありますネ。似たような内容の文献を100個以上全世界にばらまかれているそうですし、先着一名様限りで終わってしまうとはいえ、誰が先にこの天空城を得られるのか考えていた面もあったようデス』
ハクロの問いかけに対して、ワゼはそう答える。
でも、今はもうリューが登録してしまったので、この城を手に入れるにはリューの死亡か譲渡しか手段がないので、今更のこのこやってきても遅いそうだ。
『先着順と書いてますし、手に入れられていたらもうあきらめるしかないでしょウ。往生際の悪そうな馬鹿もいそうですが、その文献は現在大多数が失われているそうですし、書かれている文字も今よりもかなり大昔のものなので解読が難しいですからそうやすやすと分かるはずがありまセン』
【なるほど・・・・・でも、可能性があるとしたらこの城を作った転生者の子孫とかがありそうですよね】
『確かにありますね。でも、子孫は確認されていますけど、流れている血は途中から養子なので途絶えていますし、相続権すらありませんから大丈夫デス』
・・・・・・・おいちょっと待てその会話。
ふと、リューはなにやらフラグのようにも感じたのだが、既にハクロたちは全部言ってしまうのであった。
大丈夫だよね?こういう時に限って本当に当たるのだからやめてほしいなぁ。
・・・・・どでかいフラグが立ちました。
というか、自爆機能は外しておいたほうが良いような気がするな・・・・・
そういうのに限って押すことがあるしね。
次回に続く!!